向上心で生きてきた私に、“楽しい”で動く息子が生まれた
私は、 どちらかというと、
「できるようになる」 を目指して生きてきた。
スイミングをやっていた頃は、
メダルを取りたかった。
英語をやっていた頃は、 留学したかった。
努力して。
できることを増やして。
少しずつ、 前へ進んでいく。
そうやって、 人生を積み上げてきた。
苦しくても。
しんどくても。
その先に、 今まで見えなかった景色がある。
私は、 そういう感覚で生きてきた。
だから。
息子を見ていると、 時々、
「全然違う人間だな」 と思うことがある。
息子は、 “楽しいかどうか” で動く。
勉強も、 そうだった。
私は、 できれば、 さっさと集中して。
早く覚えて。
終わらせてしまいたい。
でも息子は、 歌を歌いながらやる。
喋りながらやる。
一見、 全然集中していない。
でも、 本人は、 その方が楽しいらしい。
プログラミング教室でも、 そうだった。
帰ってくると、 楽しそうに話し始める。
でも。
話すのは、 「今日は何を学んだか」 じゃない。
教室で作ったワールドで、
あとからみんなで遊んだ話だったりする。
「ねえ聞いて!」
「ここでさ!」
「〇〇してさ!」
楽しそうに、 ずっとプレイのことを喋っている。
私は横で、 時々思う。
いや、 そこじゃなくて。
ちゃんと、 学んできてよ(笑)
せっかく通ってるんだから。
将来に繋がるように。
力になるように。
そういう気持ちは、 やっぱり、 どこかにある。
でも息子は、 たぶん違う。
「役に立つか」 より先に、
「楽しい」がある。
彼は、 楽しさから、 世界へ入っていく。
私は、 その姿を見ながら、 時々、 戸惑う。
こんなにも、
違う感覚で生きているんだな、 と思う。
でも。
シリーズを書きながら、
少しずつ、 分かってきた気もしている。
息子は、 私みたいに、
「向上」から世界へ入っていく人間じゃない。
“楽しい” から、 世界へ入っていく。
安心できる場所で。
急かされない空気の中で。
「これ、やってみたい」
から動き始める。
彼は、 彼の世界観で生きている。
私は、 努力して、 高みを目指して生きてきた。
でも息子は、 “楽しい” から世界へ入っていく。
私とは、 ずいぶん違う。
でも。
私は、 その違いを、
ちゃんと尊重したいと思っている。
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次回作
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