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OECD Organisation for Economic Co-operation and Development 1964 / 経済協力開発機構

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経済協力開発機構

設立|1961年9月30日
前身|OEEC(欧州経済協力機構)
本部|フランス・パリ
日本加盟|1964年4月28日


世界経済を「共通のルールと比較」で接続する

世界には、それぞれ異なる税制、教育制度、労働市場、社会保障、産業構造、環境政策を持つ国々が存在する。
各国の制度や経済状態を同じ基準で測り、比較し、政策について話し合うための共通基盤も必要になる。
その役割を担う国際機関の一つが、OECD Organisation for Economic Co-operation and Development 経済協力開発機構 である。

OECD世界銀行 のような開発融資機関でも、IMF のような国際通貨・金融安定を担う機関でも、WTO ような国際貿易ルールを扱う機関でもない。

OECD の大きな特徴は、データを集める、各国を比較する、政策を検証する、共通する基準やルールを形成する という活動にある。
現在では経済だけでなく、教育、税制、雇用、環境、科学技術、デジタル政策、企業統治など、国家運営の広い領域を扱う国際的な政策協議の場となっている。

OECDの起点 - OEEC

OECD の起源は第二次世界大戦後のヨーロッパにある。
1947年、アメリカの国務長官 ジョージ・C・マーシャル は、ヨーロッパ復興を支援する構想を発表する。
後に マーシャル・プラン と呼ばれる大規模な経済援助である。
しかし、アメリカが各国へ個別に資金を配るだけでは、欧州全体の効率的な復興は難しい。
そこで1948年、OEEC Organisation for European Economic Co-operation 欧州経済協力機構 が設立された。

復興機関から経済協力機関へ

1950年代になると、西ヨーロッパ諸国の経済復興が進んだ。
マーシャル・プラン も1952年に終了する。
すると OEEC には新しい役割が求められるようになる。

戦後復興だけではなく、より広い国家間協力を行うことである。
そこで OEEC を再編し、新しい国際機関を作ることが決まる。
1960年12月14日、OECD条約 が署名された。

そして1961年9月30日、条約が発効、OECD が正式に発足した。
アメリカとカナダも原加盟国となり、OEEC 時代の欧州中心の組織から、より広い経済協力機構へと変化した。

OECDは何をする組織なのか

OECD 条約 では、組織の目的として、
加盟国の持続可能な経済成長と雇用、生活水準の向上、世界経済の発展、国際貿易の拡大 などが掲げられている。

政策を実行する主体は、それぞれの加盟国政府である。
OECD が提供するのは、各国が互いの制度と結果を比較し、政策を改善するための共通の場 である。
そのため OECD では、多数の委員会や作業部会を通じて各国政府の専門家が継続的に協議を行っている。

「比較する」という機能

OECD を特徴づける重要な機能の一つが、国際比較 である。
国家ごとに統計の取り方や制度の定義が違えば、単純な比較はできない。
そこで OECD は、各国からデータを集め、可能な限り共通の基準へ整理し、
自国は他国と比較してどこに位置しているのか を確認できるようになる。
OECD が公表する統計や指標が各国の政策議論で頻繁に利用される理由の一つである。

政策を互いに検証する

OECD では、加盟国の政策や制度について、他国の専門家や OECD 事務局が分析・評価する ピアレビュー( Peer Review )が広く利用されている。
一つの国の制度を、その国だけで評価するのではなく、他国との比較、共通指標、専門家による検証 を組み合わせる。
その結果は政策提言や報告書として公表されることが多い。

OECD には国家に政策変更を強制する権限が広く存在するわけではない。
それでも、国際比較によって政策の違いや結果が可視化されることで、各国の政策形成に影響を与えている。

PISA ― 教育も比較する

OECD の活動の中で一般にも知られているものの一つが、
PISA Programme for International Student Assessment 生徒の学習到達度調査 である。
15歳を対象として、読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーなどを国際的に調査する。

PISAの特徴は、学校で習った知識をそのまま再現できるかだけではなく、知識を実際の問題にどの程度利用できるかを見ることにある。
OECD が経済だけを扱う組織ではなく、社会制度全体を経済・生活水準・人的資本と接続して分析していることを示す代表的な例である。

国際課税

企業活動が国境を越えるようになると、一国だけの税制では処理しにくい問題が生まれる。
OECD は国際課税ルールの形成でも重要な役割を担ってきた。
代表例が、BEPS Base Erosion and Profit Shifting 税源浸食と利益移転 への対応である。
多国籍企業による利益移転などを通じた課税逃れに各国が協調して対応するため、OECD とG20を中心として国際的な枠組みが形成された。
ここでは OECD が単なる統計機関ではなく、国家間で共通ルールを作る政策協議の場として機能していることが分かる。

企業活動の国際ルール

OECD は企業活動についても国際的な基準を形成してきた。
その代表的なものが、OECD 多国籍企業行動指針 である。
また OECD は国際的な贈賄防止にも関与し、1997年には 外国公務員贈賄防止条約 が採択された。

IMF・世界銀行・WTOとの違い

IMF : 国際通貨・金融の安定
国際収支や為替、金融危機への対応などを担う。

World Bank : 開発金融
途上国のインフラ、教育、保健などの開発プロジェクトへ資金を提供する。

WTO : 国際貿易ルール
関税や貿易障壁などについて国際的なルールを形成し、加盟国間の貿易紛争を処理する。

OECD : 政策協調・比較・国際基準
各国の政策や制度を比較し、データ、分析、政策提言、国際基準を提供。
つまり OECD は、各国政府が政策について継続的に比較・協議するためのプラットフォームという性格が強い。

加盟国だけの組織ではない

OECD の活動は加盟国だけに限定されていない。
中国、インド、ブラジル、インドネシア、南アフリカなど、非加盟の主要国とも様々な政策分野で協力している。
さらにG20など他の国際的枠組みとも連携する。

世界経済における新興国の比重が高まったことで、OECD も「 先進国だけで政策を議論する組織 」という従来の枠を越えて活動するようになっている。

拘束力を持つもの・持たないもの

OECD が作るものすべてが国際法上の義務になるわけではない。
OECD には、異なる性格の成果物が存在する。
法的拘束力を持つものもあれば、加盟国に政策の方向性を示すものもある。

しかし法的強制力がなくても、多数の国が同じ基準を採用すれば、それが事実上の国際標準になることがある。
ここに OECD の特徴的な影響力がある。

国家を同じ物差しの上に置く

国際社会で大きな存在感を持っている理由の一つは、「 比較できる状態を作る 」こと自体が国家の政策に影響するからである。

それまで国内だけで議論されていた制度を、他国と同じ指標の上に置く。
自国の制度が世界の中でどこに位置しているのかが見えるようになる。
OECD は、国家間の経済協力だけでなく、政策そのものを国際的に比較可能にする仕組みを発展させてきた国際機関でもある。

戦後復興から現在へ

OECD の歴史は、第二次世界大戦 後のヨーロッパ復興から始まった。
デジタル経済、AI、気候変動、国際課税、教育、人口構造、企業統治、サプライチェーンなど、国家単独では処理しにくい問題へ対象を広げている。

Archive Point

OECD は、各国のデータと制度を比較可能にし、政府同士が政策を検証し、共通する基準やルールを形成するための国際的な政策協力の場である。

第二次世界大戦 後の欧州復興を調整する OEEC から始まった仕組みは、OECD へと発展し、現在では国家の経済・社会制度を国境を越えて接続する国際秩序の一部となっている。


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