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「先生に怒られる」が止まらなかった夜

昨日の夜、息子が突然、
音楽の教科書がないと言い出した。

ゴールデンウィーク中から、
「音楽の教科書が見当たらないかも」
とは言っていた。

でも最初は、 そこまで深刻な感じではなかった。「学校にあると思う」
「学校で探してみる」
そのくらいの軽さだった。

だから私も、
そこまで切迫した話として受け取っていなかった。

「教科書を探してからゲームにしよう。」

私はそう話していた。
だから息子も一度は探した。

でも見つからなくて、
「明日、学校で探すから大丈夫」
と本人が言ったのだ。

「じゃあ今、家でできることは終わったね」
と、私はゲームを許可した。

ところが夜になって突然、
息子が泣きながら話し始めた。

実は4月の頃から、
担任の先生にも、音楽の先生にも、
「ちゃんと持ってきてね」
と言われ続けていたらしい。
それなのに見つからない。

「先生に怒られる」
「どうしよう」

不安が一気に爆発していた。


私は、正直、寝耳に水だった。
そんなに前から困っていたなんて、
聞いていなかった。
そんなに深刻なら、
もっと早く一緒に考えられたのに、と思った。

例えば、 横浜へ出た日に
教科書を買うことだってできた。
一緒に対策を考えることもできた。

でも息子は、 限界まで抱え込んで、
最後に全部を爆発させた。

これからご飯を作る時間。
明日の準備をする時間。
一番忙しい時間帯に、 突然
「今すぐ助けて」が始まる。

ゲームをする前に言ってくれたら良かったのに。
正直、 私は少しカチンと来ていた。
でも、 怒鳴っていたわけでもなかった。

私は静かな声で、
リビングにある大きなホワイトボードの前に
腰を下ろした。

「教科書がなくて不安なんだね」
「先生に怒られるかもしれなくて怖いんだね」

息子の気持ちを書き出していく。

その上で、

「でも、日曜日の時点では“学校で探す”って
言ってたよね?」
「だから今は、まず時間割を書こうか」

そうやって、
優先順位を整理しながら話そうとしていた。

でも息子は、 もう話を聞ける状態じゃなかった。
体をこちらに向けない。
背中を向けて、 深いため息ばかりついている。

私は、 今この状況を整理したかった。
でも息子は、 整理より先に、
とにかく「不安」を
どうにかしてほしかったんだと思う。

「先生に怒られる」
「どうしよう」

その気持ちでいっぱいになっていた。

でも私は、
これからご飯を作らなきゃいけない。
明日の準備もある。
この忙しい時間帯に、
いつ終わるかわからない不安の渦に、
ずっと付き合い続ける余裕がなかった。

「まず今やれることを整理しよう」
そうやって話を進めたい私と、
「今すぐこの不安をなんとかしてほしい」
という息子。
空気が、 どんどん噛み合わなくなっていった。

そして息子は、 とうとう爆発した。

キーキーした声で泣きながら、

「そんなのどうでもいい!」
「今ないんだからしょうがないじゃん!」
「怒られるの嫌なんだよ!」

と叫び続ける。

私は、 息子の不安を
軽く扱いたかったわけじゃない。

でも、 こちらが別の視点を入れようとすると、
全部拒絶される。

“自分が怒られたくない”

それだけで、 世界がいっぱいになっている。

その状態で、
金切り声みたいな泣き声を、
何十分も聞き続けていると、
こちらの頭までおかしくなりそうだった。

そもそも、
「明日学校で探すから大丈夫」
と言ったのは、息子自身だった。

今さら大泣きされても、 どうしようもない。


お願いだから、 その金切り声をやめてくれ。

息子の怒号みたいな泣き声を聞き続けるうちに、
今度は私の方に、
パニック障害の症状が出始めた。

息が浅くなる。
胸がザワザワする。

このまま同じ空間にいたら、
自分の方が壊れてしまいそうだった。

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このお話の続きです⏬️

「子どもの不安を、私が背負いすぎていた頃」
シリーズ
最初から読みたい方はコチラ⏬️



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