よもすえ団のみなさんが、ゆるゆると地球を侵攻中です!(改訂版)その4
【ただ今お屋敷内探検中】
『いっらしゃいませ~。当館のお部屋はすべて、自由室となっておりま~す。お好きな部屋でおくつろぎ下さいませ~。』
どこからともなく、謎のアナウンスが聞こえてきます。
真っ暗だったお屋敷の廊下が、急に明るくなりました。

いきなり辺りが明るくなったので、おちびちゃん達さらにびっくり!
「わぁ!びっくりしたじゃないか。脅かさないでもらいたい!」
赤ちゃんペンギン、相当びっくりした様子。
だけど、後ろのみんなに見られてるせいで、無理して見栄を張りました。
よちよち歩きの赤ちゃんペンギン。
辺りを見回し、うんうん一人で頷きます。
「どうやらここには、ワシら以外にも誰かがいるみたいだな。こいつは用心したほう……」
念のためにと、仲間に注意を促そうとしたところ。
「うえ~い!すげぇ長い廊下だなぁ!よぉし、こいつを使って移動するか」
ちょっとマッチョな赤ちゃんアザラシ。
どこにしまってあったのか、ひょいとスケボーを取り出して廊下を滑り出しました。
「いやっほー!」
廊下をすべってジャンプして、やりたい放題し放題。
「やめれ、ぱふん!」
ターンして戻ってきたところ、ペンギンがボードを奪い取ります。
「ぎゃふん!」
ぱふんと呼ばれたアザラシは、ひっくり返って転がりました。
「痛ってぇなぁ……なにすんだよ、ちょこぺん」
お尻をなでながら、ペンギンのちょこぺんに苦情を申し立て。
「廊下を走ってはいけません」
ちょこぺんは額にしわを寄せて、お説教モードです。
「えっ?オイラ走ってないよ。スケボー使っただけだよ」
「ばかちん!もっと悪いわ」
ふくれっ面で抗議するぱふんの頭を、ちょこぺんはフリッパーでぺしぺし叩いて怒ります。
けれども、ぬいぐるみボディのフリッパーなので威力はイマイチ。
「いきなり殴る事ねぇだろ、こんちきしょー」
「言葉遣いも悪い」
そう言いながらちょこぺん、空中でフリッパーをパタパタさせるとあらあら不思議。
メモ帳と鉛筆が現れました。
「探検隊日誌。××月……」
「何書いてんの?」
ぱふんはちょこぺんの後ろに回って、メモ帳を覗き込みました。
「ダメ!みちゃダメ!」
「なんだよ、けちんぼ」
二匹はまるでコントです。
他の3匹置き去りです。
茫然としてぱふんとちょこぺんを見ています。
「にゃ~もう、二匹とも、お子ちゃまですねぇ」
灰色のもふもふ仔ねこが言いました。
「ももちゃぁ~ん!オイラよりお子様のお前に言われたくない」
「ももちゃぁ~ん!ワシらよりお子様のお前に言われたくない」
ちょこぺんとぱふん、二匹ハモって言いました。
「にゃんですとー!うにゃ~!みぁお~ん」
突然ももちゃんの青い瞳が、強い輝きを放ちました。
驚いたことに次の瞬間、ぱふんとちょこぺんの身体がふわふわと宙に浮いておりました。
「おわぁ、止め止め!ももちゃん、能力使うのやめてぇ。はよ、おろしてけれ」
ももちゃんはニヤリと笑い、二匹を解放したのでした。
もう一匹のアザラシと仔ウサギは、呆れた様子で見ています。
「とにかく、この屋敷内を調べよう」
ハンカチを取り出し、汗をふきふきするちょこぺん。
気を取り直して言いました。
ようやく騒動が収まり、5匹はお屋敷探検を始めました。
「手分けして各部屋を順番に調べよう……」
実は内心ドッキドキのちょこぺんは、他のみんなにそれを気付かれないよう、鼻うた歌って廊下の左右にある扉を開けて回ります。
「あ~、ちぃたん、ちょっとこっちにおいで。お前はボクといっしょ」
もう1匹の赤ちゃんアザラシ、退屈そうな仔ウサギに手招きします。
「はぁ~い!ちぃたん、ずちころねんと一緒!やったぁ」
何が『やったぁ』なのか良く判らないまま、ずちころねんと呼ばれたアザラシは、仔ウサギのちぃたんと一緒に扉の前にやってきました。
けれども、ドアノブの位置が高くて届きません。
ドアノブの高さにはとても手が届かない二匹でしたが、心配ご無用。
5匹のお子様たちにはそれぞれ、ちょっと不思議な力があるのです。
かちゃり。
ドアノブ勝手に動きます。
ぎぎぎと軋む音を立て、扉が開きます。
ドキドキしながら中を覗いてみると、そこは何もない部屋でした。
「なんにもないですぅ。つまんないの」
そう言うとちぃたん、次の部屋へと向かいます。
その時でした。
「うぎゃーっ!」
別な部屋を探検していたぱふんの悲鳴です。
「おーい、ぱふん。何が出た?」
とててて……
急いでずちころねんが駆け付けました。

そしてぱふんの悲鳴が聞こえた部屋を覗いた途端。
「ぎょえぇー!」
「アタシと一緒に遊びましょ。あの世で一緒に遊びましょ」
部屋の中にはキラードールが、ニタニタしながら立ってます。
「うわぁ!食べられる~。オイラは筋肉ばっかりだから、食べてもおいしくないよー!」
ぱふん危うし。
ピンチのぱふんを救うため、ずちころねんは不思議パワーを使いました。
「あひゃひゃひゃ~!ほれほれほれ~!」
部屋中が眩い光に包まれます。
「ちょっと!勝手に部屋の中に入ってきて、何てことすんのよ~」
そう言いながら、キラードールは光の粒になって消えていきました。
「ほえぇぇ~。助かったよ、ずちころねん。ここはやめとこう……」
(あー、ひどい目にあった……)
ぱふんは、一気にマイナス120のダメージを受けた気分でした。
しかしぱふんは体力無限大の脳筋族。
そのくらいは全然余裕、問題なし。
とりあえず気分が悪いので、二匹はその部屋を後にしました。
お屋敷の天井裏、地縛霊が目を覚ます。
(つづく)
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『作者の呟き』この作中に出てくる5匹の動物、エブリスタ版では(アザラシ3匹、仔ねこ、赤ちゃんペンギン)だったんですけど、AIにキャラクターデザインをさせたところ、なぜかアザラシの1匹が『ウサギ』になってしまいました。キャラの性格設定に合わないのでは?と思ったんですけど、どうにか雰囲気を壊さず動いてくれてるので今回採用しました。
今回も読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。<(_ _)>
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