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誰もが自分事に受け止められる、稀有な自伝的小説と感じた【発達障害のよりみちが、それでも生きる理由。】

 今回紹介する書籍は、発達障害を抱える絵本作家・よりみちさんの自伝的小説だ。

 すでにSNSなどでは、「泣けた」という感想がずらりと並んでいる。

こちらの感想文は泣いた。

 本作の中では、よりみちさんの辛い過去や、父親との悲しいエピソードにも触れられており、確かに「泣ける小説」になっている。けれども、天邪鬼な私はあえて、この作品の凄さについて「ロジカル」に感想を書きたいと思う。

自分ごとに捉えてしまう?稀有な自伝

 まず驚いたのは、読み始めた瞬間に「これは私の物語だろうか」という錯覚を覚えたことだ。自伝的小説を読んで、こんな風に自分事として感じたことは、これまでほとんどない。

 そもそも自伝というジャンルは、暴力や壮絶な恋愛、特異な生い立ち、圧倒的な成功体験など、「誰かに語れるような人生」を持つ人だけが書けるものだと思っていた。

 だから私はいつも、自伝的な小説を読むと、ただただ「すごいなぁ」と感じ、そっとページを閉じるだけだった。

 私自身、それなりに人生で小さな波風は経験してきたとはいえ、著名人の歩んできた物語と比べれば、やはりミジンコのようなものだと思う。もちろん、そんな普遍的な人生にも十分な幸せはあるし、特別な不満があるわけでもない。

 ただ、フリーランスとして8年以上この世界に身を置いていると、「映画になりそうな人生」を生きてきた人に出会うことは珍しくない。破天荒な人生を送った方々にインタビューする機会も、実に多い。(最近は減ったものの)

 だからこそ、誰かの「類まれなる人生」に触れるたびに、自分のちっぽけさに打ちのめされる瞬間がどうしても訪れてしまう。

 今回紹介した「よりみちさんの人生」も、また映画になるレベルのものだった。ただ、この本の凄いところは、よりみちさんの壮絶な人生に触れながらもなお、

「誰もが自分事として受け取れる」

ように、丁寧に作られていたところだろうか。この辺りは、しっかり考えられて構成・文章が綴られていると感じた。

 自分と似ているようで、「ここは到底真似できない」と感じたのは、彼が自分の負の感情──いわゆる「ネガティブ」と、とことん向き合っている姿だった。

 本書には、彼の心の奥で蠢く「擬人化ネガティブ」が何度も登場する。曖昧に「ネガティブ」をぼかすのではなく、「少し離れた場所で腕を組んでいる」「舌打ちをした」といった具合に、まるでキャラクターのように擬人化されて描かれるのも面白かった。

 おそらく彼なりに、ネガティブを「擬人化しえ、可視化できる存在」にすることで、逃げずに向き合おうとしていたのだろう。

 それは簡単そうに見えて、実際には誰にでもできることではない。むしろ、自分の弱さを丁寧に扱う勇気がある人だけができる営みだと思う。

 人は、ポジティブな希望には案外すんなり向き合えるのに、ネガティブな感情にはつい蓋をしてしまうものだ。けれど本当は、自分の奥底に眠るネガティブを受け止め、逃げずに向き合うことこそが大切なのかもしれない。

 よりみちさんの「その人にしか紡げない、オリジナリティ溢れる言葉」は、まさにそのプロセスを踏まなければ、決して生まれなかったものだと強く感じた。



 本作には、強い感受性と才能ゆえに、世界をどこか達観してしまう筆者の戸惑いが随所に散りばめられている。物事が見えすぎる人ほど、周囲に合わせることが苦手だ。

「合わせることに、どんな意味があるのだろう」と、つい意味を探してしまうからだ。

 けれども社会には、「意味があるかどうか」とは別に、周囲が価値を感じているなら合わせるべきだという「同調圧力」が存在する。そこに合わせるスキルが求められる場面は実際に多いし、それが苦手な人にとっては、生きること自体が本当にしんどい。

私自身も、まさにそのタイプで、「普通」への憧れを抱きながら必死に生きてきた。

 結局、正社員を辞めて今はフリーランスになっているけれど、その過程で味わった息苦しさを知っているからこそ、本書で紹介されている「周りと合わせることのむつかしさ」に関するエピソードは、胸にぐっとくるものを感じた。

 そして同時に、人の強さも弱さも丸ごと受け止めながら「人間」として見つめようとする筆者の眼差しに「生きるための強さ」をひしひしと感じた。

 そもそも人間の人生は、ロイヤルストレートフラッシュのように完璧である必要なんかない。辛くなったら、途中でカーブを曲がったり、寄り道して休憩したり。それでもいい。

 遠回りしても、不器用なままでも、「自分はどうしたいのか」を大切にしながら、自分が心地よいと感じる道を探し、その先で「居場所」を見つけられたなら、それだけで十分に幸せなのではないか。

 そして、その居場所に辿り着くためには、案外「自分の弱さ」をきちんと認めていくプロセスが重要なのかもしれない。

 もちろん、少しくらい寄り道したっていい。むしろ、弱さを受け入れられたときにこそ、初めて誰かに優しくなれたり、自分自身をしっかり抱きしめられたりするのかもしれない。

 そうやって少しずつ、自分にとっての「本当の居場所」は形づくられていくのだと思う。

余談 飄々とした姿になる凄みに触れて

 よりみちさんとは、マーブルさん主催のライター忘年会で出会って以来、仲良くさせてもらっている仲間の1人である。

 SNSではどこか飄々として見えるけれど、実は相当な苦労人。

 SNS運用も一見スマートにこなしているように見えるが、彼によれば「ガチ道場」のような場所でしっかり修行を積んできたらしい。

YorimichiTales/よりみち on Instagram: "【「人生をあきらめなくてよかった」そう思える日が来るまで】 発達障害、うつ病、最愛の父との別れ。 そして、生活保護を受けるほどどん底だった日々。 「もう、あきらめていいですか?」 そう問い続けていた私が、 今、表現者としてここに立っています。 現在はSNS総フォロワー1.5万人を超え、 (X 1.4万人 / note 1,100人) 2025年の大阪でのイベントには80名以上が集まるなど、 多くの仲間と出会うことができました。 そんな私が、あがいて、あがいて辿り着いた、 「よりみち」という生き方。 編集者さんも思わず涙した、 どん底から這い上がった魂の記録を 一冊の自伝にまとめました。 もし、あなたが今、 歩くのが疲れてしまったと感じているのなら。 この本が、あなたの「よきよりみち」になれたら嬉しいです。 詳細は Amazonにて、こちらのリンク https://amzn.to/4bQVDmq または 『発達障害のよりみちが、それでも生きる理由。』 で検索してみてください。 本屋さんで、「発達障害のよりみち」の本をください、と言っていただいても購入可能です。 #発達障害 #生活保護 #商業出版 #うつ病 #よりみち" 18 likes, 0 comments - yorimichitales on January 25, 2026: "【 www.instagram.com

動画編集スキルも流石の一言

 それでも、その努力を表に出さず、「よりみちしてきますね」と軽やかに笑ってみせるところに、彼の本当の強さを感じた。

 私は普段、クリエイターに対して尊敬の念を抱くようにしている。よって、嫉妬することはほとんどない。

 けれど、彼に関しては嫉妬を通り越して「これは勝てないわ」と素直にひれ伏してしまう。ギブの精神もとんでもなく半端ないし、色んな意味で「そう簡単に真似できるものじゃない」と思わされることばかりだ。

 そんな才能と努力、そして惜しみなく差し出すギブ精神を併せ持つ彼は、これから一体、私たちにどんな景色を見せてくれるのだろうか。


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読了後、Amazonレビューをいただけると泣いて喜びます(涙)

【感謝】

ようこさんの紹介投稿がめちゃくちゃバズっています。素敵な感想、とても嬉しいです。

本当に、この度は素敵な感想をいただき、ありがとうございました!

AIで作ってみました笑

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