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【駄文2】博士と賢者の石 -バズり-

前話はこちら(読んでも読まなくても同じです。)

斯くして、Instagramがバズった訳なのだが。

「キミ!バズるとは、凄いことなのだぞ!何故そんなに無表情で居られる?」

決して無表情などでは無い。顔が蝿なだけだ。

「『モニターやらせてください』というコメントもチラホラ来ているのだぞ!」

何故「配膳ロボ」のモニターに成りたいのか全く不明だ。そんなにモニターに成りたきゃガストに行けば良いのに。

博士は興奮が絶頂に達して、眼球が180度回転し、視神経が剥き出しに成って居る。

「…と、ともかく返信しよう!」

斯くして、「ボッッコちゃん」モニター希望者への配送業務を、俺が請け負わされた訳なのだが。

「蝿男」以前の俺は、数々の仕事を熟して来たのだが、一方の博士は一気通貫して「子供部屋おじさん」なので、筋金入りの無免許だ。
依って自宅待機だ。

子供部屋幼児→子供部屋子供→子供部屋青年→子供部屋中年→子供部屋還暦。

博士は今年還暦だ。
「子供部屋おじさん」と云う表現は上記を全て包含した概念なので、条件さえ満たせば死の瞬間まで使用可能である。

そんな事を思考している間に、モニター宅に到着した訳だが。

軽トラの荷台に括り付けた「ボッッコちゃん」と云う名の配膳ロボを、大川栄策ばりのタンス運びの要領で玄関先まで運び、チャイムを押下した。

住人らしき、20代STARTO ENTERTAINMENT系イケメン男が出て来た。
それを迎え討つのが、俺こそ「蝿男」だったため、STARTO ENTERTAINMENT旧ジャニーズは一瞬驚いた。

だが、令和時代は、男だろうが女だろうがゲイ、レズ、バイセクシャル、トランスジェンダー、その他諸々、別に何でも良くなったので、その雰囲氣は即霧散した。

「モニター様でしょうか?「ボッッコちゃん」をお届けに参りました!」

と接し易い感じで言いたかったのだが、何せ口が「口吻」のため喋れない。
だから筆談で伝達した。

「実は私も同じようなモノを作っていまして。いや本当に先を越されたー、と思いました!」

そう言うと旧ジャニは、女の生首を甲子園に連れて行けなかったおじいちゃんの遺影の持ち方で展示した。

「ぎゃー!」と俺は言いたかったが、筆談で伝達した。

「あ。これはロボットですよ。AI搭載なんです。学習機能もあります。」

よく見ると口の部分はダッチワイフみたいに大口が空けて有る。
俺は勘が鋭いから瞬時に理解した。
博士が描いたダンボールアートと発想は全く一緒だ。

「ですから、この配膳ロボットにこの頭を載せる訳ですよ。
電源はロボから供給されますから、心配ありませんし、これは配膳ロボット兼飲み残し回収容器兼万能インフォメーション兼注文取り兼防犯カメラ兼……」

何言ってるかよく分からないが、大発明らしい。
俺は同じ発想でも、考える人のスペックでこうもアウトプットが変わるのか、と感心した。

「まあ、そういう事なんでモニターさせて頂いている間に、バージョンアップ作業もさせて頂きます。」バタン!

全て玄関先での遣り取りだった。
確かに搬入作業だとしても、家に蝿が入って来るのは気分の良いモノじゃ無い。

俺は帰宅後、博士に上記の通り報告した。
筆談で。

博士ひろしーごはんよー。
蝿男もごはんよー。」
「はーいママー。」

博士の母から見れば、俺の存在は「ドラえもん」と同じフォルダに入って居る様だ。

つづく

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