50年の窓 第29章
第29章 再開、そして新世界の開拓
カレン35歳、ケント36歳。 赤い大地での再会。
ハッチが開き、静かに降り立ったカレンの姿を認めた瞬間、ケントは言葉を失った。
あの日の別れの言葉が、自分を火星へ送り出すための悲しい嘘であり、彼女がどれほどの覚悟でこの4年間を戦い抜いてきたのかを、そのすべて悟ったからだ。
涙で潤むケントの前に歩み寄ったカレンは、無言で荷物の中から「藁に包まれたキャンティのボトル」を取り出して微笑んだ。
「4年分のギャップを埋める時間、作ってくれる?」
ケントは無言で深く頷く。
赤い大地に立つ2人は、かつてボストンでそうしたようにグラスを掲げた。
「2人の好奇心に乾杯。そして、新しい人類に」
そこは、選ばれた人々による、新たな人類の起点であった。
かつてガラパゴス諸島がそうであったように、進化の系統樹における、人類の新しい枝の芽吹きが始まる。
火星での新人類
それは広範な科学者であり、哲学者であり、何よりも「好奇心」を大切に育ててきた人々による、前向きな亜種のスタートであった。
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第30章 後書き 世界の認識 解説
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