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介護認定があっても、それだけでは足りなかった


――障害者手帳を「重ねて」取得することで見えてきた支援の広がり

介護認定を受けたとき、
「これで必要な支援は一通りそろった」
そう思っていました。

要介護5。
在宅での生活は、時間も体力も気力も削られます。
これ以上、何か申請する余裕なんてない。
正直、それが本音でした。

けれど後になって気づきました。
介護認定だけでは、使えていない制度がたくさんあったということに。




介護保険と障害者制度は「役割が違う」

まず前提として、ここを押さえておく必要があります。

  • 介護保険
     → 介護サービス(訪問介護・デイ・福祉用具など)を使うための制度

  • 障害者手帳
     → 障害がある人として「生活全体」を支援するための制度

つまり、

  • 介護保険は「介護サービス中心」

  • 障害者手帳は「暮らし全体の負担軽減」

この視点の違いが、
併用したときのメリットの大きさにつながります。


要介護5でも、障害者手帳の対象になることは多い

要介護5の状態には、次のようなケースが少なくありません。

  • ほぼ寝たきり

  • 歩行ができない、移動に全面介助が必要

  • 食事・排泄・入浴すべてに介助が必要

  • 身体機能に永続的な制限がある

こうした状態は、
身体障害者手帳(肢体不自由)の認定対象になる可能性があります。

それでも、

  • 高齢だから

  • 介護認定があるから

という理由で、
最初から検討すらされないままになっていることも多いのが現実です。


障害者手帳を「重ねて」取得すると得られるメリット

では、介護認定に加えて障害者手帳を取得すると、
具体的に何が変わるのでしょうか。

① 経済的な負担が確実に軽くなる

代表的なものだけでも、これだけあります。

  • NHK受信料の全額免除
    (非課税世帯+障害者手帳)

  • 所得税・住民税の障害者控除

  • 公共料金(自治体による減免)

  • 医療費・交通費の割引

介護は長期戦です。
月々数千円でも減る支出は、積み重なると大きい


② 介護保険ではカバーできない支援が使える

介護保険は万能ではありません。

障害者手帳があることで、

  • 障害福祉サービスの利用対象になる場合

  • 自治体独自の給付・助成制度が使える

  • 支援の選択肢が増える

といった広がりが生まれます。

「介護サービスが足りない」と感じたとき、
もう一つの制度があるかどうかは大きな差になります。


③ 家族・介護者側の負担も軽減される

障害者手帳のメリットは、
本人だけに向けられたものではありません。

  • 家族の税控除

  • 介護に伴う経済的・心理的負担の軽減

  • 「制度的に支援されている」という安心感

介護を続ける側が倒れないためにも、
使える制度を使うことは必要な判断です。


申請は、思っているよりずっと静か

障害者手帳の申請は、
何かを主張したり、争ったりするものではありません。

  • 役所の障害福祉窓口に相談

  • 主治医に診断書を依頼

  • 書類を提出して、結果を待つ

結果が「非該当」なら、それで終わりです。
不利益になることはありません。


「今さら」ではなく、「今から」

介護が長くなるほど、
「もう今さら申請しても…」という気持ちになります。

でも制度は、
早く知った人だけのものではありません。

知った“今”から使っていい。
それが公的制度です。


おわりに

介護認定があるからといって、
障害者手帳が不要とは限りません。

むしろ、
介護が重い人ほど、取りこぼされやすい制度がある。

介護認定 + 障害者手帳。
この「重ね使い」で、
暮らしは少し、確実に楽になります。

制度は、人を助けるためにあります。
遠慮せず、確認してみていいのです。


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