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突然アイスランド語サバイバル 3日目─行ったり来たりで轍をつける

突然アイスランド語を学ぼうと思い立って3日目、土曜日(Laugardagur)。

2日目はこちら。


スペルがわからないからカタカナで

このnoteを書いているのは6月10日で、アイスランド語3日目当時の5月17日から3週間余り経っている。

この日は、2日目にamazon audibleで見つけた「英語でアイスランド語を学ぶ」プログラムを聴きながらスマホにメモを取っていた。

残されたメモを見た感想は、「アイスランド語とちゃうやん」。

イエフェッシ I'm tired.
イエハルティーマ I have time. 時間ある
イエフェルシスト I go first
イエゲット I can
イエフェッシフォルシダン I know the president
イエヴェルヴィンナ I will work

手元にテキストがなく、スペルがわからないので、カタカナで書いている。ミシンが日本にやって来たとき、sewing machineと紹介されて「ミシン」とカタカナで聴き取った人たちもこんな感じだったのだろうか。

単語の切れ目もわからない。「イエ」「イエ」と連呼しているが、イエは ég 。英語の一人称 I にあたる。 ég は1日目から何度も目にして知っていたのだが、「知る」と「わかる」は違う。ただただ聴こえてくる音を書き留めた結果、意味不明なカタカナの羅列が出来上がった。

サバイバルじゃないサイトを探す

圧倒的にボキャブラリーが足りないことを自覚し、「サバイバルじゃない」日本語
解説つきのアイスランド語の学習サイトを探した。

Hello ATLAS のアイスランド語は一ページに一語ずつ、日本語とアイスランド語のスペルが併記され、発音が聞けて便利。

45の言語を自分の言語で学べるLingoHutアイスランド語はシチュエーション別に学べて実践的。

「アイスランドの映画と音楽の夕べ」に使えそうな表現があるかもと「お祝いとパーティ」を開いてみた。

「踊りませんか?(Viltu dansa?)」
「結婚してくれる?(Viltu giftast mér?)」

わたしが参加する予定のパーティでは、出番がなさそうな表現。アイスランドの方々、なかなか社交的なのかも。

Viltu は Will you にあたるらしい。tuはyouでvilがwill。つなげてvirtu。スペルを確認しながらだと理解がはかどる。

Google翻訳が対応していた!

個別の単語の意味を調べたくて、「アイスランド語 翻訳」で検索したところ、Google翻訳がヒットした。

アイスランド語1日目、DeepLがアイスランド語に対応していないことを知った。Duolingoにもないし、それほどマイナー言語なのかと諦めていたのだが、なんだ、なんだ、Google翻訳はアイスランド語に対応していたのか!

砂漠で水を見つけたかのように舞い上がり、早速、audibleで聴き取った英語を入力し、アイスランド語に翻訳。スペルと発音を確認する。

「イエフェッシ I'm tired.」と聴き取ったのは、
Ég er þreyttur.

þreyttur は tired にあたる。þ は英語のthのように発音するので、カタカナで書くならフェッシというよりスレッシが近いのではないかと思う。

「イエハルティーマ I have time.」と聴き取ったのは、
Ég hef tíma.

「タックフェリル  thank you」 は takk fyrir
「クルックテイメ hour」は klukkutími

食べ物シリーズ。
「カカ cake」は köku
「スーパ soup」は súpu
「バーナネ banana」は banani
「カルトッフル potato」は kartöflu。ドイツ語(Kartoffel)に近い。

英語と全然違うシリーズ。
「ネアマンテ student」は nemandi
「キャンナレ teacher」は kennari
「トンコマルヒ language」は tungumál 
カタカナで書くならツングマルのほうが近い。

英語と近いシリーズ。
「ボーク book」は bók
「スコーレ school」は skóla

体のあちこちシリーズ。
「ハント hand」は hönd
「ネフ nose」は nef
「エイラ ear」は eyra
「アンクレット face」は andlit
カタカナで書くならアンドリットのほうが近い。
「ハーシュ hair」は hár
「タン tooth」は tönn
「リーカマ body」は líkama

「ウェイカ week」は viku
「モルクル morning」は morgun
「ノホト night」は nótt
「セトナ later」は síðar
どう聞いてもセトナとは聞こえない。カタカタで書くとシーザーが近い。別な単語だったのだろうか。

「サーガ history / story」は saga

日本語としても流通している「サーガ」。「ウルトラマンサーガ」のサーガも
アイスランド語から来ていたのか! 単語も短いし、スペルもわかりやすい。ほぼ
カタカナ読みと一致。storyもhistoryもsaga

行ったり来たりで語彙を増やす

以前、「英語でレポートを提出しないといけないんだけど、翻訳してもらえる?」と友人に聞かれたとき、「DeepLで日本語から英語に訳して、それを英語から日本語に訳して、自分が言いたい内容になっていないところを直していく」方法を伝えた。

原文→訳文→バックトランスレーションを比べると、「なるほど、この単語、元はこういう意味なのか」などと発見があり、理解が早くなる。

audibleのアイスランド語教材で聴き取った英語をアイスランド語に翻訳。それを英語にバックトランスレーションする方法で、文に含まれる単語の意味を特定していった。

I want vanilla ice cream.
Mig langar í vanilluís.
me/want/in/vanilla ice cream

Can I have some ice cream?
Má ég fá mér ís?
can/I/get/me/ice cream

meが mig になったり mér になったりするルールはまだわからないが、アイスランド語は代名詞だけでなく動詞も形容詞も活用する。日本語の「てにをは」同様、母国語にしている人は自然に使いこなすけれど、新参者は手こずる。慣れるしかないのかもしれない。

I'm glad to hear that.
Það gleður mig að heyra það.
it/happy/me/hear/it
直訳すると It makes me happy to hear it.

行ったり来たりするうち、「見覚えのある単語」がふえ、「覚えた単語」に変わっていく。轍を刻むように。アイスランドらしく雪に轍が刻まれた写真をタイトル画像にできたらと「みんなのフォトギャラリー」で探してみたら、ぴったりな画像が「昴のアルバム」さんのnoteにあり、お借りした。

あれも言いたいこれも言いたい

Google翻訳を使って、言いたい文章をどんどん訳した。

「アイスランドの映画と音楽の夕べ」は5月30日開催。

Today is May 30th.
Í dag er 30. maí.

í dag は todayというのは覚えた!

It's May 30th.
Það er 30. maí.

Það er は It's。これも覚えた。

アイスランド語は難しいですが、学ぶのは楽しいです。
Icelandic is difficult but fun to learn.
Íslenska er erfið en gaman að læra hana.
アイスランド語/be動詞/難しい/しかし/楽しい/それを学ぶこと

gaman(楽しい)の発音は「ガーマン」と聞こえる。我慢は楽しい!?

læra (学ぶ)の発音は「ライラ」と聞こえる。æ は「アイ」と発音するらしい。

að læra hana のはto不定詞のtoのような働きをしているようだ。

I love learning new languages.
Ég elska að læra ný tungumál.

að læra で動名詞になることがわかると、ほぼ英語の単語置き換えで文を作れる。

I want to visit Iceland someday.
Mig langar að heimsækja Ísland einhvern tímann.

先ほども出てきた Mig langar は me want。
að heimsækja は to visit。

einhvern tímann は someday。分解して翻訳にかけると einhvern (someone)+ tímann(the time)と出たが、一つの単語に一つの訳しか出ないのがGoogle翻訳の限界。辞書を引きたくなる。

孤立したり膠着したり屈折したり

アイスランド語について調べる中で、アイスランドは「自分の言語を大切にする国」だという在アイスランド日本国大使館の大使のコラムを見つけ、初心者にはかなり手強いこの言語をもっと知りたいという気持ちが強まった。自称「愛国語者」であるわたしには、とても響く内容だった。このコラムについては、日をあらためてご紹介したい。

自国語と言えば、「フィンランドではフィンランド語とスウェーデン語が公用語」で、両者はまったく違う」と聞いたので、Duolingoのフィンランド語を見てみた。

Terve! Minä olen Otso.
Hello! I am Otso.

スウェーデン語ともアイスランド語ともまったく違った。

アメリカ留学したとき、同じ高校にフィンランドからの留学生がいて、「フィンランド語は孤独な言語だ」と言っていて、「日本語だって孤独だよ」と思ったことを思い出す。

調べてみると、「屈折語」「孤立語」「膠着語」「抱合語」という分類があることを知った。孤立語はフィンランド語や日本語ではなく、中国語やタイ語のようにそれぞれの単語が独立した意味を持つ言語を指すらしい。

日本語は「膠着語」に分類される。

膠着語は、助詞や接辞などの機能語が、名詞・動詞などの自立語にひっついて、文が構成される言語のことです。

旅する応用言語学

フィンランド語も同じく「膠着語」に分類されるらしい。日本語とフィンランド語は「孤高の膠着語仲間」だったのだ。他にモンゴル語、韓国語、トルコ語も「膠着語」に入るらしい。

これに対し、単語の形が文の中で変形することで文法的機能を表す言語を「屈折語」といい、ラテン系の言語(フランス語・イタリア語など)、ギリシャ語、アラビア語などのほか、英語も屈折語に入れられることが多いという。(太字は旅する応用言語学より)

「膠着」「孤立」「屈折」といった、こじれて面倒くさそうな単語を分類にあてはめているのが興味深い。それぞれ厄介な事情を抱えていて扱いづらいぜトホホという言語学者の嘆きが言葉のチョイスに現れているのだろうか。

アイスランド語は屈折語になると思われる。名詞まで形を変えるので、屈折の激しい屈折語だ。ポキポキポキポキ。

Duolingoはノルウェー語に絞る

1日目に見たときはスウェーデン語のほうがノルウェー語に近い印象を持ったのだが、どうやらノルウェー語のほうが近いらしく、Duolingoはノルウェー語に絞ることにした。

Good evening and welcome.は、ノルウェー語だと
God kveld og velkommen!

アイスランド語だと
Gott kvöld og velkomin!

語学とは伏線回収である。この一文が5月30日の「アイスランドの映画と音楽の夕べ」の伏線となることを、このときのわたしは知らなかった。

4日目へ続く!

「アイスランドの映画と音楽の夕べ」に参加することになり、アイスランド語を学ぼうと思い立った1日目はこちら。


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脚本家・今井雅子📚言葉遊びが好きな物書き 目に留めていただき、ありがとうございます。わたしが物書きでいられるのは、面白がってくださる方々のおかげです。