理想の仕事が見つかった。それでも違った。
春が来る頃、 Webデザイン講座のチラシが、
ふと目に止まった。
私、 この先どうしたらいいんだろう。
教育の仕事は、 もう無理だと思っていた。
だったら、 別の業界へ行かなきゃいけない。
そう思った。
Webデザインで就職する道もあるし、
また起業する時が来ても、
これは戦力になるかもしれない。
そう思って、 申し込んだ。
でも、 始まってすぐ、 苦しくなった。
新しい技術を、 次から次へと覚えなきゃいけない。
頭が、 追いつかなかった。
職業訓練だから、 就職への圧も強かった。
でも私は、 どこかでずっと思っていた。
これ、 子どもとの時間を削ってまで、
やりたいことなんだろうか。
何のために、 私はこれをやってるんだろう。
そんなことを、 考え続けていた。
求人サイトを見ながら、
条件に自分を合わせようとして、 疲れ切っていた。
でも、 ある時ふと思った。
もう、 今ある求人に、
自分を無理やり合わせるのを、 やめよう、と。
私が本当に必要としている働き方があるなら、
ちゃんと、 それを望んでみよう。
そう思った。
ある日、 本気で願った。
徒歩十五分圏内で。
子どもが学校へ行っている間だけ。
月に二十万か三十万でいい。
新しい技術を、 バンバン覚えなくていい。
今ある力で、 無理なくできる仕事が欲しい。
そう願った。
しばらくして、 ママ友から連絡が来た。
「この仕事、 あなたに合いそう」
そう言われた。
条件は、 驚くほど理想に近かった。
仕事は、 合っていた。
子ども達と関わることも、
先生達と連携することも、 自然にできた。
ありがたかった。
安定した収入がある安心感も、 確かにあった。
でも、 働くだけでは、 戻った感じがしなかった。
私が探していた場所は、 まだ別にあった。
自分の中にずっとあったものだけが、
まだ、 眠ったままだった。
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