子ども2人の教育費を試算したら5000万円だった|わが家がやめたこと・始めたこと
子ども2人の教育費を試算したら、5000万円でした。
その数字を見た夜、私は思わず天を仰ぎました。
FP3級を取得して、わが家のお金を見直し始めても教育費への不安はすぐには消えませんでした。むしろ、知識がついたことで具体的に怖くなった時期すらありました。
私は調剤薬局で働く薬剤師で、3歳と2歳の子どもを育てています。
今回は教育費について学んだあと、わが家が実際に何をやめ、何を始めたのかを書きました。完璧な答えにたどり着いた話ではありません。不安で呆然としていた私が、少しずつ前を向けるようになるまでの記録です。
教育費への不安をきっかけに、FP3級を取ろうと決めた経緯はこちらの記事にまとめています。
5000万円という数字に、天を仰いだ夜
最初は調べるところから始めました。
ネットで検索すると教育費は子ども1人あたり1000万円から2500万円と、情報によって大きな幅がありました。進路によって変わるのは承知していても、この幅の広さにかえって不安が募りました。将来のお金について考えるのが嫌になり、一度調べること自体をやめたこともあります。
それでも逃げてばかりもいられません。私はAIで条件を整理し、公表されている学費なども確認しながら、わが家の場合の教育費を試算してみることにしました。
基準にしたのは自分が受けてきた教育です。
私は中学受験をして、中学から大学まで私立に通わせてもらいました。大学は薬学部だったので6年間です。奨学金も使いませんでした。同じ環境を子ども2人に用意するとしたら。
出てきた数字は、1人あたり2500万円。
2人で5000万円でした。
冒頭に書いたあの数字です。あまりの大きさに思わずスマホを置いて、天を仰ぎました。しばらくして我に返るとため息が出ました。
そして、次に込み上げてきたのは自分の親への感謝でした。
当時は恵まれた環境を当たり前のように享受していました。けれど、自分が親になった今なら分かります。進学だけでなく日々の経験や、やりたいことまで支えてもらっていたことは決して当たり前ではありませんでした。
これだけのお金と時間を両親は私にかけてくれていたのか。5000万円という数字への驚きと同時に、これまでとは違う重さで親への感謝が込み上げました。
自分の子どもたちにも望む道を選べる環境を残したい。そう願ったとき、それにはお金が必要なのだと、あらためて突きつけられました。
わが家では私と近い進路を2人分想定した上限の目安として、5000万円を置きました。
誤解のないように書いておくと、子どもたちに私とまったく同じ道を歩ませたいわけではありません。願っているのは同じ「進路」ではなく、同じくらいの「選べる幅」を渡すこと。この子たちが将来何を望んでも、お金を理由に諦めさせずに済むように。
時計を見ると、もう夜も遅い。寝かしつけを終えた後の静かな時間でした。今日はもう寝よう。そう思って立ち上がり、子どもたちの寝顔を見に行きました。
すやすやと眠る顔を見ていたら、不思議と意欲が湧いてきました。
大きな数字に呆然としていたはずなのに、この子たちのためならやり遂げてみたい。子どもは親の力の源なのだと、あの夜に知りました。
やめたこと①|ネットの「一般的な教育費」を、わが家の正解にすること
試算をして、はっきりしたことがあります。
ネットに載っている「1人あたり◯万円」という数字をそのままわが家の正解にしても、不安は減らないということでした。ネットの情報はあくまで一般論です。わが家に本当に必要な金額は、自分で試算しないと分かりませんでした。
それに気づいてからは、ネットの数字を見て怖くなることがなくなりました。わが家では上限の目安として2人で5000万円を置きました。軸が定まると他人の数字に揺らがなくなりました。
やめたこと②|SNSで他人の家庭と自分を比べること
もう一つやめたのは、見るたびに自分と比べてしまうSNSのママたちのアカウントです。
広い家、可愛い服を着た子ども、知育玩具をたくさん揃えた教育熱心な家庭。最初はおもちゃや知育の情報として参考にしていました。でも、見ている内にだんだんしんどくなってきたのです。
ある投稿でたくさんの知育玩具が並んだ部屋を見て「これはうちにはない」と気づいたとき。自分は子どもの可能性を奪っているのではないか、という不安がよぎりました。「自分もこうしなければいけない」と、誰かに強制されているような気持ちになって、その基準に届かない自分を責めるようになっていました。
1人目の妊娠から毎日欠かさず見ていたアカウントでした。すっかり習慣になっていたので、やめることにはずっと抵抗がありました。
きっかけは副業に本気で取り組み始めて、単純に見る時間がなくなったことです。
やめてみても何の問題もありませんでした。それどころか、頭の中がすっきりして自分のために使える時間も増えました。SNSに映るのはその家庭のほんの一部分です。比べたところでわが家にとっての正解が見つかるわけではありません。
見ないと決めてからの方が気持ちはずっと楽になり、自分の家庭に必要なことへ集中できるようになりました。
始めたこと①|金額より先に「いつ必要か」を書き出した
不安の正体が「金額」だと思っていたころは、ずっと苦しいままでした。
やり方を変えたのは、金額の前に時期を見えるようにしたことです。
子どもが今何歳で小学校、中学校、高校、大学がそれぞれ何年後か。教育費が大きくふくらむのはいつか。そのとき、私たち親は何歳になっているか。簡単なライフプランシートです。
書き出してみると、わが家にとっては教育費が本格的に必要になる前の今が、準備を進めやすい時期だと分かりました。
「時間を味方につける」という言葉は、FP3級の勉強をすることで理屈はつながっていました。その後、実際に自分の資産が少しずつ変化していくのを見て、ようやく実感として掴めました。
子どもたちがまだ小さくて教育費が本格的に必要になるまで時間がある。この時間こそが、いちばんの味方でした。
始めたこと②|使う目的と時期でお金の置き場所を分けた
時期を書き出したことで、もう一つ考え方が変わりました。
それまで私は教育費も老後資金も毎日の生活費も、お金の不安を全部ひとまとめにして抱えていました。もっと貯めて、もっと投資しなきゃと不安に駆られていました。
でも、お金は使う目的も必要になる時期もそれぞれ違います。
すぐに使うかもしれない生活防衛資金は、いつでも引き出せることが大事です。教育費は比較的近い将来に使う可能性がある。老後資金はもっと長い時間をかけて準備できる。
そう分けて考えると、ぐっと整理しやすくなりました。近いうちに使うかもしれないお金は、値動きの大きい資産に寄せすぎない。当分使う予定のないお金はNISAなども使って積み立てていく。教育費のように進路によって必要な金額や時期が変わるお金は、必要なときにすぐ使える状態も大切にする。
わが家ではこう考えました、という話です。すべてを現金にするのでも、すべてを投資に回すのでもなく、「何に使うお金か」「いつ使うお金か」で置き場所を分ける。それだけで闇雲に「もっと」と焦る感覚がだいぶ静まりました。
始めたこと③|半年に一度、お金のことを夫婦で話す
わが家には半年に一度、6月と12月に夫婦でお金の会議をする日があります。
子どもを寝かしつけたあとのリビングで夫がパソコンを操作し、私は隣で数字を確認します。
会議といっても、堅苦しいものではありません。まずは「この半年もお疲れさま」とお互いをねぎらい、それから資産の状況を一覧にして計画から大きく外れていないかを確認します。
直近は2026年6月でした。
ちょうど前月に下の子が卒乳し、私はお酒を解禁したばかり。久しぶりに夫婦でお酒を飲みながら、家計のことや子どもたちのこれからを話しました。
同じ方向を向いて夫と二人三脚で進んでいる。そのことを改めて感じられた、いい夫婦の時間でした。
不安は消えていない。
でも、「考えられる不安」に変わった
ここまで書くと、不安がなくなったように見えるかもしれません。でも、正直に言うと不安はゼロにはなっていません。
いちばんの不安は、いわゆる「小1の壁」です。
子どもの小学校入学を機に、保育園時代より仕事と子育ての両立が難しくなるといわれる問題です。
子どもが小学校に上がったとき、今の働き方を続けられるとは限りません。もし本業をパートに切り替えることになれば収入は減り、計画の見直しが必要になります。今の働き方が続くなら、計画は大きく外れずに進みそうです。けれど、それはあくまで現時点の話でしかありません。
それでも、以前とは不安の質が変わりました。
FP3級を取って、不安の正体は見えるようになりました。それは前の記事に書いたとおりです。
ただ正体が見えることと、その不安を扱えるようになることは別でした。見えたところで、私は5000万円という数字に天を仰いだのですから。
ただ、知識だけで不安を扱えるようになるわけではありませんでした。必要だったのは学んだことをわが家の数字に落とし込み、定期的に見直せる形にすることでした。
・わが家の数字を自分で出すこと。
・いつ必要になるかを並べること。
・半年に一度、夫婦で見直す場を持つこと。
この3つが揃って、ようやく不安は「考えられるもの」になりました。
だからこそ、必要になったときに子どものためにパート勤務を選べる余白を今のうちに残しておきたい。その余白をつくるには、お金の備えが必要です。時間が味方でいてくれる今のうちにと思って、副業を始めました。
漠然と怖がるだけだった不安が、夫婦で考えて備えられる不安に変わった。この数年で起きた大きな変化です。
教育費が不安なとき、まずできること
もし当時の私と同じ不安を感じている方がいたら、いきなり目標額を決めなくて大丈夫です。
わが家がやった3つのうち、いちばん最初の一歩だけ今日から真似できます。
紙でもスマホのメモでもいいので、子どもの年齢と入学・進学の年を書き出してみてください。
金額を決めるのはそのあとで十分です。まずは、いつ必要になるかが見えるだけで、不安の輪郭がはっきりします。
大きな数字に一人で怯えるより、小さく動けるところから始める。それだけで不安はずいぶん扱いやすくなります。
おわりに
教育費の不安を減らすために、完璧な計画は必要ありませんでした。
必要だったのは他人の正解を探し続けるのをやめて、今できることを一つずつ決めることでした。わが家では上限の目安として5000万円を置いています。けれど、その金額を達成すること自体が目的ではありません。子どもたちが将来何を望んだとしても、お金を理由に選択肢を狭めずに済むように。そのための備えです。
子どもの将来もわが家の家計も、これから変わっていきます。だからこそ、一度決めて終わりにせず、その時々の家族に合う形へ見直し続けていきたいと思っています。
同じようにお金のことで漠然と不安を感じている方に少しでも届いたらうれしいです。

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※この記事は、わが家の体験談として書いたものです。保険・住宅・投資の判断は、家族構成や収入、資産状況、価値観によって異なります。ご自身の状況に合わせて、必要に応じて専門家にも相談しながら判断してください。
【参考資料】
・文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
・文部科学省「私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査」
最後まで読んでいただきありがとうございます。
真紀|薬剤師ライター
現役薬剤師/2児の母(3歳・2歳)/時短ワーママ
医療・育児・働き方・お金について、自身の経験をもとに書いています。
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