可愛い妖狐にムズキュンしながら楽しめた【うしろのヨーコさん・創作大賞感想】
今回紹介するのは、たおたおさんの小説「うしろのヨーコさん」。
たおたおさんは、この作品を作るにあたり昨年度の「創作大賞 漫画原作部門」をしっかり研究した上で執筆に臨んでいる。
そして、各メディアのコメントもまとめて紹介してくださっている。そのスピードがとにかく速い。
今は創作大賞に参加されている方向けに、ディスコードの作成や管理をしている。私も参加させていただいており、いろんな方々と交流しながら刺激を受けている。
そして、たおたおさんといえば、昨年度は創作大賞の「一覧」を作ってくださり、それが私的にめちゃくちゃ役に立った。私以外にも、この一覧にお世話になった方は多いのではないだろうか?
作品を探す時には、たおたおさんが作った一覧をかなり有効活用していた。
今年一年は、noteを通じてお世話になった方々もたくさん増えた。恩返しをしたいという気持ちが強い。
「忖度では?」「馴れ合いか?」と思われるかもしれない。
けれど、正直私的にはそんなことはどうでもいいのである。私が恩返しをしたいのだ。誰かのためじゃない。私のために、だ。
あとは、今年はそれ以上に「真面目に感想書かなきゃいけない」というのもある。レビュワー賞云々の前に、私は今メディアで映画やドラマの感想を書いている身だ。
昨年はノリとお祭り感覚で参加していた(創作大賞がどんなものか、いまいち空気感が掴めなかったので、探り探りだった)が、今年は違う。
ある一定のクォリティの感想を書かないといけない。大手メディアでエンタメ系の記事を執筆しているライターの1人として。感想におけるプライド。めちゃくちゃ高いかも。
だからこそ、お世話になった方への恩返しも踏まえつつ、ちゃんと「作品が面白い」と思った上で感想を書いている。まさに、恩返しと感想とプライドのハイブリッドなのだ。
今回は、ディスコードの管理人を務めているたおたおさんの作品をぜひとも紹介させていただきたい。
こちらのお話「うしろのヨーコさん」は、決して可愛いがテーマのお話ではない。けれども、全体的に可愛いが溢れたファンタジー要素のある素敵なお話だった。
タイトルに名前が入っているヨーコは、千年以上生きている大妖の「妖狐」。そう聞くとおどろおどろしいものを感じるが、怖さはない。そして、これまた魅力的で「可愛い」のである。
妖狐のヨーコさんがとにかく可愛い……だけではなく、妖しさというか不思議な魅力にも溢れている。キャラクターの魅力が幾十にも重なっており、キャラ設定もかなりしっかり作り込まれていると感じる。そしてそんなヨーコさんに惹かれる龍空もキュート。
ヨーコさんに嫉妬する栄江も可愛い。そして、父ちゃんも。彼らのやり取りが可愛いくて、後ろからじっと見守りたくなる。
キャラクターが一人一人魅力的で、描写も丁寧なので、スクリーンの上でぴょこぴょこと元気に動き回っているような感覚を覚える。
内容はファンタジー風だが、セリフのやり取りがとてもリアル。会話のシーンが自然かつ絶妙。まるで本当に2人がお話ししているみたい。ストーリー設定もかなりしっかり作られているが、軽やかな文体もあってか、すっとその世界に溶け込める。書き続けてきた方ならではの安定感もあるし、読みやすい。
これはあくまで私の個人的な嗜好になり、申し訳ない。きっと私は、おそらく肩に力があまり入っておらず、楽しみながら書いてる人の作品が好きなのかもしれない。
色々なこと(公募で落ちて悔しかったり、けれどそれを乗り越えてきたりとか)を乗り越えて、それでもなお「書くことが楽しい」からこそ、書き続けている。
たおたおさんについてはnoteでしかわからないので、そんなに詳しい訳ではない。けれど、その軽やかで楽しそうな会話のシーンや、行間からそんな想いをふと感じてしまった。(違ったらすいません)
そういった想いのある方の文章は、心地よい風が流れていて、私は好きだったりする。
楽しく書いてるのが伝わる。創作を楽しめる心の余裕もある。そういえば私、今楽しみながら書いているだろうか。胸に手を当ててみる。実はすごく大切なことだけど、つい見落としてしまうものだ。
創作を続けていると、楽しいだけじゃダメだとか。評価されなければとか。なぜ、自分は選ばれないのかとか。時折自分を責めてしまうこともある。
けれど、たおたおさんの作品を読むと「原点回帰」を辿るというか。創作は楽しむの、大事だよねと。改めてそれを感じる魅力があった。
セリフのテンポもいい。書きすぎず、ちょうどいい塩梅でセリフが構成されている気がした。この辺りは、「たおたおさん流石、書き慣れてはるわぁ(なぜか大阪弁)」と唸ってしまった。
ストーリーに登場するご飯もとても美味しそうなあまり、いなり寿司が思わず食べたくなる。
今もどこかで、龍空とヨーコさんは楽しく談笑しているだろうか。読み終わった後も、ストーリーはまだ続いているような感覚さえ覚える。実に可愛くて、不思議なお話だった。
【完】
