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創作アドベンドで、小説を作ってみた。みくまゆたん殺人未遂事件【ショートショート】

 先日開催されたスペースイベントでお話ししていく中で、秋谷さんが「創作のネタを1日1つ考える」という創作アドベンドをしていたというお話を伺い、

アーカイブも300人以上の方に視聴いただいております。小説を執筆されている方、ぜひ参考になる話かと思いますので、アーカイブ聴いてみてください!!

私も、想像力と発想力を鍛えるために、「創作のネタを寝起きに1日1つ考える」と決めて、現在チャレンジ中です。

同時に、私がコッシーさんと共同で運営中の「チャレガヤ」のテーマが「大学」なので、

それに合わせて「1日目の創作アドベンドで思いついたネタ」と絡めてショートショートを考案しました。

↓本文はこちらから


カーテンの隙間から朝日が差し込む。柔らかい日差しを受け、私はベッドの上でゆっくりと瞼を開いた。

まだ寝ぼけ眼のまま、薄暗い天井をぼんやり見つめていると、隣の部屋からくぐもった声が聞こえてきた。

「ねえ、あんた行ってきなさいよ。もう、さっさと済ませてよ」

女の声は苛立っているが、どこか甘えた響きがあった。

「えー、やだよ。お前行ってこいよ。俺、苦手なんだよ、そういうの」

男の声は明らかに怯えていて、まるで子供が母親に駄々をこねるようにも聞こえる。私は息を殺した。心臓が、どくん、と大きく跳ねた。

(誰?)

隣には娘と夫が、すやすやと寝息を立てている。まさか、強盗だろうか。背筋がひやりとする。

「あいつさぁ。noteで『みくまゆたん』という名前で、エンタメ雑食系ライターを名乗ってて、最近ムカついてるのよ!」

「もうそれ、何回も聞かされているんだけど」

「noteのおすすめ欄に、みくまゆたんの記事が何度も出てくるのよ!!どうして私の記事じゃないの?私の方が絶対に面白いのに!!

しかも、本が売れてるって??

どうしてあいつが本を出して、私は……noteが更新できないのよっ!!」

「それは俺もわからないです……」

「私の方が、本当はnoteを書いたら絶対に面白いはず!!それが……1記事も書けないのよ!!どーーーしてなの!!私はね、国立の○○大学出てるの!!!あいつ、短大卒でしょ?私は国立なんだから!!」

短大卒ですが、このたび名城大学の棚主デビューしました

聞き耳を立てながら、思う。なんの言いがかりやねん。

「おまけに、あの女!!コンテストを開催したら、Xのトレンドに上がるって??

トレンドに上がりました!

担当編集さんも、イケメンじゃないの!!!隣のワンチャンも可愛いし!!

おまけに、人気インフルエンサーの絵本作家のよりみちさんからも、『戸田恵梨香』って呼ばれてるそうじゃない!

私はね、よりみちさんの本を買って泣いたんだから!!」

女の声が荒くなる。女、まさかよりみちさんのファン??

「しかも、あいつ!!感想文で『私は泣いてない』とか書いてるし!冷静に分析とかしてんのよ!!


でもね、よりみちさんのnoteにたくさん登場するのよ!私の方が泣いたのに……それに私が頑張って書けば、みくまゆたんよりもっと良い感想文が書けるのに!!

おまけにYouTubeにも出てくるのよ!しかも、戸田恵梨香全然似てないし!!どこにでもいそうな、東南アジア系の顔した女じゃん!!

しかも撮影、洗面所じゃないの!!他に撮影場所なかったの??」

YouTubeに出演しました

女の声が甲高くて、とにかく五月蝿い。このままでは、隣の娘が起きてしまう。静かにしてくれないかなぁ。

ふと、ベッドルームのドアがかすかな音を立てて開いたのに気づく。恐怖で心臓がひやりと跳ねる。

薄暗い室内で、二人の影がゆっくりとベッドに近づいてきた。私は薄目で2人の姿を確認する。女は黒いフードを被り、男はトレーナーの袖をまくり上げていたが、手は震えていた。

「もう!!どうしていつもあなたってそうなのよぉ……。『俺がやる』って言ったのはあんたでしょ?」

女が小声で男を責める。声の端に、呆れと愛情が混じっているのが分かった。

「だって怖いもん……。相手はあの狂気のライター、みくまゆたんだぜ?ネットで見たろ?あの文章、読むだけで頭おかしくなりそうなんだよ」


男が囁く声は、本気で震えていた。

「ほら、ほら、ほら……。あの人、寝起きに都合のいい妄想してるとか言ってたじゃん。普通の人はそんなことやらないって。そんな人がもし、目を覚ましたらどうすんだよ。目が合ったら、俺たちもネタにされるんじゃねぇの」

二人はベッドのすぐ横で、よそよそしく肩を寄せ合いながらも、互いの顔をチラチラと見つめ合っていた。

「それに、隣に小さな子もいる。みくまゆたんが死んだら、この子はどうなるんだよ」

可愛い

「そうね……」

女はため息をつき、男の腕を軽く突いた。すると男が女の肩にそっと手を置く。

「やっぱり、やめましょう。こんなことは」

二人は意を決したように頷き合い、窓枠に手をかけた。女が先に滑り降り、男が慌てて後を追う。
カーテンがひらりと揺れ、二人の足音が遠ざかっていく。

私はゆっくりと目を閉じ、再び深呼吸をした。


私は命を狙われていたのか。


2人の足音が遠くなるのを確認した私は、布団をはらい、いつものように体を起こした。

名前も知らないけど、娘のことを気遣ってくれてありがとう。私は小さく微笑み、いつものように机に向かいながら、ぼそりと呟く。

「戸締りは、ドアだけじゃなくて。窓も確認しなきゃいけないよね。明日から気をつけるかぁ」

【完】



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レビューも23件つきました。いつもありがとうございます。何度も読み返しています。

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