【美術展2025#59】横尾忠則 未完の自画像 - 私への旅@GUCCI銀座ギャラリー
会期:2025年4月23日(水)〜8月24日(日)

この展覧会は、「未完」と「旅」が大きなテーマです。
1970年の大阪万博でせんい館の建築デザインを担当した横尾忠則は、建設工事用の足場を真っ赤に塗ってそのまま残し、大きな話題を呼びました。建築のプロセスを提示するこの「未完のアート」は、芸術の創造性は、未完であることによってこそ示されるという、横尾の生涯を貫く芸術観を、端的に表現しています。本展では、この真っ赤な足場を55年ぶりに再現することによって、「未完」のイメージをシンボリックに提示しています。
「旅」もまた、横尾の芸術をいろどる重要なテーマです。「日本原景旅行」(1972-74年)や「温泉主義」(2005-07年)などの、日本各地の旅に取材した連作ばかりではなく、有名な「Y字路」も、もともとは故郷・西脇への旅から生まれ、その後は、全国のさまざまな都市を訪れた機会に見出された「Y字路」が描かれています。海外においても、横尾の足跡が、欧米からインド、また中南米や南太平洋まで、世界中に及んでいることは、多くの作品からうかがうことができます。さらには、最も横尾的なテーマの一つとも言える、地底や海底に拡がる異世界への冒険もまた、一種の旅ではないでしょうか。
1981年のいわゆる「画家宣言」以降、横尾は、千変万化するスタイルと森羅万象に及ぶテーマを駆使しながら数多くの絵画作品を生み出してきました。けしてひとつの「完成」に安住することなく、つねに新しい表現の可能性に挑戦して変貌を重ね、「未完」の「旅」を続けてきた横尾の最新作が、自画像の連作です。
色鮮やかな筆致で描かれた、横尾夫妻の、そして一家の肖像は、朦朧とした背景のなかに、溶けいってしまいそうにも見えます。夫婦や家族は、お互いに、自分のことも、相手のことも、朦朧としていてわからないものなのだ、と横尾は語っています。実を言うと、横尾にとっては、そしておそらく誰にとっても自分自身こそが最大の謎なのかもしれません。永遠の謎である「私」へ向かって、横尾の「未完の旅」はこれからも続いていくことでしょう。
先日まで世田谷美術館で行われていた「横尾忠則 連画の河」も記憶に新しいが、銀座展と会期ががっつり重なっていて2会場同時展開のようにも思えた。
ということで、世田谷展とどのように関連しているのか(いないのか)なども気にしながら見てみよう。
いざ銀座へ。


暑いのでTシャツ(THE NORTH FACE)&短パン(Ralph Lauren)&サンダル(Chaco)のバキバキアメカジ&アウトドアスタイルで銀座を闊歩する私。
GUCCI感のかけらも無いどころか銀座感すら皆無。
そんな私のために丁寧に扉を開けてくださるドアマンさん申し訳ないッス。
上階のギャラリーに行くには店内奥のエレベーターまで向かわなければならない。
いやいや違うんです、ワタクシめGUCCI様に用があるわけではないのです、ヒィ~スミマセンスミマセン、みたいな気持ちで売場を足早に突っ切る。
エルメスビル然り、この手の場所は私にとってアウェイ感が強すぎる…。

エレベーターもベルベット調でマダム感が漂っており、私の場違い感がさらに際立つ。

日曜日の午後に行ったので混雑を覚悟していたが、いざギャラリーに足を踏み入れると鑑賞者は誰もいなかった。
混雑時は予約優先と煽られていたので拍子抜けする。

受付はLINEで行う。
…が、LINEやってないのよ私。
「えっ、あっ、じゃ、じゃあダイジョブです」なんて受付の人もキョどる。
そのまま入れてもらえた。
申し訳ないテヘペロ😝
世田谷展は横尾氏の故郷の同級生との集合写真が起点だったが、こちら銀座の「未完の自画像 - 私への旅」では家族の肖像画から始まる。

2025

2025

今展で言うところの「自画像」は、自分と自分を取り巻く身近な環境を客観的に俯瞰した表象的な景色だった。
世田谷展で最後に掛けられていた「自画像」とはまた違う「連画の河」がそこには流れていた。

世田谷美術館「連画の河」より
その他、過去作品から「旅」や「移動」にまつわる作品がキュレーションされている。
地底を走る汽車。

こちらは「東武ワールドスクウェア」がネタ元ですね。

Y字路シリーズ。


《I HAVE NO TIME LEFT》1994-2013 《圧縮された風景》2012
会場中央の階段には赤い足場が組まれている。

1970年大阪万博で展示されたインスタレーション《未完の足場》の再構築とのこと。


階段から屋上に行ける。


《原始宇宙》2000 レプリカ
屋上の窓からは和光の時計が見えた。



会場には1970年の《未完の足場》に呼応するように1970年代の作品も数点並べられている。

横尾氏によって日々生み出される圧倒的な数の作品群。
そこには幾重にもレイヤーがかった「連画の河」の支流が無数に流れている。
チャクラ、Y字路、地底、三島由紀夫…。
今展だけ見ても一見無関係に思える森羅万象な作品群だが、「旅」というレイヤーを通して見ると不思議と一本の流れが見えてくる。

全ては繋がっているんだ。
まるでインドのガンジス河のように聖なるもの邪なるもの全てを包み込みながら流れる「横尾忠則」という大河は、その人生が終わる日まで「未完」のまま流れ続けるのだろう。
その支流は豊島へと続く。
銀座の展覧会に続き、瀬戸内・豊島にて横尾忠則氏によるアートウォールを公開
2025年、グッチは、創造性を通じたコミュニティとの共創をテーマに日本国内でアートプロジェクトを多面的に展開いたします。 その取り組みのメインとなるのが、日本を代表するアーティストである横尾忠則氏との展覧会「未完の自画像 - 私への旅」の開催です。
4月より開催中の本展覧会では、「旅」を想起させるテーマを描いた横尾作品を中心に、今回初公開となる自画像や家族の肖像など最新作を含めた20点以上の作品が展示されます。 本展を通して、芸術の創造性は完成された瞬間よりも、むしろ未完成であることにこそ宿るという、横尾氏が一貫して掲げてきた美学を感じていただけます。
そして、グッチは、横尾忠則氏とのコラボレーションの舞台を東京・銀座のグッチ銀座 ギャラリーから「瀬戸内国際芸術祭2025」へと広げます。
2025年5月22日より、グッチはアーティスト・横尾忠則氏とのコラボレーションによるアートウォールを、瀬戸内海に浮かぶ豊島にて公開しました。
豊島は、2013年に開館した「横尾忠則 豊島横尾館(Yokoo House)」が所在する島であり、また、グッチがファッションブランドとして初めて公式パートナーを務める「瀬戸内国際芸術祭2025」の開催地のひとつでもあります。

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