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教科書では教えてくれない、オスとメス

性別はオス・メスだけだと思ってない?
自然界はそんな単純じゃないんだぜ。


ちょっとロックンロール風で始まりました、今回のnote。
テーマは「性別多様性」です。
ヒトのオスメスは染色体XYかXXであり、その他ZW型や1つの染色体であるXO型ZO型がいると考えられている。どう染色体を貰い受けるかで、ヘテロ型がどうなるかと…うむ、ややこしくなってきた。
学校で習う生物学は一旦置いておいて、実際に生きる生き物たちと「性」や「性別」についてみていきたい。

先ほど染色体の話をしたが、僕たちは子供から大人になるにはホルモンが関係していることがわかっている。男性ホルモンや女性ホルモンと言った言葉を使うことも多いと思う。では産まれた時の染色体でオス・メスが振り分けられるとしたら「性ホルモン」は何のためにあるのだろう。
さっそく面白い事例がある。Disneyのピクサーが制作した「ファインディング・ニモ」に登場する、あのかわいいカクレクマノミ。実は彼らはオスがメスに性転換できるのだ。

水族館でも人気のカクレクマノミ。写真に秘密も隠れてる?

ママはメスじゃない?

クマノミはイソギンチャクの間をスイスイと泳ぐオレンジと白の体が特徴だ。毒を持つイソギンチャクにも対応したサカナである。そんな彼らはナワバリを持つ。
ペアの中で1番大きい強い子が「メス」であり、2番目に大きい子が「オス」となっている。僕たちヒトや哺乳類の多くは「オス=大きいのイメージ」があるが、自然界の常識ではあてはまらないことを再認識させられる。

しかしここからが、もっと驚愕である。
このペアからメスがいなくなると、オスの個体はメスになるのだ。

え?性別が変わる??

そうクマノミは自分で性転換をしてしまうサカナなのだ。
産まれたときはオスでもメスでもなく、成長とともにオス化されていくそうだ。
そしてメスに見染められると、カップルとなる。
カップル成立後メスが何かのきっかけでいなくなってしまうと、先ほどのように今度はオスがメスへと性転換するのである。

ぬぬ、可愛い顔して体の構造どうなっているんだ。すごすぎるぞ。

サカナくんのポッドキャストがギョギョッとなることをたくさん教えてくれるのでとても面白い。『どうして北と南の海の色が違うのか.』でも参考にさせていただいた。ぜひ聞いてみてほしい。

ニモのお父さんもいつか「お母さん」と呼ばれる日が来るのだろうか。
今後ファインディングニモを見る目が変わりそうだ。

サカナは500種ほど雌雄同体であることが確認されていて、暖かい地域の海に多いそうだ。
創元社から出版されている坂口菊恵さんの『進化が同性愛を用意した ジェンダーの生物学』を参考にしながら、僕ら哺乳類についてもみていきたい。

タイトルから興味を掻き立てられる感

僕はこの本を読んでギャグ漫画のようにひっくり返ってしまった。
イメージとはあくまでもイメージなのであって、現実は最も遠いところにいたりする。

オスの象徴、役に立たず

アカシカというヨーロッパやアフリカにかけて生息するシカがいる。アカシカという。
シカは通常オスがツノを持ち、メスはツノを持たない。しかしこのアカシカはツノを持たないオスのシカがいるらしいのだ。

おいおい待て待て、すでにおかしい。

このシカは「ハンメル」と呼ばれメスと似た見た目をしているが、とてもモテるらしい。

ちょっと待ってください、どうしてですか。

健康で戦いにも優れており、体格も一般のオスよりいいので、もっとも順位の高いオスになりやすい。

進化が同性愛を用意した ジェンダーの生物学

だそうだ。
著者も書いているが、もはや人間の想像なんて自然では関係ない。

シカの枝角は、いったい何のためにあるのだろうと考えさせられる事例である。

進化が同性愛を用意した ジェンダーの生物学
シカの群れ。強そうな立派なツノがある。

僕たちが知っているシカはイメージであって、まったく違う生き方をして生存しているシカがいるのである。
極めつけにはシカでも種によっては、ツノはあるが生殖能力がなかったり、メスがツノを持っていたりもすることするらしい。
「みんなが同じ」という常識は存在しないのだ。

一夫一妻は理想なのか

地球上の中で一夫一妻制をとるのはどの種が1番多いだろう?哺乳類だろうか?

正解は「鳥類」だ

付かず離れずずっと一緒という訳ではなさそうだが、協力し合って生存しているものが多いらしい。
氷の上のペンギンや、春に日本にやってくるツバメもペアでいるのが想像しやすい。
そんな鳥たちの中には同性のカップルも見られるようだ。

卵の代わりに石を温めたり、他から盗んできたり(こらこら)、メスカップルでは卵を作るときはオスと関わり、育てるときはもとの大好きなメスのところへ戻ったり、という事例もあるそうだ。なかにはママ鳥1羽+パパ鳥2羽なんて家族もあったり、と色々なカップルが存在するらしい。

もちろん当たり前ではないし、多数決で言えば少数かもしれない。
だからどうだっていうんだ。

彼らはそこに存在するし、自然界で受け入れられているからこそ事例が確認されているのではないだろうか。

ツバメに会える季節はもうすぐだ。

クマノミに「染色体じゃなくてホルモンで性別が変わるなんて非常識だ!」て言ったって、アカシカに「なんでオスなのにツノがないんだ!聞いたことないぞ!」て文句言っても彼らは変わらない。
3羽の家族に「それで幸せ?」て聞いても僕らに正解はわからないだろう。

「生きる」は多様である

生物は多種多様で僕らにさまざまな顔を見せてくれる。
知らない一面だったり、想像もできない発想があったりする。
僕たちはその一部しか、本当は知らないんだ。

押し付けられた常識や、教科書の知識・考え、生物としての人間。
この本は僕らの思う「性」と「性の役割」を考えさせられる。
たしかに「思春期の子供がドラマのシーンで家族と気まずくなっちゃう感」の描写もあるが、フラットな目で落ち着いて読む。
ほら、僕らは大人だからさ。(えっへん)

自然の中で子孫を残すことが全て正しいわけではない。
生き残るために子供を作ることが自然の摂理なのではないのだ。

僕たち人間は、ひとりで社会に生きる人もいるし、同性のみが愛する人だったり、はたまた興味がない人もいるだろう。

「生きるって何だろう」そんな気持ちになった時にこの本を読んでみるのもいいかもしれない。
生物学的に解析していく文章が、落ち着いた温度のない文章でスッと入ってくる。

あなたがあなたでいることが、すでに尊いのだ。


インスタでせっせと公開しています。生き物ってすごいさ!!だからきみもすごいさ!!!


※毎週木曜日に更新予定。
次回は、「文系が解く温暖化の原因」を書いていこうと思います。科学や数字は一旦置いておいて、読み解いていきます。

【参考文献】
坂口菊恵(2023)『進化が同性愛を用意した ジェンダーの生物学』創元社

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