国際情勢:台湾有事が起きると何が生じるか?(重要)
初めに
夢を見た。2070~80年代の台湾、台北の夢だ。そこは現在の台湾と連続性のある世界線で、台湾は繫栄していた。その夢の中で、不動産に関する営業
として、商談に参加したが、未来の技術が使われていた。(文字数33,697)
周囲は台湾語で、北京語を学んだ当方には、よく分からない感じだったが、なぜか二重音声的に日本語に変換されて、そのうち完全な母語として聞こえてきた。商談の詳細は不明だが、大陸勢力の影は一切なかった。
会議室の中空には、投影された立体映像があり、ビルが映し出され、プレゼンが行われた。3Dのパワポだ。手で拡大縮小できる。未来のITのようだった。終わった後、街に出たが、台北だと分かった。7-11があった。
未来の台湾は存在する。現在の台湾は滅びていない。存続している。中華文明の灯も消えていない。台湾の民主主義と共にある。少なくとも、未来の台湾に、大陸勢力は上陸していない。見なかった。いないだろう。
そういう意味では、台湾の将来を憂いてはいない。
台湾の未来は明るいだろう。希望はある。
短い夢だったが、半世紀先のパラレル・ワールドを体感した。霊夢だ。こういう夢は時々見る。今回この夢を基点にして、台湾の近未来、台湾有事について語りたい。迫りくる危機は、日本近海が戦場になる事を示している。
理性と霊性、理性の歴史
いや、待て。
ちょっと、待て。
夢に、第三者検証性はないし、
そんな話を持ち出すなら、何でもありになってしまう。
そもそも未来を語る資格なんてあるのか?
ある。
だから語っている。
未来は存在する。認識できる。
一般に、未来とはまだ来ていない時空と、理解されるが、存在していない訳ではない。なぜならば、認識できるものは、存在するからだ。
τὸ γὰρ αὐτὸ νοεῖν ἐστὶν τε καὶ εἶναι.
なぜならば、思惟する事と存在する事は、同一だからだ。
今さらパルメニデス(BC520~BC450)
の話をして、煙に巻くつもりはない。
本当の事を話しているつもりだ。
存在と認識はイコールだ。
そして世界は因果律でできているから、
正しく原因と結果を見通せれば、
過去も未来も等しく存在する。
未来は時間軸であって、時間軸でない。
原因と結果の輪の中の一点に過ぎない。
だから流れが逆になれば、
未来は過去に変わり、過去は未来になる。
相対的なものだ。絶対的ではない。
原因から結果へ、
または結果から原因へ、
円環としてぐるぐる廻っている。
善因善果、悪因悪果というが、
前者であれば、円環は上昇し、
後者であれば、円環は下降する。
運命、カルマとも言う。
メビウスの輪のように浮沈する。
因果律という輪・円環だけが絶対的だ。
ここから時間と空間が発生している。
縁だ。物語が綴られる。歴史が生まれる。
地球という霊界が発生している。
地球は、火星や金星と違って、自然があるから、
霊が存在して、天地循環、転生輪廻する。
自然がない惑星では、歴史は生まれない。
天地循環・転生輪廻ができないからだ。
ヘーゲル(1770~1831)ではないが、歴史とは神が綴る物語だ。世界精神が舞い踊る神の庭だ。シェリング(1775~1854)の言葉も借よう。
Die Natur ist der sichtbare Geist, der Geist ist die unsichtbare Natur.
自然とは見える精神であり、精神は見えない自然である。
インド的に言えば、ブラフマンとアートマンは一体である。
世界、いや、惑星という神の庭で、自然と精神の合一が起きる時、歴史が生じる。神の物語が綴られている。そこには教導的悪さえ登場する。
一体何を言っているのか?
何度も言うが、抽象的な事を言って、
議論を煙で巻いているつもりはない。
話の全体を見れば、少なくとも、
原因・結果が分かり、
論理が存在する事は分かる筈。
そして論理が存在すれば、認識が生まれる。
つまり、存在だ。あるのだ。
現代ではこのような議論を空虚な言葉遊びと扱い、理解を拒絶して19世紀風の形而上学と嗤う向きもある。だが真実はそうではない。空理空論ではない。あえて言おう。霊的なものは現実的であり、現実的なものは霊的だ。
ヘーゲルはかつて『法の哲学』の序文でこう言った。
Was vernünftig ist, das ist wirklich ; und was wirklich ist, das ist vernünftig.
理性的なものは現実的であり、現実的なものは理性的である。
この発言は現代人を誤解させる。
人間存在を現実世界だけに留めてしまう。
反ってヘーゲルが言う絶対知から人類を遠ざけた。
霊的世界はあるし、それは理性や現実の世界ではない。
現実の世界とは、実験環境で、仮の世界に過ぎない。
霊的世界こそが、本番環境で、本当の世界だ。
一方の世界しか捉えない今のサイエンスの方が空理空論に近づいている。命のない空っぽなガラクタを、一生懸命変換して抽出している。世界をデータだと思っているから、AIが神になる。
そこで人間は観測者と言う名の傍観者に過ぎない。
AIが特異点を超える?それが一体何だと言うのか?
AIは人を超える?馬鹿馬鹿しい。それこそ空想で妄想だ。
AIは生命体ではないし、霊でもない。
命のない空っぽなデータの集合体、ガラクタだ。
こんなおもちゃに遊ばれてはいけない。
データはどう変換しても、データだ。霊ではない。
霊でないものに実体はない。こんなものは影に過ぎない。
こんなおもちゃに夢中になる地球人類の方があどけない。
AIこそ新世界の神だと説く者が現われたら、
それは真実の世界を見た事がない者が説く妄言だ。
だが大陸では、AI監視型の社会が構築されつつある。
夢を基点においたこの議論が、
本当に信用に値するかどうかは、因果の輪、
論理の全体を見て判断してもらいたい。
認識できるものは存在するのだ。
だが資格がなかったら、そもそも台湾の未来の夢など見ないだろう。こういう夢を見たという事に意味はある。つまり、語れという事だ。
所謂、夢のお告げという奴だ。
霊験あらたか?だ。
ヴィジョンというのは、常にどこか、永遠の一点を示すものであるが、全体を俯瞰するものである。これが見えた時、全体像も徐々に分かって来る。
それを語れという事だ。
でも一体誰が許可を出しているのか?
それは分からない。
だが勝手に語っている訳でもない。
霊天上界の偉い人が、条件の合う者にテキトーに割り振ったのだろう。霊感があって、大陸に縁があって、複数の外国語ができて、国際情勢・世界史に強い人。だから当方以外で、似た夢をキャッチしている可能性はある。
だがとりあえず、
当方に白羽の矢が立ったので、
台湾有事について語る。
この記事は当然の事ながら、所謂「学術的な査読を経たもの」ではないので、世の常識と照らし合わせて、各自真剣に受け止めてもらいたい。
横浜の国公立の大学院に行けば、当方のアリストレス(BC384~BC322)の論文はまだ残っている。あまり深く踏み込まなかったが、そういう世界にもいた事もある。
最近、地上の学問に興味が薄れてきて、所謂「学術的な査読を経たもの」ではないものばかり目を通している。そっちの方に真理があると思うからだ。この世の学問の多くは、ほとんど間違っているが、たまに役に立つ。
基本的に学問は、霊感、インスピレーションに導かれていないと本物とは言えない。「学術的な査読を経たもの」は、地上的な作業でしかない。そんなものは霊威がないし、本当の権威は天から来るものだ。地上ではない。
勿論、今生きている人で、優れた学者はいる。経済の分野で言えば、アメリカ人のアーサー・ラッファー(1940~)がそうだし、社会の分野で言えば、フランス人のエマニュエル・トッド(1951~)がそうだろう。
もう亡くなったが、歴史の分野で言えば、イギリス人のアーノルド・トインビー(1889~1975)がいる。この人の学問は地上のそれではない。部分的に天上界の学問と言える。それくらい大胆で、インスピレーショナブルだ。
The Saviour with the Time Machine
救世主はタイム・マシンと共に
このThe Saviourは文脈上、イエス・キリストを指しているが、トインビーは世界の秘密を見抜いている。そうでもないと、こんな言葉は出て来ない。これが彼の歴史学の結論の一つだ。凡百の学者と見ている世界が違う。
トインビーの『A STUDY OF HISTORY』は本当に面白い。信長・秀吉・家康も出て来るし、映画やアニメ、漫画、サブカルチャーでよく使う単語も出て来る。未来文化のGate Wayみたいな展望が開けている。一体何者か?
本来、学問もビジョンに基づいている。アインシュタイン(1879~1955)が、特殊相対性理論の端緒をつけたのも夢の中だったと聞く。昔の人でも、ローマのマルクス・トゥッリウス・キケロ(BC106~BC43)もそうだ。
『スキーピオーの夢』という著作では、亡きアフリカーヌスを夢の中に立たせて、徳を説きながら、部分的ではあるが、地球霊界の天上界と地獄界の様相を描いてみせた。キリスト教以前の著作では、これが最も壮大だ。
キケロはどちらかと言うと政治家かな?と思うが、現実世界の行動でも、アウグストゥスがローマ内戦を終わらせ、次の支配者になるという夢を見て、それに合わせた行動をしている。理不尽だったが、天命には従った。
当方、西側世界に強く、西洋的に見えるが、過去世のビジョンを見ると、東洋、特に大陸に生まれて、中国仏教も学んでいる。そういう意味では、単純に英語・フランス語、古典ギリシャ語・ラテン語の人ではない。
現実世界、地上では、西洋文明が圧倒的で、東洋世界は古くて隅っこに追いやられた感はあるが、霊界、天上界では、圧倒的に東洋世界が強く、西洋文明は新しくて、新参者という扱いだ。全くトレンドではない。
ここ数百年、アングロ・サクソンが地球最強の文明として、広がっているが、次の文明の鍵は東洋世界にあると思う。神秘性が強く、奥深い世界観は東洋の方がはるかに豊かだ。西洋はエジプトの神秘が途絶えて久しい。
エジプトの神秘の奥には、アトランティスの記憶が眠っている。
球根植物と照明装置を繋げて、現代の電球に相当する技術を描いた壁画が残っている。この装置は植物が発芽するエネルギーを取り出して、光に変換している。この技術は失われたが、エジプトに伝説として伝わった。
西洋文明は、系譜的に、アトランティスと繋がっているが、理性を基点として置いた点で、非常に似通った運命を辿っている。そして今、破滅的な終末を迎えようとしている。AIは決して、ブレイクスルーではない。
だから東洋にも目を向けないといけないし、台湾はキーと言える。今や大陸は完全に無神論・唯物論に飲み込まれ、一党独裁を掲げている。それに対して、台湾は中華文明を保存し、複数政党の議会制民主主義を保っている。
あと当方は北京語も学び、大陸ウォッチャーとして、目を光らせている。だから国際情勢の一環として、北京語の記事や動画ニュースも見る。英語やフランス語の動画ニュースよりは頻度は落ちるが、継続して見ている。
だから大陸について、言える事はある。
しかし最近、こんな事を言っている。
七是加強媒体、智庫交流合作、在双辺関係中発揮積極作用、着力改善民意和輿論環境。支持双方開展新媒体交流合作、鼓励両国正能量網絡創作者相互交流。
第七に、メディアとシンクタンクの交流を強化し、両国関係において積極的な役割を果たし、世論と世論環境の改善に努める。双方が新たなメディア分野で交流を展開することを支持し、両国の積極的なネットワーク構築者の相互交流を奨励する。
上記引用については、有料ページで述べる。
ここまで読んで、在り得ないと思った人はバックを推奨する。読んでも時間の無駄だろう。お互い嫌な思いをする。信じられなくても、ただ情報収集したい人もいるかも知れない。それは構わない。どうぞご自由に。
最後の有料ページは、全体の1割である。重要な9割は公開している。シャドウ・バンを避けるためだ。今回は喫茶室ルノアールでコーヒーが飲める値段を設定した。茶飲み話だ。残りたい人だけ読むべし。
この記事は、霊感に満ちた神秘の連続で、所謂「学術的な査読を経たもの」ではないので、期待できる!という方は、肩すかしを食うかもしれない。残存ながら、本篇は、地上の学問に合わせている。だから詰まらない。
日本の危機と台湾の未来について語りたいだけだ。だが地上の学問をやっている人から見て『The open society and its enemies』のまさにその敵と判定されるだろう。構うものか。死んだら、どっちが地獄行きか、競争だ。
最近、アメリカ人、フランス人、日本人の国際法の学者なる人物がよくモニターに映し出されて、専門家風に喋っているが、結局答えがない。立場を明確にしたら、後で責任を取らされるから、決して言わないのだ。
専門家なんて要らないだろう。これがプロで、金を取り、結局どっちが正しいのか明確にしないで、議論を煙に巻く。詐欺だろう。助言できない専門家など意味がない。あるいはその時々で意見をコロコロ変える。日和見だ。
国際情勢、国際政治を見ていて、こういう議論は不愉快極まりないと思うので、明確に方向性を選べる議論をしたい。警告・助言と言える内容を持つ議論だ。だから世の中からも、そういう意見を選んで、解説する。
なので、議論の詳細は地上的で、極めて現実的だ。だから一部の神秘好きな人から見たら、詰まらない内容だろう。だがこれは国際情勢の話で、台湾有事の話なので、当たり前の話だ。それでも、議論の背景としては残る。
もう一度言おう。
霊的なものは現実的であり、現実的なものは霊的だ。
Spirituell ist wirklich, und Wirklich ist spirituell.
現実的な人間は、霊的にならなければならないし、
霊的な人間は、現実的にならなければならない。
殆どの人は現実的で、霊的ではない。
霊的な人も少数いるが、あまり現実的ではない。
どちら一方ではダメなのだ。世界を二分する。
現実的かつ霊的、霊的かつ現実的でないと、
世界をこの手で掴めない。
確かに矛盾している。
だがこの矛盾こそ大きな力を得る契機となる。
右手に炎の魔術を出し、左手に氷の魔術を出して、
互いに矛盾する力を合わせると大きな爆発が起きる。
常識では氷と炎を掛け合わせる事はできない。
だが方法はあるのだ。矛盾こそ力の源だ。制御せよ。
これは常識を超えるための奥義、秘儀の一つだ。
矛盾が深ければ、深い程、その人は大きくなれる。
だが矛盾を乗り越えられなければ、転落あるのみ。
厳しい。とても厳しい世界がそこにある。修行だ。
だから多くの人は、どちらか片方の世界に留まる。
だがどちらか一方では、世界は二分されたままになる。
現実的な世界、霊的な世界だ。
理性だけの世界は19世紀、20世紀でもう十分だろう。
20世紀がどれだけ残酷だったか、見ての通りだ。
19世紀、理性は暴力革命を生み出した。
20世紀、理性は核兵器を生み出した。
21世紀、理性はAIを生み出した。
AIは出現したばかりだが、そのうち問題を起すだろう。理性で作ったものは、使い方を誤ると人を傷つけるからだ。勿論、理性で作ったもの全てが誤りという訳ではない。正しい使い方もある。以下に対応関係を示す。
暴力革命(フランス革命)⇔易姓革命(名誉革命・アメリカ独立戦争)
核兵器(原子爆弾・水爆)⇔原子力(原子力発電所)
間違ったAIの使い方(?)⇔正しいAIの使い方(?)
では理性の歴史は、どこから始まったのか?
一つの基点として、アイザック・ニュートン(1642~1727)の『プリキピア・マテマティカ』がある。そしてこれを補完するイマヌエル・カント(1724~1804)の『純粋理性批判』も現れた。この二書はセットだ。
17世紀、理性は万有引力を発見し、世界を時間と空間で区切った。
18世紀、理性は現象界と物自体界を分けて、学問から永遠を追放した。
永遠が追放された結果、定量的な世界観が構築され始め、仮想と現実という区分も生じる。観測者という視点も導入されるが、観測者に霊感はない。だから見えないものは存在しないという扱いになる。永遠は観測されない。
永遠なるものが分からない閉ざされた箱庭で、観測者は右手に時計を持ち、左手に測定器を持っている。そして冷たくて鋭い理性によって支配され、時には怜悧な刃さえ振るう。それが正しいと理性で判断するからだ。
だが観測者は気が付いていない。
少しずつ狂っている事に。
少しずつ残酷になっている事に。
ニュートンの絶対時間、絶対空間、カントの物自体界、現象界という古典物理の世界観がアインシュタインの相対性理論によって変化しても、時空が歪むという事が分かっただけで、大きな差異はない。まだ理性の範囲内だ。
ニュートンとカントは、結果的に人類を神仏の世界から遠ざけた。だから王権神授説とか在り得ないと考えて、王様をギロチンにかけるようになった。この残酷な判断は理性的で現実的と考えられ推し進められた。革命だ。
もう一度、整理しよう。
17世紀、理性は万有引力を発見し、世界を時間と空間で区切った。
18世紀、理性は現象界と物自体界を分けて、永遠を学問から追放した。
19世紀、理性は暴力革命を生み出した。
20世紀、理性は核兵器を生み出した。
21世紀、理性はAIを生み出した。
理性は、人間の判断力や、仕事能力を司る重要な機能だが、理性ばかり鍛えていると、バランスを欠いて必ず暴走する。理性の間違った使い方に走る。人類は過去何度か、理性信仰に陥って、文明滅亡を経験している。
10,000年前のアトランティス文明は、ロケットを使わない、環境に優しい技術で、宇宙まで行った。惑星間航行、太陽系の火星・金星は探検している。だが現代文明は、ロケットを使って、環境を痛めながら、月に行く。
どちらが優れているか?という議論はさておき、どちらも誤った理性信仰に陥り、アトランティスは滅亡し、現代文明も同じ道に入りつつある。だが一体何を根拠に、そんな事を言っているのか?と思うかもしれない。
一つだけヒント、秘密を明かすならば、フランス革命の最終局面は、ミニ・アトランティスか、アトランティスのカリカチュアである。10,000年前もロベスピエール(1758~1794)と似た男が現われて、王国を乗っ取った。
アトランティスの最終局面では理神論が流行った。理性こそ神であるという考え方で、ロベスピエールがフランス革命でやった理性の崇拝と同じだ。理性の祭典、理性宗教を立てた。そして必ず恐怖政治に陥る。
なぜこんな事が言えるのか?
ソースはどこからなのか?
アトランティスの情報は、天上界の図書館にある。夢で本を読んで、印象を持ち帰る事はできても、詳細は持ち帰れない。固有名詞とか、どうしても忘れる。だが概要は持ち帰れる。覚えている。今、それを伝えている。
天界の本と言っても、地上の本とは異なる。ページを開いても、こちらの権限が低ければ、認識が阻害されて、文字が読めない。黒塗り、伏字、ぼやけた感じに見える。最初はその時代の文字が見えて、次第に母語に変わる。
本を読み始めると挿絵がある。いや、挿絵というか、その時代に通じた窓だ。挿絵の世界を覗ける。体感できる。その事件を真近で体験できる。だから本というより、総合的な記憶媒体になっている。これが天界の本だ。
天界では、記憶と記録の区分が曖昧だ。一体誰の記憶なのか分からないが、権限が許されれば、閲覧する事はできる。記憶と記録が一つの対象として、天界の書庫、図書館にアーカイブされている。記憶こそ価値だ。
人によって、明かされる秘密は異なる。権限のようなものがあり、たとえ自分の秘密であったとしても、権限が満たされなければ、決して明かされる事はない。天界は秘密だらけで、セキュリティが固い。認識力が全てだ。
認識力が高ければ、ハッキングのように、秘密の壁を崩せる。ただ隠された真実を知ったからと言って、幸せになるとは限らない。知らない方が良かったと後悔する事もある。例えば、自分が誰を殺したとか知りたくない。
天界には故郷があり、自分が生活した部屋がある。机には秘密の日記帳が置かれていて、自分の全記録がある。だが始まりの章とか読もうとしても、ロックがかかっていて開けない。ていうか、最近の日記しか読めない。
フランス人、イギリス人、中国人、ローマ人、ギリシャ人、インド人。いや、それは知っている。もっと前の記録が知りたい。だがこの日記は未来の事も書かれている。カナダ人、女転する。街角に立つ女。知りたくない。
天国地獄、あの世この世と言っても、いや、分からないという人も多いかも知れない。だが我々は日々、夜見る夢の中で、あの世を見ているのだ。天国地獄を体験しているのだ。要は持ち帰れる情報が多いか少ないかである。
霊的に覚醒している人だと、夢で体験した事の持ち帰り率が高い。勿論、一般人でも夢をよく覚えている事はあり、不思議な体験をしたなという事はある。そんな特別な事ではないのだ。だから昔の人はよく夢見判定をした。
今でもお迎えが近い老人を見ていると、よく分かる事がある。夜、彼らもしくは彼女らが寝ていると、寝言であの世の実況中継を始める事がある。歳を取り、お迎えが近く、理性が下がっているので、こういう事が起きる。
老人の寝言は長く、ストーリー性もあり、あの世の様子がよく分かる。ただ、大した世界ではなく、日本霊界の一般的な風景や生活だ。それでも壊れたラジオのように垂れ流される寝言を聞いていると、不思議さは出て来る。
人間、歳を取ると理性が壊れてくるので、霊性が前面に押し出されて来る。死ぬ前になると家の屋根から人魂が飛んだりする。ソクラテス(BC470~BC399)ではないが死ぬ練習をしているのだ。夢とは死後の世界である。
人は死ぬ時、意識が底に沈んで行き、夢の世界と繋がり、そのまま帰って来ない。だが実際は殆どそうならず、病室の近くを霊として漂っている事が多い。そしてどうしていいか分からなくて困る。霊を知らないからだ。
霊を知るためには、まず瞑想をするのが良い。
瞑想とは理性を下げて、霊性を前に出す作業に他ならない。読書も大事だが、理性ばかり鍛えてもよくない。瞑想して何も得られないと思っても、やる価値はある。できる限り理性を下げて、霊性を探る事はとても大事だ。
あまりやり方が分からなくても、継続的に瞑想を試みていれば、夢で持ち帰れる情報の質と量は上がる。今、我々に本当に必要な情報は、あの世の情報である。世界の仕組みが分からなくては、知識も何もない。
そういう意味では、この世の知識人、大学の教授とか、研究者とか、その全てではないが、哀れな人が多い。まるで何も分かっていない。だから死んだらほぼ迷う。理性が高過ぎるからだ。もっと理性を下げないといけない。
勿論、一般的には社会人として理性が高い方が、仕事もできるし、収入も得られるだろう。だが理性だけではダメなのだ。昔、福沢諭吉(1835~1901)が『學問ノスヽメ』を書いたが、当方なら逆だ。霊性のすすめを書く。
話が逸れた。理性の話に戻る。AIの話に戻る。
21世紀、AIは神だと言って、ロベスピエールをやらかす者は出るかもしれない。形を変えた理性宗教であり、理性に対する盲目的な信仰だ。スケールは小さいが、もしかしたら白い犬グループの総帥は該当するかもしれない。
AIは万能だからと言って、社会の管理を任せる。
AIによる恐怖政治は在り得るだろう。
大陸の管理社会はそれに近い。
過てる理性信仰の最たるものだ。
だが理性は、暴力革命を産み、核兵器さえ作る。
霊性で緩和されない世界は、世界大戦へと驀進する。
それが20世紀の歴史であり、21世紀もそうなる可能性がある。
現時点でも四つの核戦争のリスクがある。
1.ロシア・ウクライナ戦争(ロシアに核兵器あり)
2.イラン・イスラエル戦争(イスラエルに核兵器あり)
3.インド・パキスタン戦争(停戦中だが、両国に核兵器あり)
4.台湾有事(当該記事、両国に核兵器あり)
これらは同時多発する可能性があり、これだけ戦争が起きていれば、それは世界大戦と言っても過言ではない。これら四つのリスクで、核戦争なしで済ませる事は極めて困難と思われる。2027年前後が最も危険だろう。
最近、周囲で核戦争の夢やビジョンを見ている人が多くなってきた。世界線として、避けられない感じが出て来た。どのパターンでも核戦争は在り得そうだ。だが当方はまだ核戦争の夢を見ていない。人類希望の夢が見たい。
アメリカのトランプ大統領は頑張るだろう。戦争阻止に動くと思われる。実際、インド・パキスタン戦争は開戦四日目で止めた。これは彼の功績だろう。戦争も初期段階で止めれば、治まる事を証明している。
だがトランプ大統領も万能ではないし、ロシア・ウクライナ戦争は止められていない。任期の問題もある。だが彼は戦争が本当によくない事だと理解している。だから一期目の退任時に、戦争を起こさなかった事を自慢した。
戦争は殺人であるからよくないし、突然死、横死が多発する。不条理な死、納得ができない人生の中断だ。眼に見える現象としては、死体製造の過程でしかないが、目に見えない世界では、もっと恐ろしい事が起きている。
戦争がよくないのは大量の不成仏霊を発生させるからだ。特に核戦争となれば一瞬で大量の人が、自らの死に気づかないまま肉体を蒸発させる。こんな事が起きて、迷わない人はいない。死後、大量の黒い影が地上を彷徨う。
厄介な事に、理性的に推理して、死後の世界があると証明できた人はいない。だから皮肉な話だが、理性的な人ほど死後迷う。これは現実的ではないと考え、受け入れられないからだ。完璧に、トータルに迷う。不成仏だ。
だからヘーゲルの言葉、理性的なものは現実的で、現実的なものは理性的は問題なのだ。人類を間違った方向に導く。少なくても、死後の世界で全く通用しない言葉だ。だから理性だけではいけないのだ。霊性も必要だ。
たとえ見えなくても、不成仏霊が大量に発生したら、どうなるのか?これは本当に恐るべき事である。理性的な人は霊感がなく、幽霊なんて見えないので、全く気にしないで、平気で理性的かつ現実的な判断をする。残酷だ。
例えば、今我々が目撃しているジェノサイド、ガザ地区の空爆、テヘランの空爆は、イスラエルの首相によって齎された。彼は極めて理性的で、いつも非常にスマートな理屈を述べている。そして誰よりも残酷だ。
だからイスラエルの首相の言う事に従えば、理性の名の下、あらゆる暴力が正当化されていく。そしてどんなに残酷な結果が生じても、平気で正当化され、これは現実的かつ、正しい判断だったとされる。愛も許しもない。
2023年10月7日の事件が起きる半年くらい前から、イスラエルについて、どうしても重苦しい気分に襲われ、あの首相は何かとんでもない事をやらかすと考えて、記事で徹底的に叩いたが、結果的に足りなかったようだ。
理性的な人間が、霊性を無視した時、どれだけ危険なのか、いい加減、人類は悟るべきである。理性だけでは人とは言えない。人間の要件を満たしていない。理性だけの人は人間失格である。愛がない。残酷だ。
ウクライナの大統領も、イスラエルの首相とよく似ている。極めて理性的で、物事を正当化する理屈をよく思いつく。そして勝てば官軍ではないが、不意打ち、スネーク・アタックを好む。これが理性的人間の正体だ。
こう言った事が積み重なっていくと、どこかで地が割れて、人が飲み込まれる。大陸沈没だ。だから戦争を起こす理性好きは、もうやめた方がいい。大体、戦争を起こす人は理屈ばかり述べている。残酷で愛がない。
愛がないところに、霊もまたない。霊があると分かれば、悲しみから愛も出て来る筈だが、現代人は平均的に理性的で現実的である。そして残酷な決断を正しいとさえ考える。一体どれだけ神仏の心から離れているのか?
まずお互いを理解し合うためにはまず文化文明を知り、歴史の理解が必要だ。だがお互いを理解し合うために理性だけでは不十分だ。お互いを理解し合うためには愛が必要だ。これは霊性や悟りに属する。理性ではない。
だから仏陀やイエス・キリストのような存在が現われ、地上で教えを説いて、高等宗教と文明を造る。これはトインビーの歴史観と一致している。彼は歴史の研究対象は、高等宗教と文明だと言っている。理性ではない。
理性を中心に据えた西洋哲学は根本的に間違っていると、ハイデガー(1889~1976)も人生の途中で悟った。だから『Beiträge zur Philosophie(哲学への寄与論考』)』1936を書いた。最後の神の到来について語っている。
人間理性の断罪はこれくらいでいいだろう。
カントの『純粋理性批判』は本棚の奥にしまおう。
カントが「単なる理性の限界内としての宗教」というテーゼを立てた時、色々狂い始めたと思う。それ自体は彼の思考実験に過ぎなかったが、このテーゼに魅せれられた人が後を絶たず、左翼の暴力革命の基点となった。
カントは1804年に亡くなっている。
フランス革命をどう見たのか?黙して語らない。
ジャン・ジャック・ルソー(1712~1778)のせいにするのか?
ルソーは、どういう訳か、他人とは思えない程、近くに感じる事がある。だが彼の著作を全て読んでも、当方は左翼にはならなかった。世間的には左翼の大元みたいに言われるが、彼の真意は別だ。彼は誤解されている。
Tout est dans un flux continuel sur la terre : rien n’y garde une forme constante et arrêtée, et nos affections qui s’attachent aux choses extérieures passent et changent nécessairement comme elles.
地上における全てのものは絶えざる流れの中にある。
そこではなにものも一定の形を取って留まる事もなく、
外界のものどもに執着する我々の情念も移り変わり、
外界のものどもと同じように、必然的に変わって行く。
ルソーも理性の人と言われるが、そうではない。霊性の人だ。
第五の散歩のこの前後は、美しいフランス語の名文が続く。
冗談で以下も引用しよう。
万物は流転するのヘラクレイトス(BC540~BC480)か?
ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。
教育論を書いたのに子供を孤児院に入れた事で、後世批判されているが、ルソーの秘密を知れば、この行動も納得が行く。生前そこまで分かっていたなら、間違いなく霊感はあった。そうでないとこの行動は説明がつかない。
余談となるが、それにしても、フランス語はホント役に立たない。小説を書くためには必要な言葉だが、思想となると、どうしてもドイツ語が出て来る。そして古典ギリシャ語だ。ギリシャ哲学とドイツ観念論があるからだ。
ドイツ観念論では、シェリングが好きだ。手を伸ばせば、シェリングの哲学は届きそうな感じがする。ヘーゲルは無理だ。届かない。シェリングの『我が体系の叙述』とか『人間的自由の本質』とかよく分かる。
ドイツ観念論は西洋文明の仕様書めいたドキュメントだ。理性の歴史そのものが現われている。そしてこれがマルクス主義に化けて、大陸に渡り、東洋世界、ひいては全世界を揺るがすものとなった。追及せざるを得ない。
人類の神秘、東洋世界を破壊しかねないのが、今の大陸勢力の脅威なのだ。その大元の思想が西洋文明から出て来た以上、西寄りの当方としては、多少の責任を感じなくもない。だからここまで理性を叩いた。
今、地上に生きている人間で、ここまで理性を徹底的に批判した人はいないかもしれない。現代は理性の時代であり、霊性を叫ぶ事は、ガリレオ・ガリレイ(1564~1642)の逆バージョンとなる。だがこれこそ逆転の始まりだ。
前置きが壮大になってしまった。
だが今の大陸勢力が、どれだけ理性的で、
どれだけ現実的か、知る必要はあった。
詳しくは有料部分で書くが、本篇は台湾有事である。
それでは台湾の話に入る。
台湾有事とは?
台湾有事と言っても、あまりピンと来ない人が多いかも知れない。たとえ台湾が陥落した処で、日本から離れているし、自分と関係ないと考える人が大半なのかも知れない。だからこの問題に対して、世間の関心は低い。
だが一度、台湾有事が起きれば、それは日本にとっても、致命的な事態となる。生活が一変すると言っても過言ではない。多くの日本人が巻き込まれて、かなりの人が亡くなる可能性がある。これはそういう話だ。
日本は海に囲まれ、大陸から切り離されているが、決して有利な事ばかりではない。この海がまさに日本を危機に陥れる。台湾有事は、沖縄に対する核攻撃の脅威と、海上封鎖による貿易途絶の恐怖がある。
最近のロシア・ウクライナ戦争の事例を鑑みれば、戦闘は長期化する可能性がある。緒戦で双方が戦い、互いに目標に達せず、膠着状態になる事は十分在り得る。決着が付かない。これこそが日本を滅亡の瀬戸際に立たせる。
そもそも台湾有事とは何か?
中共による台湾侵攻と定義してよい。
台湾侵攻とは、人民解放軍による台湾着上陸を指す。これに対して、米台日を中心とした勢力が、台湾侵攻阻止に動くと、米中激突となる。その場合、台湾海峡のみならず、日本近海も戦闘海域になる。これが台湾有事だ。
だが台湾有事は起きないかも知れない。大陸トップが実権を失い、張子の虎となっていると指摘されるからだ。序列No.1は去年の夏、脳卒中で意識を失い、数日間の入院中に、その権力を喪失した。軍の人事も手放した。
表面的には、大陸トップは、通常通り外交している。東南アジアを歴訪し、ロシアも行って、対独戦勝80周年記念のパレードを、プーチン大統領と一緒に観ている。だが大陸では報道もされていない。これはおかしい。
華僑系のメディアでは「2442消失了」と言われ、序列1位の名前とお題目が、党の機関紙でも語られなくなった。現在の大陸は、中南海の長老たちが牛耳る集団指導体制のようだ。序列2位の首相が今は前に出ている。
前国家主席の名前で、四中全会で使う原稿が流出した。個人崇拝を止めて、中共は集団指導体制に戻ると言う。公衆の面前で人民大会堂からつまみ出された人物だが、復権したようだ。現職と前職で権力闘争が起きている。
2025/08/27から30に四中全会が北京で開かれ、党の新しい人事が発表され、体制が一新される可能性が高い。現職の2442のお題目が消え、前職の「科学的、民主的、法治的な意思決定」という文言が12年ぶりに並ぶ。
だがその前に北戴河会議がある。夏休み期間中に、長老たちが北戴河に集まって、四中全会に助言する。党の新しい人事はここで決まるだろう。現職の失脚と前職の復帰、あるいは全く新しい指導者の誕生か。
ただ誰がトップでも、党による大陸統一の夢は捨てられない。党が存在する限り、台湾有事は在り得る。党是と見るべきだ。現在の序列1位は、異例の四期目を狙うため、台湾侵攻を考えていたが、事情は変わるだろう。
台湾有事は起きない事に越した事はないが、2027~28年辺りが発生する可能性が高く、それ以降だと資金不足で、かえって大陸も動けなくなる。その場合、大陸で金融のブラックホールが生じて、世界中の富を飲み込む。
これは別テーマとなり、今回詳細を述べないが、世界中で銀行の連鎖倒産が起きる。すでに北京でも、公務員の給与の遅配は起きており、大陸全土で、資金繰りが困難になりつつある。すでに省の破産も起きている。
今回は『台湾有事が起きると何が生じるか?』と題して、以下の2冊の本を取り上げて、解説していきたい。今回は日本語の文献かつ、最近出版された書籍なので、入手しやすい。余裕がある方は購読を推奨する。

言語:日本語
表題:米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘
著者:村野 将
出版社:PHP新書
発行年:2025年2月18日
ページ:234
金額:¥1,100円(2025年3月15日)
読了:2025/04/18

言語:日本語
表題:食料安全保障の研究 襲い来る食料途絶にどう備えるか
著者:山下一仁
出版社:日経BP 日本経済新聞出版
発行年:2024年12月13日
ページ:367
金額:¥2,750円(2025年3月14日)
読了:2025/05/12
要約
先にこの2冊の本の結論から伝えたい。
『米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘』では、台湾有事が起きた場合、アメリカによる先制核攻撃が在り得ると言っている。人民解放軍海軍の上陸艦艇が蝟集している海域に、初手で戦術核を投入すると言う。
理由としては、それが一番合理的で、アメリカ軍の犠牲が少なく、大陸勢力による台湾侵攻を簡単に阻止できるからだと言う。その場合、大陸勢力による報復の核攻撃もあると思うが、それはこの本に書かれていない。
『食料安全保障の研究 襲い来る食料途絶にどう備えるか』では、台湾有事が起きた場合、日本人の大半が餓死する事が在り得ると言っている。現在の食料自給率では二か月で飢餓状態になり、三か月で餓死者が出ると言う。
理由としては、台湾有事が発生すると日本近海が戦闘海域になり、貨物船の船舶保険の適応外となり、日本の港に一切、民間の船は入って来なくなる。そしてエネルギーより先に食料の備蓄が尽きて、令和の大飢饉になる。
どちらの本も衝撃的な内容だが、後者の『食料安全保障の研究』の方が怖い。そして前者の『米中戦争を阻止せよ』では中共が台湾侵攻に失敗して、ロシア・ウクライナ戦争のように長期化する可能性があると言う。
両方の本を読んだ上で、導かれる一つのシナリオとして、大陸が台湾侵攻に失敗して、とりあえず海上封鎖をする。日本近海は戦闘海域となり、全ての民間の貿易が止まる。戦闘状態が長期化して、日本は食料危機を迎える。
またこれは一般的に指摘されている事だが、台湾有事は、半島有事を誘発する可能性が高い。逆もまた然りだが、台湾有事と半島有事は連動性があり、どちらにとっても、米軍を惹き付ける絶好の囮になる。
『米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘』
『米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘』から見ていこう。
「ウクライナ侵攻のわずか数日前に結ばれた中国とロシアの『無制限』のパートナーシップは、いまやイランや北朝鮮との軍事的・経済的パートナーシップを含むまでに深化・拡大している。この新たな連携は、どこであれ紛争が多国間戦争や世界規模の戦争に発展する現実的なリスクを生み出している」
この文章は、元々2024年のアメリカ国防戦略委員会の報告書から引用している。著者は「同時多発的な紛争リスクの顕在化」と名付けている。そしてアメリカがロシアと大陸を同時に相手にするのは困難だと説く。
これはその通りだろう。今のアメリカは一正面作戦しかできない。冷戦期の様に二正面作戦は組めない。戦力が足りないというより、アメリカと他の国の国力の差が縮まっている。80年代、日米だけで世界の6割と言われた。
だが現在、アメリカの力は相対的に弱まり、大陸の二大勢力を中心とした同盟が、北朝鮮、イラン、パキスタンなどを集めて、反米・反欧州で結束しつつある。そしてインドが、どちらの陣営に就くのか、綱引きされている。
そしてインドがどっちの陣営に就くかで世界の未来は変わる。
インドは核兵器を持ち、通常戦力も多く、人口も世界最大で、経済力も伸びている。党の仮想敵国で、できれば、大陸同盟に引き込みたい。だがインドとは国境紛争があり、仲が悪い。西側に就くだろう。
「中国の台湾統一には大規模着上陸作戦が不可欠」
「人民解放軍が想定する台湾侵攻作戦は、おおまかに(1)封鎖およびミサイル・航空攻撃、(2)着上陸侵攻、(3)台湾内部での戦闘という3段階に分けられる」
着上陸作戦の成功には、航空優勢を確保したうえで、防御側を凌駕する地上戦闘部隊を迅速に集結させ、防御側よりも断続的に上陸地点に送り込むための兵站を整えるという3つの条件を揃えなければならない。
だが、着上陸に適した海岸線は台湾の約10%しかないとされる。
ここから先は、War Gameのシュミレーションとなる。アメリカ軍は台湾有事に備えて、図上演習をやっているが、最近日本もやり始めた。その結果はネットで公開されているが、著者は要約して以下の事を述べた。
米戦略国際問題研究所(CSIS)が行ったウォーゲームでは、中国は24通りの侵攻シナリオのうちほぼすべてにおいて台湾の制圧に失敗しているが、そのなかで唯一制圧に成功したシナリオの前提状況は「日本が米国に対して、在日米軍基地の使用を認めない」というものであった。
これは馬鹿げた想定だが、在り得ない話じゃない。ただアメリカも実力行使して、日本の阻止を振り切ってでも出撃するだろう。その場合、日米の連携は最悪になり、台湾有事にアメリカだけで参戦する事になる。
一体どういう状況なら、日本がアメリカに対して、在日米軍基地の使用を認めないと言うのか?そもそも日本は、そんな事を言えるのか?その場合、日米安保はどうなるのか?機能するのか?それとも破棄されるのか?
その状況は日本が危機に晒された時だろう。特に在日米軍基地が動く事が、日本の危機に繋がる場合だ。一つは中共が核で脅した時、二つは半島有事が起きた時、三つは極東ロシア軍が北海道に侵攻した時だ。
在日米軍は基地に釘付けになり、台湾有事に対応できない。というのは、上記三つが起きた時、日本としては、米軍が台湾に向かって貰っては困る。日本の防衛が手薄になる。だから基地の使用を認めないは在り得る。
ただ上記三点が起きなければ、日本がアメリカ軍に基地を使うなという理由はない。そもそも米軍基地はアメリカのものである。日本が政治力を効かせて、止めようとした処で、アメリカが言う事を聞くとは思えない。
ここから読み取れる事は、日米が連携すれば必ず、大陸の台湾侵攻は阻止できる。だが大陸が核で脅した時、半島有事が起きた時、極東ロシア軍が北海道に侵攻した時だけ、日米は連携が取れなくなり大陸の台湾侵攻を許す。
逆を言えば、大陸は単独で、台湾侵攻を成功させられない。やるなら、必ず、党が核で脅す事、半島有事が起きる事、極東ロシア軍が北海道に侵攻する事のいずれかが揃わないと、大陸勢力は日米に勝てない。
さらに言えば、先に党が核で脅した時、半島有事が起きた時、極東ロシア軍が北海道に侵攻した時が来たら、台湾侵攻のシグナルと見るべきだ。大陸にとっては絶好のチャンスで、日米の連携を割いて、台湾を取れる。
もう少し踏み込めば、大陸による台湾侵攻は、党が核で脅すか、半島有事か、北海道侵攻が起きない限り、勝ち目が薄いので、上記三つが起きないようにすれば、自然と大陸勢力も動けず、台湾有事は起きない。
半島有事が一番厄介で、これはいつ起きるか予測できない。起きた場合、台湾有事と連動し、日米韓台は最悪の時を迎える。だから日米韓台の四ヶ国で、堂々と国際社会の前で会議を開いて、安全保障の話をするべきだ。
なぜか誰も語らないが、日米韓台の四ヶ国は連合が組める。共通の利害は存在する。この四ヶ国が連合を組めば、台湾有事も、半島有事も、北海道侵攻も起きない。党も核で脅せない。脅した処でその先がないからだ。
台湾が大陸に引っ張られて、他の国は台湾と外交できない事になっているが、そんな忖度を中共にして、一体誰が得をするのか?日米韓は堂々と台湾と国交を開けばいい。党は大騒ぎするだろうが、これが一番有効な手だ。
台湾だって、日米韓と国交を開いて、安全保障の話をしたい筈だ。日米韓台の四ヶ国連合が成立すれば、極東アジアは安定する。パワーバランス的に、大陸も北朝鮮もロシアも手が出せなくなる。
日米韓台の四ヶ国連合を成立させるには、政治家の勇気が要る。幕末の薩長同盟成立並みの胆力が要る。だがアメリカにトランプ大統領がいる限り、成立のチャンスはある。あとは日韓にそういう男が出るかどうかだ。
現在の政治状況、軍事力で台湾侵攻を阻止すると以下になる。
長距離精密誘導兵器や防空ミサイルが枯渇した状態で台湾侵攻を阻止しようとすれば、日本は紛争の初期段階で遠方に退避させていた虎の子の兵器(米空母やF-35Bを搭載できるように改修したいずも型護衛艦など)を、決死の覚悟で中国の対艦弾道ミサイル(ASBM)や対艦巡航ミサイルの射程圏内に進出させて攻撃を強行せざるを得なくなる。その結果、最も可能性の高いペースシナリオで米軍は艦艇17隻、戦闘機270機、自衛隊は艦艇26隻、戦闘機112機を損失するとの分析がなされている。
これが台湾侵攻を日米台で阻止した場合、想定される犠牲である。ちなみに米軍は艦艇17隻損失とあるが、米空母2隻を含んでいる。10万トンの原子力空母を2隻も沈められるのだ。この代償はあまりに大きい。
米国とNATOがウクライナ戦争に直接介入するといった展開がない限り、台湾有事は、史上初めての2つの核大国が高烈度の戦闘を経験する可能性が最も高い紛争である。
こんな事になる前に、日米韓台で四ヶ国連合を組むのがベストだろう。
だが現実では、四ヶ国連合は成立せず、別の手が打たれるかも知れない。
台湾沖に集結して上陸準備を整えている中国の水陸両用部隊に対し、先制的な低出力核攻撃を行うというオプションである。水陸両用部隊に壊滅的な打撃を与えられれば、台湾全土を制圧するという中国の戦略目標の達成をほぼ不可能にできる。
これは危険な誘惑である。だがトランプ大統領は核を使わないだろう。報復が必ずあるので、予測不可能な事態は避けるだろう。ペンタゴンは政治を考えず、純軍事的なオプションとして、大統領に提案はするだろう。
台湾有事の時、ドナルド・トランプ以外の者が、アメリカ大統領の場合、ペンタゴンからの純軍事的オプションを、選択する者がいるかも知れないが、その可能性は極めて低いと思われる。
もしアメリカが先制核攻撃で、大陸の上陸部隊を戦場から除去した場合、大陸も報復で核攻撃せざるを得ない。その場合の選択肢は、一つはアメリカ本土に核攻撃、二つはグアムに核攻撃、三つに沖縄に核攻撃だろう。
アメリカ本土に核攻撃はない。それをやると全面核戦争になり、台湾有事どころではなくなる。グアムに核攻撃は可能性としては低いが、在り得る話ではある。一番可能性が高いのは、沖縄に核攻撃だろう。
理由としては、沖縄の米軍基地を破壊できれば、米海軍の後方支援と補給が遮断できる。また核の報復先はアメリカではなく、核の反撃が来ない日本となるので、核兵器による際限のない相互報復にならない利点もある。
極東最大の米軍基地を潰せて、核の反撃は来ないので、最も有効な報復となるが、お互い戦闘も継続できなくなる。お互い核を一回ずつ投下して、戦闘は止まり、台湾有事は長期化し、大陸による海上封鎖が行われる。
戦争というものは、長期化すると、中々停戦できない厄介な事態となる。それはロシア・ウクライナ戦争を見れば明らかだが、台湾有事が長引いた場合も、同様の厄介さはある。多くの日本人に予測できない事態も起きる。
アイゼンハワー大統領はかつて「どんな戦争にもサプライズがある。ひとたび戦争に踏み切れば、何が起こるか予想できることなどない」と述べましたが、同様のことが起きているように見えます。
この引用は、ロシア・ウクライナ戦争を指してそう言っているが、台湾有事にも言える事だろう。当方が考える台湾有事サプライズは、大陸勢力が米空母・米艦隊を沈めるために、核魚雷を使うのではないかという懸念だ。
アメリカが、初手で低出力の戦術核の使用を検討しているように、人民解放軍も、初手で戦術核を投入する事は考えるだろう。ただし、空中投下型だと誰の目にも明らかなので、海中で核爆発させるだろう。隠蔽工作だ。
状況から見て、海中で核を爆発させたと推測できても、見た目すぐに分からないので、核の報復攻撃を免れる可能性がある。ただ津波が起きて、米空母や米艦隊が横倒しになって転覆するか、沈没する。これは有効な手だ。
核魚雷による海中爆発は、人工的な津波を引き起こして、近くの艦隊に壊滅的な損害を与える。対策も取れない。魚雷を艦に命中させる必要もない。何本か魚雷を放ち、本命を隠せばいい。10km先でも有効射程圏内だ。
旧ソ連で核魚雷の開発が進み、実験にも成功している。冷戦期、実際に潜水艦にも配備されたと聞く。恐るべき兵器だ。撃たれたら最後、防ぐ手は何もない。アメリカでも対応はできない。恐らく大陸勢力も持っている。
中国と大規模戦争を戦いながら、通常兵器で中国本土を攻撃する気がまったくないというのであれば、根本的に本気度が欠けています。もしそうなら、我々の努力は最初から失敗に終わるでしょう。
たとえ核兵器を使わなくても、台湾有事は日本人にも覚悟を迫るものだ。大陸本土にも巡航ミサイルを撃ち込まないと阻止できない。日本はアメリカからトマホーク500発を購入予定だが、今前倒しで入手しようとしている。
だがトマホーク500発というのは、戦闘の烈度から言って、二週間ももたずに在庫が枯渇する。日本は独自に巡航ミサイルを製造できるようになる必要があるだろう。敵基地攻撃能力は、抑止力になる。
まず、防御側としては可能性の大小に関係なく、全てのシナリオに備える必要があります。
そのうえで言えば、着上陸作戦より封鎖の可能性の方が高いように思えます。着上陸侵攻は人民解放軍にとって非常にリスクがある作戦であり、沖縄の米軍基地を攻撃して航空優勢を確保し、開戦初期の段階で米国に介入させないようにする必要もあるでしょう。その意味で、中国にとって封鎖による強制は、より簡単でリスクの少ないオプションに見える可能性はあります。
ただ一方で、着上陸侵攻が台湾を実際に支配することを確実にする、唯一の決定的な方法であることも事実です。歴史的に、封鎖だけで国家に主権を放棄させることができた事例を私は知りません。台湾人の意思が特段弱い可能性もあるかもしれませんが、私はそうは思いません。ですから、米国や台湾にとって優先すべきは、やはり着上陸侵攻への備えということになります。

航空優勢と潜水艦戦による勝利が、大陸による台湾着上陸作戦成功の前提条件だ。台湾人も決死の防戦をしなければ、島は簡単に陥落する。幸いな事に、島の大陸側は山があり、上陸できない。南側か裏側に回るしかない。
最短は南側だが、南側から上陸するためには、裏側を抑えないといけない。そうなると西南諸島が足掛かりになる。台湾侵攻時、人民解放軍海軍は、尖閣諸島にも上陸して、橋頭堡を確保する。日中激突は避けられない。

台湾有事の比較的最初のフェーズで、日本の西南諸島で、戦闘が起きる。台湾を落すためには、尖閣諸島から攻略しないといけないからだ。なので、日本は最初から巻き込まれている。覚悟を決めた方がよいだろう。
西南諸島で戦端が開かれたら、この段階で、大陸から上陸部隊が出るだろうから、先に巡航ミサイルで大陸本土を叩いて、港湾施設を破壊するべきだろう。その時の船団の位置はともかく、後続を断つ必要がある。
運が良ければ、上陸部隊に支障を来して、台湾に対する着上陸作戦ができなくなる。米軍と連携するにしても、ここで巡航ミサイルを全弾使い切るくらいの物量で攻めないとダメだ。これが緒戦で言える事だろう。
その後の戦闘の推移は、緒戦の結果によって異なる。米中が海上、海中、上空で激突する。通常戦力の差で、日米が勝つだろうが、犠牲は大きいのは述べた通りだ。だから政治の力で、四ヶ国連合を先に形成するのがよい。
あと他力本願となるが、台湾有事の際、フランス・イギリス・ドイツ・オーストラリアの参戦が在り得る。特にフランスは2024/10/29、フリゲート艦ラファイエットで台湾海峡を通過させた事がある。共に戦う意志がある。
台湾が陥落した場合、次は日本で、緩衝地帯がなくなる。もし日本が大陸勢力に飲み込まれたら、EUとしては大陸に勝てない。パワーバランスが大きく崩れる。だから台湾を死守すべきとEUも考えている。EUの死活問題だ。
フランスは原子力空母シャルル・ド・ゴールを派遣するつもりだ。イギリスも通常動力型空母クイーン・エリザベスを派遣するかもしれない。だが距離の問題で、日米より展開は遅くなる。緒戦が終わった頃、到着する。
このように西側諸国は、大陸勢力による台湾侵攻を許さない。これ以上、大陸勢力が大きくなると、アメリカもEUもパワーバランス的に危なくなると考えているからだ。だから台湾で絶対阻止するという考えを持っている。
コメは日本を救い、高い米価が日本を滅ぼす
次に『食料安全保障の研究』を見よう。コメと小麦の比較からだ。
1粒の小麦は55粒にしかならないのに対し、1粒のコメは400粒にもなる。コメは小麦の7倍以上の生産量を上げる。少ない投入で、より多く生産できる世界に誇るべき”持続的農業”である。
今回、食糧危機の話が一番、日本人にとってクリティカルかもしれない。また現在国内で起きている米騒動の構造的問題も見えてくる。余談だが、この本における1946年日本の食糧危機の詳細な分析は目を惹く。
台湾有事で国民は半年で餓死に直面。
中々ショッキングな見開きだが、台湾有事か半島有事で、日本近海が、戦闘海域と判定されれば、スイスにある船舶保険を司るロイズが保険を止める。そうなると、民間船舶は一切日本に近づけなくなる。
機雷を敷設したという情報を流すだけで、船は航行しなくなる。
船舶保険が適用されない戦闘海域を航行する民間船舶はない。会社でも保険なしの航行はコンプライアンス違反だろうし、船員の安全配慮義務を怠る訳にもいかない。貿易会社は民間人で構成されるからだ。軍人ではない。
海上自衛隊や米海軍の輸送船はOKだ。そもそも保険とか関係ない。無保険で戦闘海域を航行できる。だから有事の際は、軍の輸送船が頼りとなるが、それで日本の食料・エネルギー貿易が賄える訳でもない。
飛行機もあるが、搭載量は微々たるものだ。日本にはアントノフ225ムリーヤみたいな巨人機は存在しない。同機でも運べる搭載量は250トンだ。世界最大の飛行機でも、貨物船の搭載量には敵わない。
台湾有事などでシーレーンが破壊され食料輸入が途絶する場合、今のコメ生産では半年経たないうちに大多数の国民が餓死する。さらに重要なことは、食料が途絶するときは、石油や肥料原料の輸入も途絶する。これらがないと、農業機械、化学肥料や農薬は使えない。どうすればいいのか?
最も重要な政策の方針は、石油・肥料・食料の備蓄と集荷・配給体制の整備、そして国民を飢えから救うための輸出増加をねらいとするコメの生産増加であり、コメ・麦の二毛作の普及だ。そうした政策で自給率を現在の37%から70%以上に高めることができる。
これが著者の要約と言える主張だろう。著者は元農林水産省の役人で、今はキヤノングローバル戦略研究所の上席研究員だ。穀物、特にコメを専門とした政策を研究している。コメに纏わる利権にも詳しい。
この本全体が、コメ全般に関する研究と言っても過言ではない。これを一冊読むと大分コメ事情に詳しくなる。世界における穀物貿易の実態も分かってくる。そこから見えてくる海洋国家日本の危うさは本当に心許ない。
輸入が途絶すると、終戦直後のコメ主体の食生活に戻る。しかし、必要なカロリーの半分くらいしか賄えなかった戦後の配給を実施するだけでも、コメ(玄米)は1,600万トン必要である。ところが、減反政策によって、備蓄などを入れてもその半分の800万トン程度しかコメの国内供給量がない。
現在の農地では、国民に必要なカロリーの半分も供給できない。
毎年700万トンのコメを生産しているわが国で食糧危機が起こり、小麦、トウモロコシ、牛肉などの輸入が途絶したときを考えてみよう。
輸入食料がないので、1,600万トンのコメ生産に必要な種もみや農地を確保できていたと仮定しても、危機が田植え後の6月に起きれば、その年に増産する事はできない。出来秋の生産は700万トンしかない。増産のための作付けは、翌年の5月まで待つしかない。収穫は翌年の9月である。6月から翌年9月までの1年以上の期間を、年間1,600万トン必要なところを700万トンの供給量のペースでしのでいかなければならない。この影響を少しでも緩和しようとすると、十分な供給にはならないが、翌年の6月に収穫できる裏作の麦を復活させるなどの対応が必要となる。
著者はこの危機の解決策の一つとして「国民皆兵」ならぬ「国民皆農」という新語まで、さりげなく導入している。流石に産業構造の問題があり、そんな簡単に事は進まない。だが国民が餓死するよりはましという訳だ。
だが現実は全く反対の方向に向かって進んでいる。日本の農政は、高い米価を維持する事を目的とした政策が採られている。だからコメの生産量を減らす減反政策がある。農家を保護するためだと言うが、ここにウソがある。
農政にはウソだけでなく矛盾も多い。水田を水田として利用するからこそ、水資源の滋養や洪水防止などの多面的機能を発揮できるのに、水田を水田として利用しない減反補助金が50年も支払われている。この矛盾に、国民は気が付かない。コメ生産を維持するには、農家のために米価を維持しなければならないと主張されるが、その手段としてコメ生産を減少させる(減反である)ことは目的と矛盾していないだろうか?
なんと日本は米価維持と称して、コメを減反させているのである。この農政は、台湾有事・半島有事に対して、クリティカルかつ自殺的だろう。だが農政トライアングルと呼ばれる利権団体が長年牛耳っている。動かない。
コメ生産を増産させるためには、農地が必要だが一度住宅地などにしてしまうと簡単に水田に戻せない。またコメは田植えして収穫するまで、半年以上かかる。有事が起きてから、水田を開墾して、田植えでは間に合わない。
コメを収穫するまでの最初の半年を乗り切れないから、日本人の大多数は餓死する計算になると言っているのだ。他の穀物、イモ類もあるが、農地が少なくて、アテにはできないだろう。やはりコメが最大の穀物だ。
これまで、戦後日本の農政は国内市場しか考えてこなかった。コメを増産して輸出すれば、食料自給率を70%に引き上げることは可能である。しかし、農林水産省をはじめとする日本の農業界は、その選択肢を拒否してきた。
可哀想なコメ農家のために、高い米価を維持せよという至上命題が、そうさせてきたが、これが利権の塊で、ウソ・矛盾だらけである事は、令和の米騒動で何となく国民にも浸透してきたのではないだろうか?
余談だが、当方は2024年に、2025年に米騒動が起きると分かっていたので、2024年までにコメを大量に買い込んで備蓄していた。だが考え直して、今は米飯を減らして、一日一食蕎麦を食べている。山形の卯月蕎麦だ。

卯月製麺のHP
https://x.gd/H6I3u
農業界は、1960年の食料自給率70%から今の38%への減少を、食生活の洋風化によるコメ消費の減少のためだという。しかし、国内消費が減少しても輸出していれば、食料自給率は下がらない。この主張は国内のコメ消費の減少に合わせて生産を減らしてきたことを隠している。食料自給率低下の原因はコメ消費の減少ではなくコメ生産の減少なのである。最も効果的な食糧安全保障政策は、減反廃止によるコメの増産とこれによる輸出である。
日本の農政はコメ農家を保護するためと称して、米価を高く維持するため減反を推し進めた。結果利権団体が儲かり、日本の食糧安全保障は危機的な状況に陥った。この状況下で、台湾有事・半島有事は国民の死に直結する。
コメの生産を増やして、平時は輸出して、利益を出しつつ、有事の際はコメの輸出を止めて、国内に振り分ければよい。著者はそう言っている。平時は余分なコメは海外に売るので、国内の米価にも影響が少ない。
減反の目的は、補助金で供給を減らして市場で決まる価格より高く米価を維持することである。それがJA農協の利益であり、この既得権に依存する農林水産省や農林族議員の利益にかなったからである。私は『農協の大罪』という著書の中で、JA農協、農林水産省、農林族議員の利益共同体を”農政トライアングル”と呼んだ。
農政トライアングルの本音は、食糧安全保障の確保でも食料自給率の向上でもない。
全てはコメ減反、高い米価維持である。これが農政トライアングルの利益となる。だからいつまでたっても、変わらない。昨今のコメ騒動でも、農政トライアングルは儲けている。これは国民が利権構造に気づかないからだ。
国民は半年で餓死。
そして誰もいなくなるのである。農政敗れて、山河ありだ。国民がいなくなったら、利権も何もないと思うが、国が滅びる時はこんなものである。だが昨今のコメ騒動で、国民の注目が集まっている。目覚めの時だ。
東アジアでは、以前は考えもしなかった事態が起きる可能性が出現している。中国の台頭による台湾有事である。これによってシーレーンが破壊されると、食料もエネルギーも輸入は途絶する。食料自給率38%の日本はひとたまりもない。農林水産省の文書を読むと、起きる可能性のある食料危機の一つとしか捉えていないようである。しかし、それによって生じる危機は、彼らの想像をはるかに超える。リスクは極めて高い。しかも、シーレーンが破壊される危機は、台湾有事に限らない。日本の周辺には、中国だけでなく北朝鮮もロシアもある。
この部分は『米中戦争を阻止せよ』とリンクしてくる。そのため、今回二書を繋げて議論している。そしてこの後、専門家の弊害、組織が縦割りのため起きている弊害が述べられている。
不思議なことだが、日本が戦争状態に巻き込まれるという想定での防衛力の整備は行っても、同じ状態の下での食料供給力の整備は検討もされない。日本の防衛は兵站なしで行われることになる。軍備は防衛省、食料は農林水産省、エネルギーは経済産業省と、それぞれがタコツボ化してしまい、総合的な視点での日本の防衛を検討することができなくなってしまっている。
これが日本国民が置かれている安全保障の実態である。政治家も役人も役に立っていない。むしろ、日本を危機に陥れている。コメというのは、食料に過ぎないが、日本人の生命線である。疎かに出来ない。
専門分野の知識がない人をその分野で生きている人が騙すことは簡単である。農業や農政政策にはウソが多い。減反廃止の報道も多くの人が信じた。
2014年、とある首相が、コメ減反廃止を宣言した。これはコメの生産目標を廃止しただけで、補助金は逆に増した。あの暗殺された首相は、ウソばっかり吐いている。著者もコメ減反廃止はフェイク・ニュースとしている。
「経済学を勉強するのは経済学者に騙されないようにするためだ」というケンブリッジ大学ジョージ・ロビンソン教授の有名な言葉がある。
我々は日々専門家に騙されている。この事は知っておいた方がいい。浅くても、自らが学んで、判断する力が必要だ。この事はパンデミックの時、学んだ。利益誘導したい専門家は沢山いるのだ。注意した方がいい。
今の農政はウソと矛盾の体系となっている。一般の人だけでなく農業界にいる人もウソや矛盾に気が付かずに納得してしまう。まさか政府(農林水産省)がウソをつくはずないと思い込んでしまうのだろう。
この「政府がウソをつくはずない」というあどけない信仰は到る処で見られる。そのクセ、政治家はウソを吐くと皆思っているから可笑しい。政治家が集まって政府ができるなら、政府とはウソの塊にならないか?
JA農協がわからなければ、日本の農政は理解できない。
JA農協は日本医師会や欧米の農業政治団体とは異なる。それ自体が経済活動を行う特殊な組織である。これが日本の農政を世界の中でもきわめて特殊なものとしている。
なぜか日本の農業の金融機関が、アメリカのウォールストリートで資産運用している。100兆円を超える資産を持ち、機関投資家として、暴れ回っている?これはよくホント分からない。なぜこんな事が起きているのか?
JA農協は、法人として、唯一無二の資格がある。それは銀行事業と他の事業の兼業が認められた日本唯一の法人なのだ。これはGHQ由来と思われるが、経緯はよく分からない。だがこの特権は大きい。だから権力がある。
固定資産税は非課税、法人税はなぜか低い。他にも低金利で借りれる特権があるらしい。多分、日本最大の圧力団体で、権力機構だろう。目立たないだけにタチが悪い。IT業界で顧客として会うと、殿様企業だと分かる。
大分、台湾有事から話題が離れて来たので、最後に『食料安全保障の研究』から、『米中戦争を阻止せよ トランプの参謀たちの暗闘』とほぼ一致する内容がある箇所を引用する。
アメリカのシンクタンクが行ったシミュレーションでは、すべての場合でアメリカが勝つという結果になった。その前提は、すべて日本の米軍基地から出撃するというものだったという。逆に、中国もそのように判断すれば、台湾上陸を成功させるためには緒戦において三沢基地を含めてすべての在日米軍基地を攻撃するだろう。こうなると、日本のシーレーンは破壊され、物資の輸送は困難になる。この時、食料の輸入は完全に途絶する。
しかし、このシナリオだと、中国はアメリカと全面的な戦争状態となる。中国にとっても最悪のシナリオとなる。他方で、北朝鮮やロシアも中国に加担するかもしれないと考えると、アメリカにとっても大変な結果となる。日本も当然ながら巻き込まれる。大規模な戦争となる。通常兵器の戦争で終わらないかもしれない。核戦争を覚悟しなければならないかもしれない。
これが紹介した二冊の本の話だ。
台湾有事について、警告と助言を与えた。
日本人餓死の危機と四ヶ国連合の奨めだ。
日本人は覚悟を決めた方がいい。どうするのか?
2027年に台湾有事があると仮定するなら、
2025年が、日本人餓死を防ぐ最後の猶予時間である。
農地を開墾して、水田に苗を植えないと間に合わない。
何かの参考になり、お役に立てれば幸いである。
ご一読ありがとうございました。
『国姓爺合戦』という人形浄瑠璃がある。
近松門左衛門(1653~1725)の作品で、歌舞伎化した。
日本人の母を持つ鄭成功(1624~1662)の話だ。
明末清初、明の遺臣、鄭成功が台湾に逃れて、大陸の清に抗戦する。義と忠をテーマにした武将の話で、日本の江戸幕府に支援を求める。だが天下統一した徳川はもう外国との争いに巻き込まれたくない。支援を断る。
1683年、鄭氏台湾は滅亡する。22年間の政権だった。
2027年に台湾侵攻があると仮定すれば、344年の時を経て、再び日本は決断しなければならない時が来た。前回の清王朝の時は、日本に影響はなかったかもしれない。世界が今ほど一体化していなかったからだ。
明は漢王朝で、清は満洲王朝で、征服王朝だった。現代の中華民国は孫文の国民党由来で、自由と信仰を守る議会制民主主義だ。そして大陸勢力は、マルクス・レーニン主義由来の一党独裁だ。無神論で唯物論だ。
大陸勢力の非道は、以下の本を読むだけでも分かる。
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