正月も休まず勉強したこと
令和2(2020)年度の行政書士試験、結果は微妙でした。
記述抜きで170点しか取れなかったのです。
前に受験した時の記述式は、たったの6点。
その時より、記述の出来がわるい手ごたえでした。
ああ、落ちたな。
とりあえず、来年どうするかです。
来年こそは、合格を決めたい。
たとえ、どんな手を使ってでも。
そう、当時。
(今でもそうかも知れませんが)
行政書士試験の受験生のあいだで、とある噂がありました。
いわく「アシベツを回せば合格するらしい」。
説明すると、行政書士試験の試験問題は5択で出題されるのですが。
その5つの肢をバラして、1肢づつを一問一答式で掲載している
「肢別(あしべつ)過去問集」という問題集が、出版されているのです。
この「肢別過去問集」(以下「アシベツ」)で実際に合格した人もいて、
主に独学している受験生の間では、一種のブームを巻き起こしていました。
方法は、ひたすら「アシベツ」を繰り返して解くこと。
ただし、これには裏があります。
本当は、ただ○×を当てるだけではダメなんです。
その理由を理解するために基本学習書を調べたり、六法を引いたりして、
自分で理解しながら知識を深めてゆくという、じつは難易度の高い学習法だったりします。
しかし、その実態とは裏腹に、
『「アシベツ」をひたすら回す』学習法は、
コスパが良く、お手軽な(に見える)メソッドとして
大いに人気を集めていました。
…やるか、「アシベツ」。
受験が終わった日の夜に、各予備校が「解答速報」を出します。
そして数日中には、本試験の詳細な振り返りをする「講評」が出そろいます。
それらは主に、誰でも視聴できる「YouTube」動画で発表されます。
その講評を見終わってすぐ、私はある動画を探しあてました。
深夜にもかかわらず、食い入るように画面を見つめます。
それが、「アシベツ」を使って合格したという
『行政書士独学応援』チャンネルの佐藤先生の動画でした。
もちろん、佐藤先生は、ただ「アシベツ」を回すだけで合格したわけではなく、(先ほど書いたような)知識の深掘りをしながら学習したと明言されていますが。
それにしても。
もし「アシベツ」を回して合格できるなら。
回そうじゃないか、「アシベツ」。
そう決めたら、早い。
私はすぐにAmazonで検索をかけました。
…ない。
2021年度の「肢別過去問集」は、どこにもありませんでした。
まだ、今年(2020年)度版しか売っていなかったのです。
そりゃそうだ。
今年の本試験が終わって、まだ数日しか経っていません。
あたりまえといえば、あたりまえです。
調べてみると、来年度の「アシベツ」は、毎年12月下旬ころに発売されるそうでした。
ということは、
今すぐに「アシベツ」をまわし始めることができないということです。
がっかりしました。
まあ、2020年版を買って学習を始め、2021年版が発売されたら乗り換えるという手もなくはないですが、その方法は面倒だし、わずか2ヵ月弱のために4000円近い本を買うのも、もったいなくてイヤなので。
「アシベツ」は、とりあえず回すとして。
来年度の「アシベツ」が発売されるまで、勉強は続けねばなりません。
それに、私もさすがに「アシベツ」だけで合格できるとは思っていませんでした。
まあ、心境としては
「神様、仏様、『アシベツ』様~!!」
…だったんですけれども。
あれだけ勉強したのに、(たぶん)合格できなかったわけですから。
今にして思えば、学習に本腰を入れだしたのが3月半ばというのは、遅すぎました。
12月下旬から勉強することができたのだから、その頃からキチンとやっておくべきでした。
幸いなことに、アガルートの講義の視聴期限は11月末までありました。
視聴期限まで、これで勉強しよう。
…とはいえ。
あと20日で勉強できる範囲は、たかが知れています。
「民法」や「行政法」をやったところで、尻切れトンボになるのが関の山です。
そこで私は「商法(・会社法)」の2周目を回すことにしました。
これなら、20日かからずに一巡できるはずです。
「商法(・会社法)」も、「行政法」と同じく、1回目の講義だけでは十分に理解するのが難しい科目でした。
それに、7月から秋にかけて「半沢直樹」のセカンドシーズンが放送されていて、ちょうど会社法の知識のおかげで興味深く視聴することができたところでした。
いや、十倍は「半沢直樹」の世界が楽しめましたね。
…っていや、見たんかい!
この直前期に連続テレビドラマとか!
…はい、観てました…。
「半沢直樹」は見逃せないでしょうよ。ドラマ好きなんだ。
それはさておくとして。
結局、11月はアガルートの視聴期限ギリギリまで「商法(・会社法)」を勉強しました。
4日ほど時間が余ったので、「一般知識」の情報通信だけやったところで時間切れでした。
そのあいだに考えたのですが。
来年は、いちおう「アシベツ」も回すとして。
「アシベツ」以外にも、またアガルートの講座を取ったほうがいいのではないか、と…。
いえ、正直に言えば、アガルートでの勉強が、楽しかったのです。
豊村講師の巧みな話術で、基本から詳細なことまで、深掘りした知識を見聞するのが、純粋におもしろかったのです。
まあ、12月からは、またアガルートの来年度カリキュラムをやることにして。
問題が、ひとつありました。
そのころ、アガルートでは。
私が今年受けていた「演習総合カリキュラム」が
「中上級総合カリキュラム」に名称を変え、
新たに「上級総合カリキュラム」がリリースされたところでした。
さあ、どうする?
もう一度「中上級」をやって、さらに土台を固めるか。
それとも、この機会に「上級」を申し込むか?
迷った末に。
私はサンプルを取り寄せて熟考し、
「上級」を申し込むことに決めました。
「中上級」では、たぶん今年と同じカリキュラムを学ぶことになるでしょう。
先ほど、楽しかった、と書きましたが、あのボリュームのある講義をまた新たに1年繰り返すことを考えると、ちょっときついな、と思いました。
基礎は、だいぶ固まっていると思います。
足りていないのは、たぶん問題演習の繰り返しではないか、と。
特に「過去問」の…。
「上級」の内容には、今年に慣れ親しんだ「他資格試験セレクト問題集」の他に、
「行政書士試験過去問ベストセレクション」が入っています。
いわば、通信予備校の新進気鋭であるアガルートの講師が選んだ、ベスト・オブ・過去問。
基本知識をざっと振り返る「図表まとめ講義」と合わせれば、鬼に金棒といったところです。
そうこうしている間に。
もう、12月になりました。
11月のうちに届いていたアガルートの「上級総合カリキュラム」を学習しながら、「アシベツ」の発売を待つことになります。
ちなみにアガルートの「上級総合カリキュラム」は「ライト」を申し込みました。
「中上級(旧・演習)」と同じく、「フル」のみに含まれるのは
・逐条ローラーインプット講座
・文章理解対策講座
の2講座だからです。
前者はともかく、後者は「文章理解のゴルゴ13」と呼ばれる私には必要ありません。
というのは冗談ですが。
まあ、少しでも節約したかったという理由もあります。
気になる学費のお値段は
158,000円(当時・おそらくキャンペーン価格)。
ここからクーポンとポイント使用による割引、
そこから消費税が足されて、最終的には
155,045円になりました。
昨年の学費が137,575円なので、2万円ほどお高くなった印象です。
ほかにも「上級」には「START UP判例」という講座が含まれており、
この講座は、市販の教科書を自費で買いそろえなければならないのです。
まあ、アガルートでは「演習総合(現:中上級総合)」でも
市販(自前)の六法に、マーカーをガンガン引いて1年で使いつぶす感じだし(そもそも六法も、毎年あたらしい年度の版が出るので、使いつぶしは正しいのですが)、
自費で買いそろえた教科書の金額は、ここには書き足さないことにします。
ちなみに私がアガルートの勉強で使っていたのは
「デイリー六法」でした。
(フォーサイトの時は六法を使っていません)
そして、12月も半ばを過ぎ。
26日に、予約していた「アシベツ」が、ようやく届きました。
この日、学習メモをかねたスケジュール帳には
「アシベツ キター!」
と、喜びの声が記されています。
しかし。
この時、アガルートの上級カリキュラムを順調に進めていた私は、考えました。
「『アシベツ』は、まだ早いんじゃね?」
そう。
もっと過去問集を解いて、解説を叩きこんで、知識がしっかり身についてから。
せめて、アガルートのベスト・オブ・過去問を一巡してからでも、遅くはないと思ったのです。
やがて、年が明けて令和3(2021)年。
正月なんか関係ないです。
1月1日の学習メモには、みっちり勉強した記録が残されています。
その下に「相棒・正月スペシャル」と書いてあるのが、なんともはやなんですが…。
はい、観ました「相棒」。
だって、あれは観ないと年が明けた気にならないじゃないですか。
1月の学習記録からは、かなり頑張っていた様子がわかります。
順調に「上級」のカリキュラムを進めていますが、
12日に異変がありました。
「うつ? おかしい」
しかし、学習した記録は書いてあります。
続いて13日。
「何もできない 仕事休んだ」
あとは空白。
14日。
「うつやばい 何もできない」
この日は、いちおう仕事には行ったようです。
1日置いて、土日の休日は
「ねた」「ねた」
あとはテレビドラマの視聴メモだけが書いてあります。
翌日の月曜日は、有休をとって通院する日です。
そのあと
「ねる」
帰宅後から夜まで寝て過ごしたのでしょう。
うつ状態の期間は、寝て回復を待つのが最適解です。
自分をほめてやりたいのは、その翌日の火曜日からです。
怒涛の勢いで、まるでこの数日の遅れを取り戻すかのように、学習スケジュールをこなしていることです。
去年(2020年)の今頃は、この粘りと執念が足りませんでした。
このあと毎日、学習メモがみっちり詰めて書き込んであります。
ときどき
「朝起きられない」
「二度寝だめぽ」
と書いてありますが、勉強だけは進めています。
そして1月27日。
いよいよ、令和2(2020)年度、行政書士試験の合格発表日です。
…。
…知るか。
私は、ネットを見ませんでした。
…どうせ落ちてるし。
そう、怖かったのです。
やっぱり落ちていたという現実を直視することが。
少なくとも、「ない」はずの番号を探して
「なかった」ことを確認するという、
意味のない徒労でメンタルを削りたくなかったのでした。
アガルートからも
「令和2年度行政書士試験の結果発表をうけて」
というメールが来ましたが、無視です。
読んでるヒマがあったら、勉強だ勉強。
そして、学習を進めながら数日たった、29日。
ええと、先に書いた
「二度寝だめぽ」
の翌日です。
どうやら軽めのメンタル不調が来ていて、
その日も前日と同じく、二度寝の布団の中でうとうとしていたようです。
母が、寝室のドアをノックしました。
「なんか、試験関係のハガキが来てるよ!」
…知らん。
そんなことで起こさんでくれ。
せっかく寝ていたのに。
しかし、目が覚めてしまったものは、仕方がありません。
どうせ落ちてるけど、いつかは見なければいけない現実です。
さあ、記述の点数や、いかに。
0点?
…ということは、さすがにないだろうけど。
4点? 6点?
それとも8点?
…大いにありそう。ギリ落ちで悔しがらせにくるか?
…。
……。
えっ。

結果が『合格』?
「ウソーッ!」
と叫んで飛び起きたことは、言うまでもありません。

記述の点数は、16点。
嬉しい。
嬉しいけれども。
この現実を、にわかに受け入れられない心情です。
続きは次の機会に。
つづき(最終回)
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