「今日は、いいところゲームしよう。」
最近、息子が立て続けに聞いてきた。
「ママ、僕ってバカなの?」
「僕ってブサイクなの?」
その言葉が、ずっと頭に残っていた。
布団に入って、リラックスタイム。
いつもしりとりをする時間に、ふと思いついた。
「今日は、いいところゲームしよう。」
「どんなゲーム?」
「かいちゃんのいいところを、交互に言っていくの。」
「いいよ。」
「かいちゃんは優しい。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんはイケメン。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんは運動神経がいい。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんは天才。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんは笑顔がキュート。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんはイケメン。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんは卓球が上手。」
「ピンポーン!」
「かいちゃんはイケメン。」
「ピンポーン!」
思わず笑った。
「あれ?それ、もう言ったよ?」
「いいの!」
「イケメンとか優しいとかだと、一回しか使えないでしょ。」
「もっと具体的に言ったほうがいいんじゃない?」「例えば、笑顔がキュートとか。」
「髪型がイケてる、とか。」
「力持ちもイケメンだよね。」
「あ、そっか。」
またゲームが始まる。
「かいちゃんは……イケメン!」
「ピンポーン!」
言ったそばから、イケメンかっ!笑
結局、その夜は最後も「イケメン!」だった。
でも、不思議だった。
「イケメン」の中には、
笑顔も、
髪型も、
力持ちも、
優しさも、
たくさんの「いいところ」が詰まっていた。
布団の中には、
「ピンポーン!」
という声と笑い声が、何度も響いていた。
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行き渋りシリーズ第一話
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