MVP ARCHIVE NASA | Search for Life Phase 02-10 : James Webb Space Telescope系外惑星の大気を調べる宇宙望遠鏡

系外惑星の大気を調べる宇宙望遠鏡
2021年に打ち上げられた James Webb Space Telescope( JWST )は、人類がこれまでに建造した中で最も高性能な宇宙望遠鏡の一つである。
Search for Life において JWST が担う重要な役割は、系外惑星の大気を詳しく調べることである。
これまでの探査では、惑星の存在や大きさ、公転軌道などを知ることはできても、その環境を詳しく調べることは容易ではなかった。
JWST は赤外線観測を用いて、惑星が恒星の前を通過する際に大気を通り抜けた光を分析し、その中に含まれる分子を調べることができる。
この観測によって、水蒸気、二酸化炭素、メタンなど、大気を構成する成分の手がかりが得られる。
すでに JWST は複数の系外惑星で、水蒸気や二酸化炭素、メタンなどの分子や、大気中の雲・ヘイズの存在を示す観測結果を報告しており、系外惑星大気の研究を大きく前進させている。
生命探査では、このような観測結果を「 バイオシグネチャー( 生命活動を示す可能性のある特徴 )」の候補として慎重に評価していく。
例えばメタンや酸素は、生物活動だけでなく地質活動や光化学反応によって生成される場合もある。
そのため現在の アストロバイオロジー では、複数の分子の組み合わせや惑星全体の環境を総合的に分析し、生命活動との整合性を評価する方法が採られている。
現在分かっていること
JWST によって系外惑星の大気を直接調べられる時代が始まったということである。
科学的な解釈として、生命探査は「 惑星を見つける段階 」から、「 惑星環境を比較・分析する段階 」へ進みつつある。
JWSTはその転換点となる観測装置である。
観測された大気成分が生命活動によるものなのか、それとも生命とは無関係な自然現象なのか、生命を示す決定的な バイオシグネチャー は、現在まで確認されていない。
James Webb Space Telescope は、生命が存在し得る環境を、これまでにない精度で観測し、科学的に評価するための宇宙望遠鏡である。
Search for Life において JWST は、「 惑星は存在するのか 」という問いの先にある、「 その惑星はどのような世界なのか 」を調べる、新しい生命探査の時代を切り開いている。
