なぐり丸とか、剥がれる赤だとか | 6月4週目の日記
6月21日(日) 父の日
もちろん、朝からそわそわしている。昼過ぎのサッカーが気になって仕方がない。この試合を見るために、家人は出張へ向かう飛行機の時間を夕方にしたという。
ワールドカップでは、日本は二戦目を落としがちだとか。蓋を開けてみれば4-0の快勝だ。
それにしても、知らないことばかりだ。
ボール全体がラインを割らなければ、ゴールが認められないなんて。試合中ずっと聞こえていた「おーにーっぽーん」のチャントもそうだ。長いこと、「また日本!」と歌っているのだと思っていた。「追加点は、また日本!」みたいな掛け声かと。呼び込み君的な。正しくは「バモ(ス)日本」だったらしい。
会場でメキシコの方々が日本を応援してくれていたと聞く。バモス!アミーゴ。
6月22日(月)
スーパーで値引きシールがついていると、つい買ってしまうのは団子だ。
第一巡選択希望選手は、よもぎあん団子。こし餡派だけど、団子の粒餡は許せる。近年、みたらし選手の評価も上がっている。競合必須で指名したいのは、ずんだ選手。ずんだ団子だけはもう、割引がなくても買うときすらある。
年々、パックに並ぶ団子たちが痩せていく。耐え凌げ、団子。なぜか、わたしだけ太り続けている。
6月23日(火)
しばらく読書があまりできていなかったので、今週はひたすら本を読むと決めた。図書館で何ヶ月も待っていた『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んでいる。
黙読なるものが広まったのは、明治時代初期のことらしい。それまでは読書といえば朗読だったという。この文化がなければ、わたしは読書をしない人間だっただろう。
高校生のころ、『指輪物語』の登場人物・馳夫さんを、ずっとはせおさんと読んでいた。ルビがなかったので、本当に合っているのか確信のないまま読み進め、最初は律儀に読んでいた詩のパートも、そのうち読み飛ばすことを覚えた。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』には、はせおさんはいない。つらぬき丸も、なぐり丸もない。
そういえば昔、実家の自室でどうにかテレビを見ようとして、テレビブースターを買った。クワガタの鋏のような2本のアンテナを、目いっぱい伸ばし勇ましくして、窓へガムテープで乱暴に貼り付ける。「電波ビンビン丸」と名づけた。コールドプレイのライブ映像(しかも一曲だけ)だけ、かろうじて映ったっきり、生き絶えた。
ずっと無駄遣いばかりしている。
6月24日(水)
二日かけて、ベッドリネンをひたすら洗濯している。
シーツはいつも日曜日に洗うから、それ以外のものを肌に近い順に、洗濯機へ放り込む。干したり、洗濯乾燥までかけたり、まちまちだ。
白いシーツなんてありきたりで、つまらないと思っていた。
あるとき、ふいに味気ない白いコットン生地でベッド周りを揃えたくなり、そうしてからは白以外、考えられなくなった。
朝、ただ白い光のなかで目が覚める。わたしには、なにもないが必要だった。
6月25日(木)
家人が出張から帰ってきた。北海道土産といえば、我が家ではいつもマルセイバターサンドなのに、今回は違う。律儀じゃないやつめ。
靴を脱ぐなり、ごそごそと鞄を漁り、花畑牧場の生キャラメルの詰め合わせを寄越す。
期間限定だか新作だかの抹茶味を開ける。もう蕩けちゃった。
6月26日(金)
日本対スウェーデンの前半を見過ごした。ソファーにノートパソコンを持ってきて、後半戦を耳で聞く。日本が先制した。
試合終了と同時に身支度を整え、そそくさと家を出る。
中学校の前で、ふたりの少年とすれ違った。こっそりサッカーを見ていたから遅刻したのか。いや、ふたりとも気まずそうに俯いている。こういうときに限って、歯医者だったりするんだよな。
閉まっている校門をそろりと開け、中へ入っていった。堕落した生活を送っているのは、わたしだけなのか。
それにしても最近、大きな地震が多い。
6月27日(土)
しまった。マニキュアを落とし忘れていた。
外出先で、爪先の赤いマニキュアが汚らしく剥がれかかっていることに気がつく。朝はまだ覚えていたのに。ハンカチをバッグに入れるまでは。
ああ、よりによって、こういうときだけ目立つ色を塗っている。せめて肌馴染みのいいベージュやピンク、あるいはラメやパール入りなら、誰の目にも留まらないのに。押しも押されもせぬ、マットな赤だ。
なにも悪いことをしていないのに、手を隠す。能もなけりゃ、鷹でもない。くそ
この記事は書籍紹介の際、Amazonアソシエイトを利用しています。
いいなと思ったら応援しよう!
よろしければ応援お願いします!いただいたチップは書籍費に使わせていただきます📚