見出し画像

今日は夫の【怒りの"中身"に耳を傾けてくれたこと】に恋をした。― 森が燃えて、6時間かけて着いた日。― |2026.07.16

はじめに

このエッセイは、

国際結婚と、海外生活と、マルチリンガル育児の中で、

私が日々つまずきながら、

「わたしらしく生きる」ための実験の記録です。

「毎日、夫に恋する生活を。」

2026年の元旦に、そう決めて、

「今日の夫の好きなところ」を、

一つだけ、言葉にしています。

それだけで、同じ一日が、

少し違って見えることがあります。

完璧な妻でも、理想的な母でもありません。

それでも、結婚と子育てを通して、

女性として、妻として、母として、人として、

成長していきたいなと。

今日もこの記録が、

誰かの生活の中の、

小さな呼吸になりますように。


森が、燃えていた

7月16日。

今日から、

マミー(義母)と4人で、3泊4日の旅行です。

夫が、

エアビーで大きな庭付きの一軒家を丸ごと借りてくれました。

あちこち動き回るんじゃなくて、

ひとつの家に3泊して、

周りの町や、自然公園を楽しむ予定。

朝8時に出発、のはずが、

子どもの準備でバタバタして、

結局9時になりました。

そして、いきなり問題が。

通る予定だった高速道路が、

森林火災で、

一部閉鎖されていたんです。

フォンテーヌブローの森。

今年の異常なカニキュルで、

木がカラカラに乾いていて、

火が大きく広がってしまった。

しかも、この時期のフランスは、

みんな一斉に夏休みを取ります。

7月14日の祝日に合わせて、

5週間ある有給の大部分を、

この時期に使い切る人が多い。

日本では考えられないけれど、

なぜかその大移動の時期に合わせて、

高速道路も、電車も、

大規模な工事を始めます。

だから、火災以外にも、

閉鎖や工事で迂回すべき道が、

急に増える。

通常なら3時間の道のりが、

5時間の見込みに。

そこに、

パリを出るときの

名物の渋滞まで加わって。

途中の、小さな街で

途中、

サンスという街に立ち寄りました。

休憩とランチ。

旧市街を少し散歩して、

古い教会や建物を訪ねて。

街の公園で、

家から持ってきたサンドイッチと、

フルーツと、コーヒー。

こういう寄り道が、

結果的にいちばんいい時間だったりします。

結局、

6時間半かけて、

ようやく宿に着きました。

夫は、

ずっと運転で、

かなり疲れていました。

そして、また、やってしまった

先に、正直に書いておきます。

この日、私はまた、

夫と意見がぶつかりました。

数日前に、

お義父さんの前で

言い争ったばかりなのに。

今回はお義母の目の前で。

書きながら、自分でも思います。

またか、と。

いい流れが来ていたのに、

なんでまた、と。

でも、これが本当のところなので、

隠さずに書きます。

きっかけは、買い出しでした。

予定に、私がいなかった

宿にバーベキューのセットがあったので、

今夜はバーベキューにしよう、

3日分の買い出しに行こう、

という話になりました。

ここから、

段取りが噛み合わなくなりました。

夫とマミーの二人で

スーパーに行くことになって、

私は子どもと家に残る流れに。

でも、

その二人が出かける前に、

明日からの予定を、

二人でどんどん決めていったんです。

私が、

子どもの服や部屋を

セッティングしているあいだに。

その予定の中に、

私の意見は入っていませんでした。

正直、別に何をするのかはなんでもいい、

家族と過ごすための休暇なんだから。

でも明日、何をするのか。

どういう段取りなのか。

大まかなスケジュールは。

それがわからないまま、

「子どもの準備を」

には、無理があります。

子どもが一日ご機嫌でいられるかどうかは、

スケジュールの管理と

セットだからです。

その管理の大部分を、

いまだに私がやっているのに、

その私を飛ばして予定が決まっていく。

私は、機嫌を崩しました。

それだけじゃなかった

正直に書くと、

理由はそれだけじゃありませんでした。

ここは、夫のお母さんとの旅行です。

いい人だとわかっていても、

自分の母じゃない人と

四六時中一緒にいるのは、

やっぱり気を使う。

そのうえ、

マミーと夫が30分から1時間かけて

決めたことを、

私一人の意見で

「それは違う」と返すのは、

嫁の立場からすると、

いちばんやりにくいことです。

言えないまま、我慢していたことが、

たぶん、少しずつ積もっていた。

その積もったものが、

買い出しの一件で、

こぼれてしまいました。

マミーの前で、というのが重かった

ここで、少しマミーの話をさせてください。

マミーは、

夫がひとことで表すとき、

attentionné(アトンシオネ)

という言葉を使います。

気遣いの人、という意味です。

その気遣いが強すぎて、

ときどき重く感じるくらいだけど、

その出どころは、

いつも愛なんだろうな、といつも思う。

今回の帰省で、

私の変化に最初に気づいたのも、

マミーでした。

激やせした私を見て、

夫に詰め寄って、

どうなってるの、と切り出したのも、彼女。

こちらが何も言わなくても、

とても些細なことでも汲み取ってくれる人です。

裏を返すと、

とても繊細な人でもある。

だから夫は、

お義父さんに対してとは違う配慮を、

マミーに対してしています。

繊細な人が、繊細な母親にする配慮。

彼女が傷つきそうな話題は、

前もって夫から

「これは触れないで」と共有される。

その、いちばん気を使う相手の前で、

私は空気を悪くしてしまった。

だから、

よけいにこたえました。

少し、離れた

そのとき、夫は、

「じゃあ、あとでちゃんと話そう。予定のことも」

と言いました。

そして、

息子を連れて、

マミーとスーパーに行ってくれました。

私が、

頭を冷やすのに少し時間がほしい、

一人にしてほしい、

と言ったからです。

その場でぶつけ合わない。

一度、離れる。

これは、

7月に入ってから、

私たちが少しずつ覚えてきたことでした。

買い物の中身で、わかったこと

でも、

帰ってきた買い物を見て、

私はまた、う・・・っとなりました。

子どもに食べさせられるものが、

ほとんどなかったんです。

フランスで既製品として売っている

ハムやソシソンは、

すごくしょっぱかったり、

保存料が多かったりする。

生ハムや、

子どもが食べないものばかり。

一歳の子のことを、

まったく考えていない買い物でした。

スーパーは、車で30分。

自然の中の家をあえて借りたので、

運転できない私が

自分で買い足しに行くこともできない。

でも、ここからが、

今までと違いました。

「わがまま」じゃない、と気づいてくれた

夫が、

理解したんです。

私が言っているのは、

わがままじゃない。

子どもの世話をするために

必要な最低限の情報がほしい。

物事を決めるとき、

ちゃんと私の意見も聞いてほしい。

そこがポイントなんだ、と。

しかも、

その買い物の中身を通じて、

自分で気づいてくれました。

ああ、確かに、

これじゃ子どもは食べられない。

予定も、食べ物も、

彼女を飛ばして決めたから、

こうなったんだ、と。

最近の夫は、

意見がぶつかったとき、

すぐ感情を返すんじゃなくて、

まず、

相手が何を言っているのかを

理解しようとしてくれるようになりました。

だから、

こじれても、長引かない。

その場の勝ち負けじゃなくて、

次にどうするか、に

つながるようになってきた。

同じことでぶつかっても、

以前とは、

明らかに終わり方が変わってきた気がします。

初日は、静かに終わった

去年も、

マミーと4人で旅行しました。

そのとき楽しみだったのは、

夕方からアペロを始めて、

夫とマミーが冗談を言い合いながら、

だらだらご飯を食べる時間でした。

普段、彼女の家だと見ない姿。

今年の初日は、

私がこんなふうに崩れてしまったので、

みんな、早めに眠る流れになりました。

きれいな初日には、

なりませんでした。

自分でも、

またやってしまったな、と思う。

でも、

前ほど落ち込みませんでした。

崩れても、

ちゃんと戻ってこられる。

それが、

だんだんわかってきたからだと思います。

今日の夫の好きなところ

【怒りの"中身"に耳を傾けてくれたこと】

森が燃えて、6時間かけて着いた日。

疲れの中で、買い出しがすれ違って、

私はまた、

夫と意見がぶつかりました。

数日前に言い争ったばかりなのに。

正直、自分でも、またか、と思う。

前なら、

「わがままだ」で片づいて、

長く引きずっていた場面です。

でも今回、夫は、

買ってきたものを一緒に見ながら、

気づいてくれました。

彼女が言っているのは、

わがままじゃない。

子どものために必要な情報がほしい、

決めるときに意見を聞いてほしい、

それだけなんだ、と。

感情を返す前に、

私の言葉に耳を傾けてくれた。

だから、ぶつかっても、

次につながるようになりました。

今日の夫の好きなところは、

【怒りの"中身"に耳を傾けてくれたこと】


▼ 「凸凹なところ」昨日の話はこちらに。

今日は夫の【凸凹なところ】に恋をした。

▼ このシリーズを最初から読む。

毎日、夫に恋する生活を。|Day 1〜

===========

お読みいただきありがとうございます。

スキいただけると嬉しいです!

次の執筆のはげみにさせていただきます。

チップは活動の励みにさせていただきます!

===========



いいなと思ったら応援しよう!

まなラボ | 何者かにならなくていい。全部の自分のままでいい。 もし気が向いたら、チップでそっと応援してもらえたらうれしいです。 いただいたチップは、書く時間と心の余白に使わせていただきます。

この記事が参加している募集