【エッセイ】1年で膀胱炎を繰り返すこと3回、30手前で己の身体・備えと向き合う。
また膀胱炎になってしまった。
人生で初めて血尿が出たのが2024年の冬。夕方にかけて徐々に濃くなる血尿に怯えつつ、渋谷駅前のクリニックに駆け込んで治療した。
春に再発し、このときは耐性菌がしぶとかったようで大学病院に通って尿細胞診検査をした(がん細胞の有無をみる検索。陰性だった)。これが今年の5月のことだ。
12月現在、また再発して治療中だ。トイレで血が付いたので生理が来たと思ったら、ああ、これはまごうことなき血尿…。
血尿経験がない人向けに伝えると、まじで濃い赤色の尿が出る。ビビる。しかも痛い。膀胱が炎症を起こして出血するらしい。
膀胱炎の主な原因は大腸菌(腸内に生息する細菌)で、尿道の短い女性がなりやすくて一度なると繰り返しがちらしい。確かに周りでも「またなった」と話す友人がいる。
そうは言っても、1年に3回だ。この再発頻度は心配になる。かかりつけ医に聞いてみたら「この頻度くらいなら、まだ若いし、大きな問題はないでしょう」と言われた。ひとまずホッとする。
しかし血尿の原因を調べると、当たり前かのように「膀胱がん」もヒットし、上述の細胞診も偽陰性になることがあるようで、可能性はゼロじゃない。
そんな大事でなくとも膀胱炎というのは厄介で、頻尿も不便で困るし、血尿が出るショックと、排尿時に鈍く痛むのがとにかく最悪なのだ。
先週まで、治療として「ホスミシン錠500」という抗菌薬を飲んでいた。
カプセルみたいな円柱形で「長径16.0×短径7.4mm、厚さ6.8mm」と人間が飲み込めるギリギリのサイズだった。1週間で計42錠服用したうち2回喉をやられて涙目になる。
処方時に薬の形態がわからないから患者は弱い。できればもうあんまり飲みたくない。ホスミシン、君の名前は覚えておくぞ。
それに近所の薬局の薬剤師さんが毎回お薬手帳アプリを確認するタイプの人で(もしくはルール変わったのか?)、このホスミシン錠を記録しそびれてたのがバレてちゃんと指導された。やべ。
慌てて家に帰って探したけど紙はもう捨ててしまっていたので手入力する。怠惰ですみません(服薬情報ってマイナ保険証にも記録されているんじゃなかったっけ)。
Googleで膀胱炎を検索すると、「抗生剤を服用すれば長くて1週間で治る」と書かれている。
私の場合、人生初の膀胱炎は数ヶ月引きずり、今回も初診1週間後の尿検査で赤血球・白血球数ともにまだ基準値まで下がっておらず、「潜血も少し気になりますね。次回エコーを」と言われた。エコーは“低侵襲検査の極み”と言われているが、それでも内心ビビってしまう。
そういえば春に大学病院に行ったときは、問診票で「仮にあなたが、重篤な病気と診断された場合、本当の病名告知を希望しますか」なんて恐ろしい問いがあった。このときの新しい感覚は忘れることはない。

この日、怖くなって、思わず住宅ローンで入っている団体信用生命保険(通称、団信)のがん保障特約を確認した。
私は団信のうち、ベーシックプランの1つ上を選んでいたが、詳しく読むと上皮内がんは除外になるらしい。がんが進行すればローンは返済不要になるが、同時に膀胱全摘もあり得る。こういう救済処置って案外厳しいものだな…と現実を知った。
これががん保険だと、種類によっては適用になるらしい。 健康とお金に関わる選択は、ある程度の勉強が必要だなと思う。
膀胱炎は、適切に治療しないと長引く。
治療初期は時間がなくて、平日夜に空いている渋谷の混合クリニックに「ありがたい」と思いながら通っていたが、いま振り返ってみれば、もう少し早くまともなクリニックに行けば良かった。
もし次に転職することがあれば、ちゃんとフレックス制度があって、有給をたんまりもらえる会社に行こうと誓う。
もうすぐ30歳になる。貴重なこの年月、泌尿器科クリニック通いを週末ルーティンにはしたくないが、そうは言っても現実は変わらない。
唯一の救いは、いまのかかりつけクリニックが快適であること。土曜日にも予約が取れて、渋谷の院みたいに患者がギュウギュウ詰めじゃなくて、適切な検査をしてもらえる。芝公園の近くなので、帰りは東京タワーを眺めながらぐるりとお散歩して、薬局へ向かうのだ。膀胱炎が続く現実はさておき、せめて別の部分でマシな捉え方をしようという試みである。
今週末に予定しているエコーは、立体的な腫瘍とか尿路結石を診断できるものらしい。腕のある医者だし、実際私はかなり元気で、たぶん、たぶん大丈夫だろう。
膀胱もそうだし、流行りのインフルエンザ対策も、年末は忙しくなるのでメンタルケアも、そして何かあったときの備えも十分考えておかなきゃいけない。我々社会人は忙しい。
仕事も趣味も日常も大事。全部の人生を楽しみたいけれど、何よりも身体を、精神を、大切に生きていこう。
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