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8/14 ブハラ→ヌクス→ヒヴァ(後編)

前↓


バスの時間までは10分しかないが、運転手はババアとイチャつきつつ行きと比べて明らかにチンタラと走っている。乗り遅れさせてヌクスまで乗せていこうという魂胆なのかもしれないが、そうはさせまい。多様はバスを止めてでも乗り込むことを決意した。
ターミナルに近づくと、バスがまだそこにいるのが見えた。どうやら間に合ったようだ。しかし、タクシーは一切止める気配を見せず、案の定ターミナルを通過し始めてしまう。すぐに引き返らせたが、「ヌクスまで行かないのか?」というのがまた始まった。さっき断っただろう!こいつらのセコい手法にはもううんざりだ。
タクシーが止まると同時にバスは真横から出発してしまったが、もうこの程度のことでは動じない。さななが冷静にタクシーを降り、走って止めに向かった。その間に金を払うが、往復と言っていたくせに片道と言い張り、2倍の額を請求されてしまう。ここでも時間稼ぎか。だが、目の前でバスが走り出しているので、意地を張り合う余裕はない。悔しいが素直に2倍の額を払って、バスに向かって全力で走り始めた。
さなながターミナルの出口でバスの足止めに成功しているのが見える。急げ!と手を振る運転手を見据えて白いバスまで一呼吸で駆け、乗り口からバスに飛び乗った。よくあることのようで特に注目は浴びぬまま、急発進によろめきながらリュックを投げて着席する。セーフだ。ニヤつきながら後ろを振り返ると、変な顔をしているさななが見えた。マサカリは…マサカリは?さななの変な顔のわけが分かった。どう見てもマサカリがいない。

いなさんだった

運動音痴のマサカリは、バナナのリュックも持って走っていたらどんどん多様との差が開いていき、そのまま置いていかれたらしい。1人だけ大回りしてしまい、死角に入ってしまったことも災いした。
本当にかわいそうだが、もう色々起きすぎた上置き去り系も2回目なので、多様の心境は無に近い。ていうか、バスがよみうりランドのバンデットくらい揺れているので、間に合っていてもマサカリゲロ祭りで地獄になっていた気がする。むしろ良かったか?

イスラム系EDMが流れ続けている

3時間後、マサカリは先に集合場所に着いていた。あの後、置いていかれたさまを見ていたタクシー運転手らに爆笑され、20分値切りの交渉をするも背水の陣であることを知っている彼らは一切動じず、最後にはタバコまで巻き上げられたらしい(5本も)。泣きっ面に蜂とはまさにこのことだ。だが、マサカリの分を払っても全員タクシーより遥かに安く帰ってこれたし、酔ったりもしなかったので結果オーライである。
本日最後の大仕事は、ブハラ、サマルカンドに並ぶ古都・ヒヴァへの移動だ。ヌクスにはこれといってもう見どころがないし、サマルカンド到着のデッドラインを考えると少しでも東に移動しておきたい。実は、それを見据えて乗合タクシーの発着場をマサカリとの集合場所に設定していたのだが、やっぱりというか、タクシーは見つからなかった。もしかすると時間が遅すぎるだけなのかもしれないが、そもそも乗合タクシーのプールは頻繁に移動してしまうようである。

(本来集合場所の写真でも貼りたいところだが、ここで多様iPhoneのバッテリーが切れてしまい、以降は写真なしである)

近くに朝のバザールがあるので、とりあえずそこで情報収集し、タクシーがなさそうであればヌクスに1泊、明日朝に再チャレンジすることにした。我々は謎の運動会や街一番であろうホテルの横を抜けて、バザールへと歩く。
今朝のタクシーゾーンに到着した。ハイエナども、さあ来い!…しかし、明るいものの19時を回っているからか、彼らはさっぱり仕事をする気配がない。こちらから声をかけて聞いてみると、何人かでやいやいと相談し、100ドルくれるなら行ってやるという。話にならないが、彼らも別に本当に行きたいわけではないようで、すぐに撤収していった。
今日はダメかもしれない。ヌクス泊を覚悟しバザールをまさに去ろうとしていた時、珍しく一匹狼のタクシー運転手が声をかけてきた。ダメ元でヒヴァ行きを伝えてみると…道を渡って向こうに行け、というジェスチャーをする。そこは、今朝乗合タクシーが見つからなかったあのエリアだ。
半信半疑で道を渡ってみると、朝9時の閑散ぶりが嘘のように軽バン軍団が出現していた。こいつらが乗合タクシーか!ヒヴァ行きを伝えると、トランシーバーで連絡を取り合い、うち1台に乗るよう促される。どうやら無料で別の乗り場に連れて行ってくれるようだ。なんと頼もしい奴らだろう。

ウズベキスタン名物のシボレー・ダマスに乗る
(これはカザフで撮影)

それから1時間後…。我々はヒヴァ近郊、ウルゲンチ行きの乗合タクシーに乗って、なぜかヌクス市内で運び屋の一味になっていた。1200円でウルゲンチ行きが確定したまでは良かったが、その後車の不調で別のタクシーが我々を引き受け、そのジジイはデリバリ作業の真っ最中だったのである。しかも、どうもデリバリ作業には何らかのトラブルが発生しているようで、もう1時間も爆速で走りながら電話越しにキレ散らかすジジイの後ろで、我々3人は縮こまっているのであった。1度不安になってウルゲンチ行きを確認してみたが、「1min、1min」と返されたので忘れているわけではないらしい。ジジイもキャパそうだし、もう身を任せるしかなさそうだ。
1min発言から走り回ること30分、ジジイは仲間を1人拾って、遂に高速を走り出した。そこから先は穴だらけの道を150kmで爆進し、あっという間にウルゲンチである。しかも、ヤンデックスに利益を譲りたくはないようで、別の車にバトンタッチされ、シームレスにヒヴァへと連れて行ってくれた。
ヒヴァは旧市街が城壁で囲まれており、タクシーは中へ侵入することができない。我々も城門で降ろされたが、ここからは運転手の友達らしい助手席の男が歩いてホテルへ案内してくれるという。なんともありがたい話だ。礼を言いながらタクシーを降りると、なんとこの男は警官だった。しかも普通にシフト中らしく、着くなり無線が鳴りまくっている。一体こいつは今までどういう状態にあったんだろう。
そんなわけで、ホテルまで警官に護送された我々は、ようやく3日間の地獄に終止符を打つことができた。シャワーも浴びれるし、部屋は動いたりしない。その上、西安以来2週間ぶりに個室のホテルに泊まることができているのだ!
この状況にアドレナリンが出まくった我々は2時にホットドッグを食べに行き、せっかくの睡眠時間をかなり無駄にした。

充電も復活した

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