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「あとでやる」が消えた朝

土曜日の朝になると、私は息子に声をかけていた。

「ゴミ捨ててきて」

すると返ってくるのは、

「あとでやる」

という返事だった。

私は何度もイライラしていた。

でも今思うと、私が腹を立てていたのは、
ゴミ捨てそのものじゃなかった。

実は、私が自分で捨ててきてしまったほうが
楽だった。
ゴミ捨てそのものは数分で終わる。

でも息子に頼むと、

今日はゴミの日だったな。
まだ出してないな。
忘れてないかな。
もう一回声をかけなきゃ。
やったかな。
確認しなきゃ。

息子が「あとでやる」と言うたびに、
その仕事は私の頭の中に残り続ける。

それがしんどかった。

ある日、その話を
ホワイトボードに書いて説明した。

ゴミ捨てそのものが大変なんじゃない。

私は何度も思い出して、確認して、
気にし続けることに疲れているんだ。

息子はびっくりした顔をしていた。

「そんなこと考えてたの?」

という顔だった。

しばらく考えてから、

「それはそうだよな」

と言った。

私はそれで話を終えた。

次の土曜日。

朝起きると、ゴミ捨てはもう終わっていた。

うれしかった。

覚えていてくれたんだ!
わかってくれたんだ!!

それだけで十分だった。

ところが次の週も。

その次の週も。

気づくと、私が言う前に
ゴミを捨てるようになっていた。

私は何度も驚いた。

謝ることは簡単だ。
その場だけ反省した顔をすることもできる。
「分かった」と言うことだってできる。

でも、そうじゃなかった。

息子は、あの日の話を覚えていた。
そして、自分にできることを
毎週欠かさず続けている。

私は感動した。

そして今は、
そんな息子を心から尊敬している。


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ゴミ捨てのその後について書きました。
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