タロットカード、なぜか毎回老けている
深夜1時。
私はパソコンの前で、
おばあさんについて
考えていました。
原因は、AIです。
いや。
正確には、赤猫さんの
タロットカードです。
赤猫さんが、AIに20問ほど
質問してもらい、その回答から
「自分を象徴する大アルカナ」
を選んでもらう遊びを
紹介していました。
正位置か逆位置かまで
判定してもらい、以前
作った動物キャラクターを
主人公にして、
タロットカードの画像を作る。
これは面白い。
やってみたい。
そこへ、偶然、おすすめに
表示されたのが
Raika & Reiさんの
やってみた記事。
読んでみると、なにやら、
わくわく冒険心に満ち溢れて、
俄然、こちらのやる気を
上げてきます。
ただし、私には気がかりな
ことがありました。
以前、誕生日タロット
というものを占い好きの
友人に教えてもらった
ことがあります。
生年月日の数字を計算して、
自分を象徴するカードを
出すというものです。
私の生年月日を計算すると、
中心になるカードは、隠者。
人格カードも、隠者。
魂のカードも、隠者。
私は、生まれながらに、
かなり念入りに山籠りを
推奨される人間の
ようなのです。
しかも、友人から見せられた
隠者のカードは、白雪姫に
出てくる、ローブを着た
おばあさんみたいな絵でした。
山奥で暮らし、たまに
毒りんごの仕入れに
行っていそうな雰囲気です。
さらに、王妃が鏡に詰め寄り、
白雪姫が毒りんごを食べ、
七人の小人が大騒ぎしている間に、
一人で雪山の奥地へ行き、
「そもそも鏡を信じてよいのか」
と物思いに耽る。
それが、隠者なる者の性格だと
いうのです。
冒険心どころか、
物語をまったく前に進めない
タイプの人間です。
でも、今回は、誕生日から
出すわけではない。
私は赤猫さんの記事に
書かれていたとおり、
AIに20問の質問をして
もらいました。
AIは、私を象徴する
カードを選びました。
「未桜さん、あなたを象徴する
カードが決定しました」
隠者
正位置
またお前か。
渋い顔をしながら、私は
画像を作ることにしました。
まずは、動物キャラクター
を指定せず、
「私らしい隠者のタロットカード
を作ってください」と頼みました。
出てきたのは、白雪姫の
おばあさんではありませんでした。

おばあさん予備軍です。
白雪姫の森にいたおばあさんが、
ほんのちょっと若返り、
パソコンを覚えたような姿です。
私らしくしてほしいのであって、
未来予想図を見せてほしい
わけではない。
私はすぐさま抗議しました。
AIは、失礼しました。
すぐに直しますと
言いました。
そして出てきました。

やはり、おばあさん予備軍です。
しかも、笑みを浮かべて
ランタンを見ている。
危ないタイプの人間です。
私は、人間をあきらめました。
以前、赤猫さんの記事に
教わって作った、猫と
フクロウとキツネを混ぜた
ような謎の動物キャラクター
をアップしました。
このキャラクターを、
隠者の主人公にしてください。
ただし、ちゃんと私らしく
してください。

謎の動物は頬杖をつき、
目を細めました。
口元には、世の中の仕組みなど、
だいたい見抜いております、
といわんばかりの薄い笑みが
浮かんでいます。
斜に構えている。
ずいぶん斜に構えている。
その顔は、どう見ても、
世界の浅さには、
もう気づいていますが
何か?と勘違いしている
顔です。
さらに机の周りには、
AIが気を利かせたらしい
メモまで貼られています。
「観察とは愛の一形態」
「AIは鏡。愚者は誰?」
「今日も世界はバグって
いる。(悪くない。)」
これでは隠者というより、
思想かぶれした
深夜二時の妖しい動物
ではないか。
でも、その瞬間。
私はまた一つ、
精神的無敵の人になりました。
AIの中には、隠者の
決まったスタイルが
あるようです。
ローブ。
頬杖。
老成。
思わせぶりな表情。
そしてランタン。
無敵だ。
最強だ。
私は、生粋の隠者である。
夜更かししている。
疲れてぼんやりしている。
ひねくれがちの目で
世の中を見ている。
それだけで、AIから
「隠者なる者は、深い」と
判断される人間である。
深夜のぐだぐだも、
ただの夜更かしではない。
机の前で頬杖をつきながら、
わかった風を装う隠者である。
