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ぬり絵作家を目指したはずが、少女漫画家になった

深夜1時。
私はパソコンの前で、
顔について考えていました。

原因は、AIです。
いや。正確には、ぬり絵です。

前回、私は、Kindle出版で
ぬり絵長者を目指しました。
そして、AIに絵を描いてもらおう
として、だいぶ苦戦しました。

横断歩道を渡らない小学生。
床に落ちたカッパに、
なぜか刺さる傘。
家の中で降る雨と繁る木。
帯に突き刺さる和傘。
背中の後ろで傘を持つ
着物の女性。

そこで私は、Claude先生に
相談しました。
「先生、このプロンプトの
どこがどうだめなんでしょうか」

するとClaude先生は、
冷静に教えてくれました。
「AIは、物体同士の帰属関係や
因果関係を追跡するのが苦手です」

人間なら「傘を持っている」
「だから傘の柄は手の中にある」
「横断歩道があるなら、
そこを渡るのが自然」と
無意識に考えます。

でもAIは、そこを常識で
フィルタリングしない。

記号は描ける。
でも、意味や機能を
理解しているとは限らない。
物理的な空間の整合性も、
かなり危うい。
しかし、プロンプトには
それが明示されていない。
まずは、視点、動作・位置関係・
除外を明示する必要がある。

さらに、赤猫さんの記事も
読みました。

赤猫さん、いや。
赤猫プロの話はこうです。

線だけで成立するぬり絵。
完成された絵を目指すAIに
とっては、難易度が高い。
まずは、情報量を減らす
必要がある。


そして、記事には、
具体的なプロンプトや
非常に完成度の高い
ぬり絵が紹介されていました。

もう、プロと呼ぶしかない
出来映えです。

私が苦戦していたのは、
ぬり絵の線画の前段階。
あとでぬり絵にしやすい
カラー画像。
つまり、線画にしたときに
破綻しない絵。

きれいな絵なら、AIは
いくらでも出してくれます。
でも、ぬり絵に向いている
絵は別ということです。

線が閉じている。
塗る場所がわかる。
主役と背景が混ざりすぎない。
細かすぎない。
でも、安っぽくもない。

言葉にすると簡単ですが、
AIに頼むと、だいたいどこかで
怪異が出ます。

しかし。
Claude先生と赤猫プロの記事の
おかげで、1本のプロンプトが
完成しました。

そして、ついに私は一枚の絵に
たどり着きました。

雨上がりの日本の住宅街。
赤い丸ポスト。
黄色い帽子の女の子。
ランドセル。
三毛猫。
青い鉢植えの白い花。

これは、かなり良い気がする。

これを、ぬり絵の元になる
カラー画像の基準にできる
ところまで高めよう。

もちろん、よく見ると気になる
ところはあります。
でも、いいのです。
それは、直せる。

しかし、一つ重大な問題が
ありました。

女の子の顔です。
かわいい。
とてもかわいい。

でも、私はじっと見ているうちに、
ある不安に襲われました。

この顔、どこかで見たことが
ある気がする。

いけません。
ぬり絵長者を目指すなら、
ここは大事です。

かわいいからいいや
では済みません。
パクリになってしまいます。

そこで私は、AIにお願いしました。

女の子の顔に既視感があるので、
もっとオリジナル感を出してください。
特定のアニメや漫画に似ないように
してください。
自然な子どもの顔にしてください。

AIは、すぐにこう言いました。
「未桜さん、承知しました。
では、既視感を消します」

私は、見てはいけないものを
見てしまいました。

猫を撫でているはずなのに、
どう見ても猫を媒介にして
向こう側と交信しています。

赤い丸ポストも、急に不穏です。

しかも女の子は、ちゃんと
こちらを見ています。
いや、正確には、こちらを
見ているのではありません。

こちらの後ろを見ています。

たしかに、特定のキャラクターには
似ていないかもしれません。
でも、女の子の顔は別ジャンルに
なってしまいました。

ホラー漫画です。
夜にぬったら夢に出る。

でも、その瞬間。
私はまた一つ、
精神的無敵の人になりました。

AIとの戦いは、まだ
終わっていませんでした。

そして今、私はかわいすぎる既視感と
既視感を消した結果のホラー化の
間で揺れています。

無敵だ。
最強だ。

私はもう、ただの
ぬり絵作家志望者ではありません。

読者をときめかせる、
少女漫画家です。

今日も私は、深夜のパソコンの前で
オリジナリティとカワイイの死守に
全力を注ぎます。


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