AIバトル!「小説の続き」競作3 ⑦【お題公開】
前説
今回は、前の2回とは
違うシチュエーションで
AIに「お題で出した小説」の
「続き」を書いてもらいます。
そして、その出来や個性を比較するという
企画になっています。
ちなみに、メンバーは
登場順に、次の通りです。
・ChatGPT
・Gemini
・noteのAIアシスタント
・Microsoft Copilot
・Claude
・Grok
…という企画を
お送りしてきました。
お題のプロンプト
では、ここで「お題」にした
SF小説の本文を紹介したいと思います。
昨日までの品評会で、
AIたちが何を読み、何をネタにしたのか。
次のお題プロンプトを見れば、
そのあたりが良くわかると思います。
ちなみに、題材にしたのは
私が書いたSF小説
「白銀の騎士2」から
第16話(「すれ違い」act.1)冒頭部分です。
プロンプト全文は、
次のとおりです。
次に、私が書いたSF小説の一部をアップします。
この続きを書いてみてください。
16.すれ違い act.1
商業都市マギヌス―――
この月面都市コロニーは、ゴモン都市連盟に加盟してはいるものの、独立戦争には消極的な立場をとっている、いわば「半中立都市」である。
新国連との戦争が激化した現在においてもなお、地球上の各国と、それぞれの月面都市との間の交易を取り持ち、戦争特需によって多大な利益を手にしていた。
このマギヌスにおける中央宇宙港の一角に、宇宙港保安局の港湾支局が置かれている。
もともとここは、マギヌス市公安局の所轄であったが、戦争の勃発以降は、ゴモン都市連盟軍の一隊がその任に就いている。
その港湾支局の正門前に、一台のエアホバー・タクシーが横付けされた。
降り立ったダークスーツの青年が身分証を見せると、それを確認した守衛はあわてたように敬礼する。青年は表情を変えることもなく、古びた建物の中へ消えていった。
「ひさしぶりだな。ジェラルディーン・ネズミー中尉」
応接室に通されたダークスーツの青年がそう言うと、出迎えた軍服姿の若い人物が応えた。
「ようこそ、イチビリーノ・ヘタレ中尉…いや、堅苦しい挨拶はよそう。ジェリーと呼んでもらって構わないよ、きみなら」
声で女性とわかったが、溌溂としたショートカットに男性仕様の軍服姿は、すらりと華奢な少年兵のようだ。
「いや…やめておこう。わたしは…愛称で呼ばれることが好きではない」
「そうだったな」
ネズミー中尉は特に気をわるくした様子もなく、ヘタレ中尉にソファに掛けるようすすめた。
「急に来ると聞いて驚いたよ。前もって言ってくれれば迎えの車を出したのに」
「お言葉に甘えたいところだが、今は休暇中なのでね。マギヌスへは、あくまで私人としてやってきた」
整った顔に微笑を浮かべるヘタレ中尉の言葉に、ネズミー中尉は小さなためいきをついた。
「そういう、妙に律儀なところは昔から変わらないな」
「半年ほどで人がそう変わるものでもないだろう」
「たしかに」
微笑を交わしあってから、ネズミー中尉が言った。
「気になっていたのだが、その恰好はどうしたんだ。まるで喪服ではないか」
「喪服だよ」
今回のお題は
短かったですね。
しかし、章の冒頭なので
設定の説明はきちんと入っています。
まあ、AIとしては
ここに書いた設定を拾って
話を書くしかないんですよね。
Grok? 奴は話が別だ。
あいつは何でも自作の燃料にしやがる。
今回は、少ない材料から
いかにして
「物語を組み立てていくか」
…に、それぞれのAIの個性が
表れたのではないでしょうか。
総評
長くなるので、
各回の得点と
一言コメントを列挙します。
(リンクも貼っておきます)
まあ、お題作者の好みで
採点しましたからね。
独断と偏見まみれです。
また、あくまでもこの点数は
「今回の作品」が、ということで、
AIじたいの評価ではないことだけ
お断りしておきます。
・ChatGPT
文体の寄せかた:50点
独自性:65点
説得力:75点
面白さ:55点
総合:68点
裏で「原作」を盗み見ていた
疑惑はぬぐえません。
なので、採点も辛くなりました。
・Gemini
文体の寄せかた:60点
独自性:65点
説得力:85点
面白さ:70点
総合:73点
しょっぱなの「解答拒否」で
心証がわるくなった可能性あり。
まあ話はよくありそうなやつ。
・noteのAIアシスタント
文体の寄せかた:65点
独自性:80点
説得力:65点
面白さ:75点
総合:75点
健闘しましたね。
「視点変更」がなければ
もっと点が良かった可能性も。
・Microsoft Copilot
文体の寄せかた:30点
独自性:85点
説得力:45点
面白さ:65点
総合:56点
ストーリー自体が進展せず
オリキャラ投入に頼ったのが
致命的(嫌いじゃないんですよ)。
・Claude
文体の寄せかた:100点
独自性:100点
説得力:100点
面白さ:100点
総合:100点
これな。
ぐうの音も出んわ。
ぜったい「中の人」いるよね?
・Grok
文体の寄せかた:10点
独自性:100点
説得力:75点
面白さ:90点
総合:82点
純粋に話が面白かった。
たぶん今回のお題と
相性が良かったんでしょう。
人間が書いたのもさらしてみる
で、作者(人間)が書いた本筋は?
実はこれ、ここで公開しても
あまり意味がないですね。
…というのも、これ
「すれ違い」という章のうちの
冒頭1話なので。
ぶっちゃけると、
「すれ違い」の真意は
主人公たちとヘタレ中尉のことなのです。
なので、ネズミー中尉と
ヘタレ中尉のことではありません。
まあ、言い訳はいいか。
では、ここまで見てくださった方のために、さらしておきます。
「気になっていたのだが、その恰好はどうしたんだ。まるで喪服ではないか」
「喪服だよ」
えっ、と驚くネズミー中尉に向かって、ヘタレ中尉は続けた。
「戦死した部下の遺族に、遺品を届けにきた」
「そのために、わざわざ…か?」
「ああ。わたしの不注意で死なせてしまったようなものだからな」
冷静な表情を崩さずに言ったヘタレ中尉に、ネズミー中尉はまた、ためいきをつかずにはいられなかった。
「なにもかも背負うな。きみは真面目すぎる」
「背負ってはいない。けじめだよ」
「なら、いいが…」
ネズミー中尉は語尾を濁し、少し間を置いてから続けた。
「やむを得ないとはいえ、『自由都市(フリーダムシティ)』は残念なことをしたな。…撤退戦で疲れているきみに言うのも、なんだが」
ヘタレ中尉はいったん机に目を落としてから、ネズミー中尉の目を見て言った。
「…そのうち、奪還するさ。…いつかは」
たしかに、その気になれば奪還することは可能だろう。
なにせ、巨大で脆いがゆえに、守りづらい都市なのだ。
だが、奪い合いを重ねた末に、どうなるか。都市は破壊され、無辜の住民の命も多数が失われるに違いない。そのような戦いを続けて、なにが残るのか。
二人とも、それを知っているがゆえの、重い沈黙が落ちた。
気を取りなおしたように口を開いたのは、ヘタレ中尉のほうだった。
「そちらも大変そうだな。てっきり、基地にいるものだと思っていたよ」
「ああ。わたしも、そのつもりだったのだがな」
「…『臨検主任』か」
マギヌス中央宇宙港では、公安支局による「臨検」――寄港する他国籍の宇宙船を検査すること――が行われている。
『B地区事変』において、ヘタレ中尉たちと共に華やかな軍功をあげたネズミー中尉が、マギヌス駐留部隊に着任して早々に任命されたのが、この臨検主任であった。
「この都市(まち)での臨検なんて、おざなりな形だけのものだ。ツナイ大佐は外交問題となると、特に神経質だからな」
ネズミー中尉はそう言って肩をすくめた。
「エーゲ・ツナイ大佐か。たたき上げの実務家だと聞いてはいるが」
ヘタレ中尉の言葉に、ネズミー中尉は少しだけ眉をつり上げた。
「わたしの父より年齢が上なのだぞ。それに、頭が固い。カーメルタザイト合金よりもな」
「らしくないな。上司をわるく言うなんて。なにか、あったのか?」
ネズミー中尉は少し黙ってから、むくれた少年のような口調でつぶやいた。
「『女性が前に出ていけば、丸く収まる』と言われた」
「…ああ。なるほど」
ネズミー中尉はふっと息をつき、顔を上げて微笑した。
「まあ、それでも大事な軍務だ。見える敵と直接撃ちあうだけが、戦争ではないからな」
そのとき不意にインターホンが鳴った。ネズミー中尉が内線電話を取る。
「新国連直属軍の巡洋艦? こんなに堂々とか。…わかった、すぐ行く」
「仕事か?」
「ああ。…きみとは、もう少しゆっくり話したかったのだがな」
「いや。忙しいところを邪魔して、すまなかった」
「こちらこそ。せっかく来てもらったのに、わるいな」
ネズミー中尉は残念そうに言いながら、颯爽と外出用のコートを羽織って部屋を出て行った。
続きが気になった方は
「TALES」にて掲載中の
「白銀の騎士2」、
第17話(「すれ違い」act.2)を
ご覧ください。
男装の麗人、ネズミー中尉が
「臨検主任」の仕事をする姿を
見ることができます。
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