週刊やわらか返信室 第9号「出すのが、少し恥ずかしくなってきました」
皆様、こんにちは。
今週も編集部では、
どうでもいいことに、
それなりの時間を使いました。
その一部を、
今週号としてまとめています。
それでは、
今週号をお届けします。
今週のインタビュー No.6 Tomoya

Tomoya(ともや)
1997年生まれ。29歳。
神奈川県横浜市出身。
4人組ロックバンド、
アウトオブ rock you
ボーカル・作詞担当。
十七歳の時、
高校の文化祭出演をきっかけにバンドを結成。
卒業後も活動を続け、
二十歳でメンバーと上京。
ライブハウスを中心に活動しながら、
自主制作音源を発表。
シングル
「Midnight Walk」
が動画サイトで話題となり、
翌年メジャーデビュー。
これまでにアルバム三枚、
全国ツアーを四度開催。
代表曲
・Midnight Walk
・Rain Letter feat. 河童Boys
・午前二時のお説教
・ai shi te ru 2026 Summer Version
現在もライブ活動を中心に、
楽曲制作を続けている。
ライブでは、
会場の最後列まで届く声で歌う。
普段は、
何度も聞き返されるほど声が小さい。
歌について聞かれると、
「歌は叫ぶものではなく、
届けば十分だと思っています」
と答える。
趣味
ライブ会場近くの公園を探すこと。
特技
打ち上げの途中で、
誰にも気づかれず帰ること。

編集部
本日はよろしくお願いします。
Tomoya
よろしくお願いします。
編集部
ライブを拝見していて、
気になったことがあります。
歌い終わったあと、
すぐ袖へ戻らず、
客席を見ていますよね。
Tomoya
見ていますね。
癖かもしれません。
編集部
何を見ているんですか。
Tomoya
……
表情です。
歌っている時は照明で見えないんですけど、
終わると少し見えるので。
編集部
手応えを確かめるためですか。
Tomoya
いや、
答え合わせという感じではないです。
「あ、この曲、今日はちゃんと届いたのかな」
くらいですね。
編集部
拍手の大きさは気になりますか。
Tomoya
昔は気にしていました。
今は、静かな日の方が、
後で感想をもらえることも多いので。
拍手だけでは、分からないですね。
編集部
その考え方は、
いつ頃から変わったのでしょう。
Tomoya
ライブを続けてからです。
昔は、大きな声で歌えば、
届くと思っていました。
でも、
届くことと、響くことは、
少し違うんですよね。
編集部
本番前は、
毎回ルーティンがありますか。
Tomoya
あります。
最初の一曲だけ考えます。
その一曲が歌えたら、今日は大丈夫だなって。
編集部
何千人いても、同じですか。
Tomoya
同じですね。
人数は、途中で忘れています。
一人に歌うつもりで歌った方が、
結果的に、みんなへ届く気がしています。
編集部
長く活動されてきて、
今でも変わらず緊張しますか。
Tomoya
しますよ(笑)
今日が一番うまく歌える保証なんて、
どこにもないので。
編集部
最後に、
読者へ一言お願いします。
Tomoya
音楽って、
無理に好きにならなくてもいいと思うんです。
でも、
何年か経って、
急に思い出して聴きたくなる曲があります。
そういう一曲が、
誰にでもあれば、
十分なんじゃないでしょうか。
(取材終了後、写真撮影の準備をしていると、
Tomoya氏が小さな声で尋ねた。
「笑った方がいいですか」
編集部が、
「どちらでも大丈夫です」と答えると、
少し考えたあと、控えめに笑っていた)
編集部解釈

今週の変な日本語
「ご不明な点がございましたら」
最初は、
不明な点しかありません。
だから、
どこから聞けばいいのかも、
分かりません。
その結果、
説明は全部聞いたのに、
最初より分からなくなることがあります。
架空辞典


古書院りひとの勝手に悩み相談室

今週は、先生が夏休みのため、特別休載です。
先生から、一枚だけ葉書が届いています。

編集部装丁
編集部が、その本の余韻を勝手に表紙と帯にしました。
※当記事にはAmazonアソシエイトリンクを含みます。
📖 『銀河鉄道の夜』 宮沢賢治
編集部表紙

編集部帯
何十年も読み継がれる理由は、
読む人の年齢まで書き換えてしまうからです。
編集部コメント
この物語は、もう何度目かになります。
何度読んでも、同じ景色には見えません。
変わっているのは、物語ではなく、
こちらなのかもしれません。
今週の変な発明

「確認済みナビ」
探し物をすると、
確認した場所を全部覚えていてくれます。
「そちらは確認しました」
「そちらは三回目です」
「キッチンは、まだ確認していません」
と、的確に案内してくれます。
性能は申し分ありませんが、
イライラしてしまうという理由から、
人気はありませんでした。
一瞬だけ、漫画だった日
人生を振り返ると、ほんの数秒だけ、
漫画の一コマのようになってしまう瞬間があります。
そんな「あとから思い返すと漫画だった瞬間」を、記録する企画です。

わかったふり選手権
「ご査収ください」
メールで見ると、
一度だけ、意味を知っている顔になります。
そのあと、少し考えます。
「ご確認ください」
と何が違うんだろう。
「受け取ってください」
で合っているのかな。
調べようと思いながら、返信を書き始めます。
そして、
相手にも、
「ご査収ください」
と返してしまいます。
意味より先に、
雰囲気が受け継がれていく言葉です。
一生使わない豆知識

ラクダは、砂嵐から目を守るため、
まぶたが三層になっています。
少し分けてほしいです。
黒歴史保管庫
「よくご存じですね」
学生時代。
知らない映画の話題になりました。
話を止めたくなくて、
私は、
「よくご存じですね」
と言いました。
相手は、
「好きなの?」
と聞きました。
つい、
「かなり好きです」
と答えてしまいました。
そこからしばらく、
好きな場面や主演について話していました。
もちろん、
その映画は見たことがありません。
帰ってから慌てて見ましたが、
私が話していたことは、
おかしな内容でした。
今でも、
その作品の名前を見ると、
あの日の自分を思い出して恥ずかしくなります。
今週の一曲
Calvin Harris Summer

Summer
今週はこの曲でした。
やわらか返信室では、
現在は主に4つの企画を書いています。
もし気が向いたら
他の企画や自己紹介ものぞいてみてください。
どこかで、自分だけだと思っていたことに出会えるかもしれません。
📖人間関係の小さい温度差を観察する話
🌙生活の途中で思い出す、景色や気持ちの話
📮少し昔の相談員が現代の悩みに答える話
📰編集部がどうでもいいことを真面目に考える雑誌
編集部より
今年も、「今日は涼しい」が三十二度でした。

編集後記
夏休みの予定を聞いたら、
「特にありません」
という人が多かったのですが、
そのあと十分くらい話を聞くと、
小さな予定がいくつも出てきました。
編集部では、
そういう予定が、
一番夏らしい気がしています。
今週号はこの辺で。
また来週、
どうでもいいことを観察してきます。
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