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突然アイスランド語サバイバル 2日目─語学とは伏線回収である

突然アイスランド語をやろうと思い立った1日目は、こちら。


Duolingoでスウェーデン語とノルウェー語

時計(klukk)がてっぺんを回り、曜日(dogarnir)が木曜日(Fimmtudagur)から金曜日(Föstudagur)になった深夜。「初級者🔰コースがサバイバル」というICELANDIC ONLINEのかわいがりに尻込みしたわたしは、とっつきやすさを求めてDuolingoを開いた。

勝手知ったる地元に里帰り。

地元(Duolingo)にはアイスランド語はないが、似ているといわれるスウェーデン語とノルウェー語を学べば応用がきくのでは。もしかしたら、そっちのほうが近道かもしれないという下心もあった。

Duolingoは言語によってテキストが違う。共通のものを使い回しているのではなく、言語ごとに開発していて、テキストに個性が出る。

イタリア語は食べる表現がどんどん出てくる。サラダやらピザやらひたすら食べる。

ドイツ語も食べる表現がよく出てくるが、例文がかなりぶっ飛んでいる。(カッコ内はDuolingoによる英訳。直訳に近く、対応させやすい)

Meine Schnecke kann kein Salz essen!
(My snail can't eat salt.)

「うちのなめくじ(かたつむり?)は塩を食べません」

そら縮んでまうからな!

Meine Pflanzen essen gern Fleisch, ist das schlecht?
(My plants like to eat meat. Is that bad?)

「うちの植物は肉を食べるのが好き。これって、いけないこと?」

肉食動物、植物食動物はわかるけど、「肉食植物」とは! 善し悪し以前にいろいろ突っ込みたくなる。関心が語学からそれてしまう。内容だけが爪痕を残し、単語は記憶に残らない危険がある。

イタリア語は「食べること大事だよね? 食べる表現をまず覚えてもらわなきゃ」。方やドイツ語は「ヘンテコな話題をふっかけて議論したい」というキャラクター像が例文から浮かび上がる。

国民性なのか、講師のクセなのか。

ノルウェー語でコーヒーを注文

Duolingoのスウェーデン語とノルウェー語は、どちらも「コーヒーを注文する」から始まっている。会話の内容は違うが、設定が同じ。

スウェーデンとノルウェーはコーヒーが大事。

アイスランド語のコーヒーも昨夜のうちに出てきた気がする。スペルはうろ覚えだが、コーヒーとわかる字面だった。アイスランドもコーヒーが大事。ついでにビールも大事。確かøl。発音はカタカナ表記で「エール」に近い。

話をDuolingoに戻して、まず、ノルウェー語でコーヒーを注文。

Hei! は Hi!
Kaffe? は Coffee?

「こんにちは。コーヒーですか?」と声をかける店員。

英語に近く、わかりやすい。

Kaffe og melk, takk!

melkがmilkなのも察しがつく。
ogとtakkは昨夜のサバイバルアイスランド語に出てきた。ogはandで、takkはthanksまたはplease。

Kaffe og melk, takk! は
Coffee and milk, please!

アイスランド語とスウェーデン語に共通する単語があるとわかり、ホッとする。

Velkommen!
Welcome!

ドイツ語も「歓迎する」は Velkommen。
アイスランド語は Velkomin

ドイツ語の thanks にあたる danke は takk に似ている。この3つ、祖先は同じなのだろう。

会話文の最後の一文、Ha det! は Bye! らしい。最後にあるから別れの挨拶なのだろうなと想像するが、字面はコンニチハっぽい。Hではじまるせいだろう。

得意な記憶法を「視覚(ビジュアルで覚える)」「聴覚(音声で覚える)」「言語(言葉で覚える)」に分類すると、わたしは言語型らしい。言葉とイメージを結びつけて覚える。

とくに外国語は英語のイメージに引っ張られるので、「ogはorと似ているけどand」と再インストールが必要になる。それでいて共通する単語もあるから、都合よく局地的にちょこちょこ上書きすることになる。

ノルウェー語で Bye! は Ha det! だが、Hi! も Hei!  で、どちらもHから始まる。

スウェーデン語でコーヒーを注文

続いてスウェーデン語でコーヒーを注文。

Kaffe eller te?

昨夜のサバイバルアイスランド語で「ogはorと似ているけどand」と合わせて「ellerはor」とセットで覚えた。

アイスランド語もスウェーデン語もellerはor。

Kaffe eller te? は
Coffee or tea?

andはスウェーデン語だとoch
アイスランド語のogと完全一致ではないが似ている。

andとorをまず覚えるのは、水と同じくらい大事かもしれない。

Bröd och kaffe, tack! は 
Bread and coffee, please!

Mjölk eller vatten?
Milk or water?

コーヒーとミルクの後に、満を持して「水」が登場。

字面だけ見るとvattenとwaterは遠いように思うが、音はドイツ語のWasserと近い(カタカナ表記だとヴァッサー)。water-Wasser-vattenと間にドイツ語を挟むとつながりやすい。

大学時代の第二外国語であるドイツ語は中学一年のときの東ドイツ旅行を機にラジオの語学講座を聴き、旅先のエルベ川の船の上で知り合ったAnnettとはドイツ語で文通していたので、なんとなく意味のわかる単語はある程度ある。

ドイツ語が英語とスウェーデン語の渡し船になってくれるとは。

語学とは伏線回収である。

スウェーデン語とノルウェー語は英語、ドイツ語と同じくゲルマン語の仲間らしい。英語とスウェーデン語、ノルウェー語の間にドイツ語が位置するのだろうか。

bröd は bread。ドイツ語だとBrot(大きいパン)とBrötchen(小さいパン)。
te は tea。ドイツ語だとTee
mjölk は milk。ドイツ語だとMilch

単語が短めで、字面で察しのつくものが多く、楽しい。ノルウェー語とスウェーデン語で共通の単語も多い。

far は father
mor は mother

この2つはドイツ語を挟むより英語のほうが似ている。英語を縮めた感じ。中国語の繁体字を簡体字にしたような歩み寄りに好感が持てる。敷居を低くし間口を広げ、Velkommen!の姿勢が感じられる。

ぬるま湯の後に火傷する

ノルウェー語とスウェーデン語にご挨拶し、お近づきになり、アイスランド語との距離も縮まった気がしていた。

が、甘かった。

英語を親しみやすくしたようなノルウェー語とスウェーデン語の後で見ると、アイスランド語がより難しく見えてしまう。ぬるま湯の後の熱い湯をより熱く感じるように。

単語が長い。
読めない文字が多い。

father and mother は
föður og móður 

これはギリギリ予測がつくほうで、予測のつかない単語が圧倒的に多い。

「初心者コースがサバイバル」なICELANDIC ONLINEのスパルタ教育が追い討ちをかける。Duolingoの飴の後の鞭。

訳文どころか解説やヒントは一切なし。問題文の単語をタップしたら意味を教えてくれるDuolingoの過保護さとは大違い。

甘やかさないのも愛なのか。崖からわが子を突き落とす親虎ポジションなのか。

DuolingoはDuolingoで過保護に加えて過干渉なところがあり、練習の時間ですよとリマインドをせっせと送り、反応がないと「うっとうしい? だったら通知を減らすよ」と気遣いを見せる。面倒見の良さが行き過ぎると、めんどくさい親みたいになる。

一方、あえて手を出さないスタイルを貫くICELANDIC ONLINE。一人前のアイスランド話者を育てるなら、過保護よりもこっちのほうが良いのかもしれない。と理解を示しつつ、「間があるといいのに」と思ってしまう。

当たって砕けるぶつかり稽古

翻訳も解説もないが、正解か不正解かを教えてくれるICELANDIC ONLINEの初心者🔰サバイバルコース。

Hvenær er opið?

正解だと解答のマスの背景が緑色になり、不正解だと赤くなる。すべてのマスが緑色になるまで、当たって砕けるぶつかり稽古。  

ICELANDIC ONLINE

erはbe動詞にあたるものということは1日目に履修済み。

opið はopenだと思われる。それを問うているということは、hvenær はwhenにあたるのだろう。hvで始まるものが英語のwhで始まる疑問詞に相当することは1日目に学んだ。

Hvenær er opið? は、お店か何かがいつ(何曜から何曜の何時から何時まで)開いているかを聞いている。

月曜日(Mánudagur)から木曜日(Fimmtudagur)を mán-fim
土曜日(Laugardagur)から日曜日(Sunnudagur)を lau-sun
と略すのを知り、ホッとする。日本語学習者も「月ー木」「土日」を見て、軽減っぷりにホッとするのかもしれない。

と、今このnoteを書いているのはアイスランド語2日目から3週間余り経った6月10日。ぶつかり稽古していた当時は、「さっきはこれで間違えたから、こっちでどうだ?」と解答を変える神経衰弱スタイルだったが、あれから見覚えのある単語が増え、「ちんぷんかんぷん」から「ちょっとわかる」になっている。

frá A til B がfrom A till B にあたることも覚えた。語学は、かけた時間の分だけ解像度が上がる。

audibleもサバイバル

DuolingoとICELANDIC ONLINE、飴と鞭のあわせワザでアイスランド学習を進めていこう。と方針が決まった。

「アイスランドの映画と音楽の夕べ」まで、あと13日。もう少し密度を上げたい。

耳からも親しんでみよう。とaudibkeを探してみた。

数は多くないが、いくつか見つかった。

まずはpodcast。エピソード0だけは英語で、あとはひたすらアイスランド語。ちょっとまだ早いかも。

続いては、Unlock the Secrets of Icelandic Language。この後何度もリピート再生することになるが、1回目を聴いた感想は「audibleもサバイバル」だった。

英語を挟みながらなので、比較的親切ではあるが、基本的には「これ何だと思う?」と考えさせるスタイル。

アイスランド語学習は自主性が大事。受け身で教えてもらうのではなく自らスコップを持って掘り進む人が歓迎されるように思う。園芸好きなわたしに合っているのではないだろうか。

3日目へ続く!



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脚本家・今井雅子📚言葉遊びが好きな物書き 目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。