MVP ARCHIVE HISTORY | The Evolution of Rockets 07 : Falcon 9 / 垂直着陸と実用的再利用


垂直着陸と実用的再利用
2010年に初飛行した Falcon 9 は、アメリカの宇宙企業 SpaceX によって開発された液体燃料ロケットである。
その最大の特徴は、垂直着陸による第1段ロケットの回収と再利用を実用化したことにある。
従来のロケットは、一度打ち上げられると各段が海へ落下し、使い捨てとなることが一般的だった。
Falcon 9 では、第1段が分離後に姿勢を制御しながら地球へ戻り、エンジンを再点火して着陸脚を展開し、自ら垂直に着陸する方式を採用した。
この実用的再利用によって、ロケットを繰り返し使用できるようになり、打ち上げコストの削減と高頻度な打ち上げが現実のものとなった。
再利用は過去にも構想されていたが、Falcon 9 はそれを日常的な運用レベルまで引き上げ、宇宙輸送の仕組みそのものを大きく変えた。
Falcon 9 は人工衛星の打ち上げだけでなく、Dragon 宇宙船 による 国際宇宙ステーション( ISS )への補給や有人飛行にも使用され、民間企業が有人宇宙輸送を担う新しい時代を切り開いた。
また、垂直着陸で培われた誘導制御技術やエンジン再点火技術、自動着陸システムは、より大型で完全再利用を目指す Starship の開発へと受け継がれている。
Falcon 9 は、ロケットを「 使い捨てる時代 」から「 繰り返し使う時代 」へ転換した実用的再利用ロケットであり、宇宙輸送の新たな標準を築いた歴史的なロケットとなった。


