【イベント後記:エンプラCSのリアル】Customer Growth Partnerの葛藤とやりがい<RightTouch>
はじめに
先日、グローバル・ブレイン株式会社さん主催の「新・解体新書/ エンプラCSのリアル〜最前線で活躍するスタートアップ3社の赤裸々トーク〜」というイベントに参加してきました。
そこで、参加いただいた方々にご質問もいただきながら、赤裸々にお話をさせていただきました。
参加した際に話した内容については、グローバル・ブレインさんの記事で紹介していただいてますので、こちらをぜひご一読ください。
この私の記事ではイベント内容をもとに、RightTouchでCustomer Growth Partnerとして働く立場から、もう少し深掘りした内容について率直に綴りたいと思います。
ご参加いただいた方々も、参加できなかった方々もぜひ読んでいただき、気になることあればいつでもカジュアルにお話しさせていただくのでお声掛けください!
XのDM経由でもご相談、大歓迎です!
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RightTouch CSの業務内容・やりがい・悩み
RightTouchのCustomer Growth Partner(CGP)は、導入・アダプション・リニューアル・エクスパンションといった「既存顧客との関わり」の一連プロセスすべてを担っています。
モデレータの川村さんが整理してくださった、「エンプラCSの定義」のカスタマージャーニーに照らすと、RightTouchは「一気通貫型」に該当するかと思います。

この背景は、以前noteにも記載しましたがRightTouchが「エンタープライズ×コンパウンド」でチャレンジをしているため、「契約企業数を増やす」ことよりも、「1社とのお取引金額を引き上げること=NRR」が重要であるからです。
そのため、既存アカウントの担当者が中長期目線でバックキャストしながら、導入プロダクトの支援プロセスを進めていく必要があり、分業化をし過ぎると「プロダクトサクセス」に閉じてしまうため、一気通貫で取り組んでいます。

やりがい:未来のエンドユーザー体験を顧客と共に描ける
エンプラCSの醍醐味は、顧客企業と共に「未来のあるべき姿」を構想し、エンドユーザーの体験を形にしていけることだと考えています。
たとえば、多くの企業で今「生成AI」を前提にしたCX設計がトレンドになっています。
金融・保険業界では、顧客の属性データや行動データをより活用した生成AIチャットの実現や、Webでも来店以上の体験ができるようなパーソナライズサポートの実現なども会話をしています。
こうした未来志向の議論を、経営層や顧客の推進者と共に描いていけることが、エンプラCSのやりがいだと感じています。
顧客とともに、「成り行きでxx年かかる未来を、どう早く実現していくか?」という目線で議論とプロジェクト推進ができることが、とても楽しいです。
悩み:拡大する取引規模とリソース不足
イベントの中では、「顧客課題の個別性の高さ」を悩みの1つとして挙げさせていただきました。
ここでは、NRR向上とともに発生するリソースについて取り上げます。
エンプラ案件は取引規模が拡大するほど、必要なリソースも指数的に増えていきます。導入プロジェクト1つ取っても、関係者が数十名に及ぶことも珍しくありません。
しかし現実には、1人のCSが担当できる社数・見れるプロダクトには限りがあります。「もっと深く入っていきたいが、時間が足りない」という葛藤は常に存在します。結局、良質なCSを実現するためには「人が足りない」という課題に行き当たります。
そこでRightTouchでは、CSとプロダクトチームが連携して顧客課題にあたる体制を強化しています。プロダクトの仕様改善やデータ活用基盤の整備を、顧客の声を起点に一緒に進めることで、少人数でも大きな成果を出せる仕組みを作りつつあります。
特に、β版やPMF前のプロダクトについては専任のBizチーム(プロダクトグロースチーム)を構築し、そうしたプロダクトのセールス・サクセスの双方を専任のBizチームとプロダクトチームのサクセスが役割分担してプロジェクトサクセス・AMと連携しながら進める体制をとっています。
そして、社内で「CSからアカウントマネジメント(AM)も担える人材」を増やす取り組みも進めています。1人がCSとAM両方の視点を持てることで、顧客体験がより一貫性を持つと同時に、組織全体としてのリソース制約を補完できるからです。
これは大きなチャレンジですが、我々にとって不可欠なチャレンジだと考えていますし、自分自身がそうであったからこそ「RightTouchでAM人材を育てていける」と考えているので、仕組みづくり、ナレシェアに取り組んでいます。
当日のご質問に答えてみる
イベント当日は参加者の方から非常に具体的かつ興味深いご質問を多くいただきました。その中からいくつかピックアップし、改めて回答をまとめてみたいと思います。
Q:いけてるCSといけていないCSの違いは?
<質問>
お三方が思う「イケてるCS」「イケてないCS」を教えてください。
私なりに、ポイントは「捉える時間軸」だと考えています。
イケてるCS
中長期のビジョンを描き、そこから逆算してプロジェクトを推進する。
単年度の目標にとどまらず、「この顧客と3年後にどういう状態を作るのか」を常に意識している。
イケていないCS
短期的な要望対応や目の前のプロジェクトの成功がゴールになる。
顧客の本質的な価値創出に結びつかないケースもあり、リニューアルやエクスパンションにもつながりにくい。
この差は一見すると小さな思考の違いに見えますが、長期で見ると顧客成果や取引拡大に大きな差が生じます。
結局は、特にエンタープライズ向けのCSにおいて、「CSがAMを担う構造にシフトしていく」と個人的には感じているので、プロジェクトの捉える時間軸が非常に重要と考えています。
実際に複数プロダクトを展開する企業において、1st導入プロダクトの顧客課題との相性が良くないことがPJ進行中に分かった際、どうするか?を想像してみてください。
イケてるCS
顧客の本質的な成果やIssueを捉え直し、より成果貢献できる取組を提案したりリスタートする
現在のプロジェクトの目標やゴールを顧客と考え直し、リニューアルプランで成果創出に向けて取り組む
イケてないCS
今取り組んでいるPJの成功を何とかして実現しようとする
💡:これはもし実現できるならGood。ただし非常に険しい道
明らかになった情報や課題・難所を1人で抱え込む(何とかしようと1人でもがく)
💡:社内の別部門を含めて周囲への相談も大事
目の前の顧客に向き合う時間が長くなるとつい、目線が短期的になりがちです。私の場合は1度俯瞰をしたり、全体を見る時間をあえて取るようにして「そもそも何のために?」という問いを立てるようにしています。
Q:NRR目標と担当社数の理想的なバランスは?
<質問>
NRR目標と担当社数の話がありましたが、どんな割合で業務を持てるのが理想でしょうか?私もNRRを中心にKPIを持っているのですが、パツパツで何が理想なのかわからなくなってます(定例会議・活用支援・QA/不具合対応・エグゼクティブエンゲージメント・課題啓蒙とプロジェクト提案・PoCフォローアップ等)
理想的には「担当する社数は少なく、その分1社に深く入る」のがエンプラCSのポイントだと考えています。ただし、現実は「NRRを高めるために活動の幅は広く、時間は有限」というジレンマが常にあります。
私自身の感覚としては、
全てを1人中心でやるならば1人あたり5社前後
AM、CS、Salesを1人が中心に実施する場合
AM/CSを分散しながら持つのであれば10社前後
案件によってAM/CS/Salesを連携しながら進める場合
になるかと思います。
これも、事業の戦略や組織の戦略、営業戦略などとアラインしながら進めていくことがポイントだと思いますが、「リソースの投資対効果」と「社内外向けのルール」の2点で解きに行けると良いのかなと思います。
リソースの投資対効果
導入プロダクトのサクセッションから地続きで進めるべきか
KPIやテーマが異なるために別ラインで提案をすべきか
顔を変えて進めるべきか、1人のPMがコントロールすべきか
社内外向けのルール
社内
QAや不具合対応:プロダクトチームやサポートチームと分担
仕組みや社内ナレッジによる型化で解ける領域がないか
社外
顧客に自走して活用いただけることをゴールにPJを進める
SLAの整備、周知
結論、「自社のCSが本当にやるべきこと」に集中できる環境づくりが重要だと思っています。
そのためにも社内でのサポートにおけるAI活用や、サクセスにおけるAI活用を進めていて、もう少し時間はかかりそうですが芽が見えてきているので非常に楽しみにしています。
Q:エンプラCSは代理店やコンサルに近いが、なぜ今の会社に?
<質問>
エンプラCSのやりがいを突き詰めると広告代理店やコンサルに近い仕事かと思いますが、今の企業に籍を置いている理由を聞いても良いでしょうか?
確かに、取組内容はコンサルティングに近い部分も多いと思います。
ただ、私がRightTouchにいる理由は「構想から実現まで携われること」と「プロダクトの力でスケールできる再現性がある」からです。
実行支援まで入るコンサルも増えてきた昨今ではありますが、やはり企画構想を描くだけでなく、実現まで支援できることが魅力だと感じています。
PJのテーマによっては小さなKPIからスタートするものももちろんありますが、より重要な部門テーマ、中期経営計画実現に向けた取組をご一緒できる機会も作れるので、「価値を届ける仕組みを作る」まで関われることが楽しいです。
また、一般的にコンサルや代理店の仕事はどうしても人に依存しがちですが、SaaSのCSは「人×プロダクト」で成果を届けられる。つまり、自分が描いた構想をプロダクトを通して何百社、何万人にまで届けられる可能性があります。
我々が挑んでいるカスタマーサポートマーケットは、エンタープライズ企業の先にいるエンドユーザーが非常に多いのも特徴ですが、日常で利用するサービスが非常に多く、新しく増え続ける世の中において、サポートインフラとしてのあるべきを広げていくことは非常に重要と感じています。
そのため、プロダクトを通して価値を届け、再現性を作り、多くの企業、エンドユーザーにとってのスタンダードを作っていけることはとても魅力的に感じています。
おわりに
エンプラCSの現場は華やかに見えるかもしれませんが、実際には悩みも多く、泥臭い仕事の連続です。ただし、その先に「顧客の未来を共に創る」というやりがいが確かにあります。
もし今後エンプラCSに挑戦したい、挑戦中で悩んでいる方がいれば、お声かけください。
私自身もまだ、解を模索しているところなのでディスカッションしながら学ばせていただきたいです!
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最後までお読みいただき、ありがとうございました!
