スイスを旅して導き出した結論
もう10年くらい前の話。
数年空けて2度スイスを訪問し、スイスパス片手に各地を歩き倒した。
いろんな街を巡り、ハイキングも堪能した。
そんな時間の最中、なんでもない街角でふと目についたものがあった。
確かschaffhausenという街だ。ライン河畔のドイツ語圏の街で、ダイナミックな「ラインの滝」が観光名所として知られている。
けれどそんなことよりも、何でもない街角の電柱? だったかな。
なんかポケットみたいなものが貼りついているなと思ったら、ただのラクガキの貼り紙だった。
本当にただの貼り紙だし、ただのラクガキだ。けれど日本ではあまりお目にかかることのない、しかしチーズと言われると何故か思い描いてしまう「穴あきチーズ」が描かれている。
まさにチーズ界の王者、チーズ・オブ・チーズである。知らんけど。

こんな写真が残っているのでお分かりだろうが、しっかり立ち止まってカメラを構えたわけだ。当時のことは今でもみずみずしく覚えている。
「スイスってチーズの国なんだな」と妙に感心してしまったのだ。
どんだけチーズ好っきゃねん!
だって日本を歩いていて、マグロの握り寿司一貫をラクガキした紙がシンプルに一枚だけ展示された電柱ってあるだろうか?
いや、どこかにはあるのかもしれないけれど、少なくとも私は見たことがないし、探す気にもなれない。
そんなスイスでも、昨今のヘルシー志向も相まって日本食は人気らしく、街中で日本語で書かれた看板を見かけるほどである。

中でも寿司は特に人気がある。
同じく内陸国の奈良の民にとって、これほど共感できるものはない。
ただし島国の中の内陸県と大陸の中の内陸国では魚介の希少性がまるで違う。そもそも世界的にも物価が高いスイスでは、チューリッヒの駅前スーパーで売られている八貫ほどのパック詰の寿司がおおよそ3000円ほどだった。それも2014年頃の話だから今の価格はもっと目ん玉が飛び出るだろう。
そんなスイスに当時は日本の友人が住んでいて、現地からクリスマスカードが送られてきた。私が切手蒐集を趣味にしていることを知る友人は、時折ご当地切手を貼り付けた便りをくれるから嬉しい。

ふうん、だったら私も日本から日本っぽいクリスマスカードを送ろう。
と用意したのが、この『お寿司屋サンタ』のポストカードである。

これに普通郵便切手と海外グリーティング差額用切手(ラーメンの絵柄+余白の胡椒容器のイラスト付き、2015年発行)を貼り付けて送り出した。2014年発行の海外グリーティング差額用切手には寿司のイラストが採用されていたが、私は所有しておらず地味に悔しい。
けれどまあ、この友人は常々日本食が恋しい、日本のこってりしたラーメンを食べたいと言うので、帰国した折には一緒にラーメンを食べに行ったものだ。だからこれで良いのだ。うん、これでいい。
結論として、スイスはチーズの国で、日本はお寿司の国だ、という観念が私の中に定着した。
だから何やねん、というお話。
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