ノバセルグループにM&Aして半年。FUSIONの現在地と、僕たちが手に入れた「新しい武器」
株式会社FUSIONがノバセルグループ、そしてラクスルグループにジョインすることを発表してから、早いもので半年が経ちました。
「大きな変化」という言葉では片付けられないほど、濃密で、自分をアップデートし続けなければならない刺激的な毎日でした。
正直、自分自身の至らなさに直面して苦笑いするような場面もありましたが、その試行錯誤こそが経営者としての新しい視界を開いてくれたと感じています。
今日は、この半年間に組織と私自身に起きた変化の「リアル」を綴りたいと思います。
私と同じように、組織の拡大や環境の変化に悩みながら突き進んでいる方、あるいはFUSIONという会社に興味を持ってくださっている方にとって、何か一つでも参考になることがあれば嬉しいです。
組織の「器」の広がりと変化の痛み
この半年、私たちは変化という荒波の中にいました。
もちろん、新しいシナジーが生まれる喜びもあれば、一方で難しい局面が次々と押し寄せる、激動の日々でもありました。
例えば、これまで共に走ってきた仲間たちが、別の道を選択したこともその一つです。 ここで(念の為)明確に伝えたいのは、これは決してM&Aの影響で起きたことではない、ということです。
実態としてはその逆で、FUSIONは以前から、さらなる高みを目指すための「変革のフェーズ」にありました。旧来のやり方を守るのではなく、より大きな社会的価値を出す組織へと自分たちをアップデートしていく。その「自分たちで選んだ進化」のプロセスにおいて、避けては通れない摩擦や葛藤が表面化したのだと、当事者として捉えています。
これまでのFUSIONは、20代中心の熱量で突破してこれました。しかし、規模が大きくなり、マーケットへの影響力が強まる中で「気合い」だけでは埋められない、構造的な課題とも向き合う必要がありました。
最近では、40代のマネジメント層をはじめ、多様なバックグラウンドを持つプロフェッショナルたちが続々と加わってくれています。彼らの経験に基づいた視点が入ることで、FUSIONという「器」は今、広がり始めています。ようやくグロースに向けた土台を自分たちの手で作り上げている。そんな手応えを感じています。

起業家としての自負、そして役割の「純化」
経営者としての私個人の話をすれば、この半年は「毎日が勉強」なんて言葉では足りないほど、自分自身の役割を誰よりも早く、新しいステージに合わせて再定義することの重要性を肌で感じた日々でした。
これまで「街のはじっこ」で商売をしていた私が、ラクスルグループという圧倒的な環境に飛び込み、そこで飛び交う視座や思考の深さに触れる。その体験は、経営者としての自分を冷静に客観視させる決定的な転換点となりました。
正直に白状すると、最初は気負いすぎていました。 プロフェッショナルたちが仕組みで組織を動かす手腕を目の当たりにして、「自分もすべてができるようにならなければ」と、無理に全方位での完璧を目指してしまったのです。
もともと大学を中退し、社会のレールを器用に走れるタイプでは全くありませんし、得意不得意の差は人より何十倍も激しいタイプです。それなのに、「経営者たるもの、すべての領域で対等以上に渡り合わねばならない」という、自分の中のマッチョな責任感が空回りしていました。
しかし、自分を追い込んで苦しくなった先に、ふと気づいたのです。 自分の資質や本来の持ち味は、そこを自ら完遂させることにはないのではないか、と。
「あるべき姿」に縛られ、自分の特性と役割のズレを無視して無理を重ねることは、自分にとっても組織にとっても、実は最も不誠実な選択なのではないか。その事実に直面し、腹落ちしたからこそ、私はこっそり自分の役割を「純化」させる決断をしました。
もちろん、私にはFUSIONをゼロから立ち上げ、独自の価値を創り出し、ここまで成長させてきた揺るぎない自負があります。ゼロからイチを生む構想と執念。旗を掲げて仲間を集め、事業を形にする力。そこに関しては、誰にも譲れない私の主戦場です。
すべてを一人で抱え込み、組織のスピードを緩めるようなことはしたくない。苦手な領域は、私よりも遥かに長けたプロたちに信頼して背中を預ける。その代わり、自分にしか出せない価値に、これまでの何倍もの熱量を注ぐ。
この「役割の最適化」という境地に立ち返れたことこそ、大きな組織に入り、最高のプロたちと対峙したからこそ得られた、私にとっての最大の収穫です。

ノバセルとの融合で手に入れた「武器」
さて、ここからが本題。
今回のグループインにおいて、私が最も重視し、かつ期待していたのが「AIによる獲得型広告の攻略」です。
グループインを決断した当時、私は強い危機感を抱いていました。「独自のAIプロダクトを持たなければ、獲得型広告の領域で独自の価値を出し続けることは不可能になる」という確信があったからです。
変化の激しいこの領域で、自社だけでAIへの投資と開発を続けるのには限界がある。だからこそ、AIを「つくる側」にいるノバセルと融合することこそが、FUSIONが次のステージへ進むための道だと考えました。
その目論見は、いまかなりのスピード感で形になりつつあります。
ノバセルの事業開発部による全面サポートのもと、この半年で私たちは爆速で武器を揃えることができました。
AIを活用した独自のプランニング体制は、バナー、動画、LP、リスティングへと広がり、顧客への成果も劇的に向上しています。
さらに、体制面でも強力なバックアップがありました。ノバセルのエースである楠さんが取締役CROとして就任し、1月からは元リチカCOOの中川さんも加わってくれました。
彼らが全ての稼働を寄せ、組織に足りなかったピースを猛スピードで埋めてくれています。
「仕組み」と「人」の両軸が揃い始めたことで、ストック性の高い「獲得型」の売上が安定してきました。そのおかげで、ようやく新しい人材への投資という「次の一手」にリソースを割けるフェーズが見えてきた。
これは間違いなく、ノバセルとの融合があったからこそ引き寄せられた未来です。
獲得と認知のハイブリッド。「連続的なグロースパートナー」へ
FUSIONはこれからどこへ向かうのか。
獲得型広告を強化したのは、単に数字を積み上げるためだけではありません。AIという「再現性の土壌」を盤石にすることで、FUSIONが創業以来大切にしてきたクリエイティブやブランディングの価値を、より本質的な場所で発揮するためです。
私たちが目指すのは、「獲得と認知のハイブリッドエージェンシー」という唯一無二のポジションです。
いま、世の中の需要と供給のバランスは大きく崩れています。D2CやSaaSの台頭、そしてAIの進化によって、誰もが一定のクオリティの商品を素早く作り、市場に出せるようになりました。供給側が飽和した結果、顕在化している数少ない「需要」を、膨大な数のプレイヤーが奪い合うという激しい構造になっています。
こうした状況下では、目の前の需要に確実に応える「獲得」の精度を磨き続けることは、パートナーとして最低限果たさなければならない責任です。だからこそ私たちはAIを武器に、誰よりもそこを突き詰め、圧倒的な成果にこだわろうとしています。
ただ、私たちの役割は、そこにとどまることではありません。 既存の市場だけで戦い続けても、いずれシェアは限界を迎え、顧客の事業成長が鈍化してしまうリスクがある。一方で、数字としてのリターンが可視化されない「認知」の施策も、本質的な投資とは呼べないはずです。
FUSIONはその境界を突破したい。 AIによる獲得(ローワーファネル)の効率化で足元の成果を最大化させつつ、「獲得と認知を両立し、指名検索を大幅に増やす」ミッドファネルのソリューション、そして心に残るクリエイティブでブランドの資産を積み上げる。
再現性をAIが担うからこそ、人間にしかできない「創造性」がより高く発揮される。この両輪が揃って初めて、私たちは顧客の事業成長に本当の意味でコミットできると考えています。
獲得型広告からTV CMまでをシームレスにつなぎ、顧客の事業フェーズが変わるたびに最適な打ち手を更新し続ける。そんな「連続的なグロースパートナー」として、マーケットに新しい答えを提示していきたい。

デジタルとクリエイティブ。 獲得と認知。 そして、それぞれの強みを持った多様な世代のプロフェッショナルたち。あらゆる境界を越えて「FUSION」させ、日本一優秀な人材が集まる場をつくる。 それが、グループインから半年を経て、私が改めて掲げる新しい旗です。
一皮むけるための兆しは、少しずつですが、見え始めています。ここからFUSIONがどう変わっていくのか、私自身も楽しみにしながら、全力で突き進んでいこうと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。 この半年で手に入れた新しい武器と、改めて見つめ直した自分たちの原点。その両方を胸に、これからもFUSIONらしく、泥臭く挑戦を続けていこうと思います。 これからの私たちの進化を、ぜひ楽しみにしていてください。
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