久しぶりに紙の本を買いました―『遠い崖』(全14巻)
幕末の歴史についての本を読むと、必ずといっていいほど名前が登場する「アーネスト・サトウ」。
司馬遼太郎の幕末をテーマにした本にも(『竜馬がゆく』など)、今読んでいる『完訳 日本奥地紀行』にも、登場します。
幕末を語るときには欠かせないアーネスト・サトウですが、その存在は知っていても、それ以上深く追求したことはありませんでした。
私が過去に読んだ幕末関連の本は日本人を中心に描いたものがほとんどで、外国人の視点から幕末や明治初期を描いた本を、これまであまり意識して読んでこなかったように思います。
『完訳 日本奥地紀行』を読んだことで「外国人の目から見た日本」に関心が向き、そこで改めて意識するようになったのが「アーネスト・サトウ」でした。
当時、外国人から日本の歴史や文化について問われた政治家や政府の役人は、決まって「そういうことは日本人にきくより、サトウに聞け」と答えたそうです。(慶應MCCのレビュー記事より)
以前紹介しましたが、こんな記載が『完訳 日本奥地紀行』にもありました。
日本滞在の後半の月に、日本の歴史や宗教あるいは古来の慣習について教育を積んだ日本人に尋ねると、「サトウ氏に尋ねるのがよいですよ。あの方ならお答えできるでしょう」とはぐらかされるのが常だった。
そんな彼が激動の時代をどう見て、何を考えていたのか、詳しく知りたいと思うようになりました。
そこで、いろいろ調べた結果、読みたい本として候補に挙がったのが以下の二冊になります。
『外交官の見た明治維新 』岩波文庫(上・下)
1862年(文久2年)から1869年(明治2年)一時帰国するまでの日本での体験・見聞をつづったイギリスの外交官サトウの回顧録。
こちらは、ロングセラーの岩波文庫です。
2021年に同タイトルの本が講談社学術文庫から出ています。
新訳で最新の歴史的な解説なども含まれていたようなのですが、口コミを見てロングセラーの岩波文庫の方を選びました。
『遠い崖』(萩原 延壽 著)
維新の目撃者アーネスト・サトウ。その英国外交官としての日記を軸に、激動の時代を描く歴史家萩原延壽会心の大河ヒストリー(『朝日新聞』連載)。
こちらは、朝日新聞で10年以上に渡って連載が続いた、著者が半生をかけて書き上げた大作だそうです。
「傑作だ」という評判を目にしました。
「これを読むと、他の本は物足りなく感じる」、というレビューをどこかで見つけたので、何よりも先にこの作品を読もうと決めました。
ところが、電子書籍もないし、絶版になっているため新刊でかうこともできない。
おまけに、市内の図書館には蔵書がなく、隣の市までいかないと借りられない。
私は本当に欲しいと思った本は「絶対自分のものにしたい」と強く思う、収集癖に近いようなところがあるので(久しぶりにその感覚を思い出しました)、借りて読むのは最終手段にしようと思っていました。
そして、中古の本を探し始めたものの、全巻揃いで買おうとすると、定価をはるかに上まわる価格のものがほとんどなことがわかり、一瞬あきらめかけました。
また、あちこちの書店でバラバラで購入しようとすると、一冊ずつは低価格で済むのですが、途中でどうしても抜けてしまう巻が出てしまいます。それはどうにも我慢ができませんでした。
そこで、今回初めて、「日本の古本屋」というサイトで全巻揃いを条件にして探してみたところ、自分に出せる範囲の価格に収まっているものを発見。
しかも、希望していた文庫版でした。
商品の説明欄に「美品」の記載はありませんでしたが、全巻帯ありだったので迷わず購入しました。古い本で帯付きのまま揃っているのは、個人的にはかなり嬉しいポイントです。(ついでに書いておくと、中に新刊案内のチラシも入っていました。)
そして、昨日届いたのですが、美品で驚きました。
ヤケ、スレあり・・の記載もあったのですが、ほとんど気にならない程度で、しかも全巻初版。商品説明にはその記載がなかったので、思わず感激してしまいました。

タイトルを見るとわかるように、巻ごとにテーマがある程度まとめられているので、順番通りに読まなくても自分の興味のある巻から読んでもよさそうです。(私は1巻から読むつもりですが)
以前少し書いたことがありますが、私は紙の本は英語関連の書籍以外はほとんど処分して電子書籍に移行してしまったため、手元に残っている作品はほんのわずかです。
残された数少ない紙の書籍の棚に、『遠い崖』14冊が加わりました。
自作の革のブックカバー
学生時代に買って長く使っていた革のブックカバー(小説サイズ)が古くなってしまったので、少し前にそのカバーを真似て、自分でブックカバーを作りました。

最近紙の本を読んでいなかったので全然使うチャンスがなかったのですが、この自作の「理想のブックカバー」の出番がとうとうやってきました。
このタイプのブックカバーはとても読みやすく、革もかなりこだわって選んだものです。
手触りもよく、まさに私にとって理想のブックカバーです。
さて、『遠い崖』の一巻目の「序章」を読み終えたところなのですが、著者の調査力には本当に驚かされました。
文章も読みやすく、内容はもちろん濃いため、先を読むのが楽しみです。
これと並行して『外交官の見た明治維新』を読み進めようと思います。
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