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100年後の脚注03

『紙の中の設計図』

A Blueprint Hidden Inside Paper

1926年の古い紙。

帝国劇場の資料の中に一枚だけ混ざっていた。

ただの図面に見えた。

細い線。
数字。
小さな記号。

舞台装置の設計図。

そう思われていた。


しかし
ある日、その紙を高解像度でスキャンした人がいた。
すると奇妙なことが起きた。


線が増えた。


拡大すると、さらに細い線が現れる。
さらに拡大する。まだ線がある。


その線は舞台装置ではなかった。

建物。


さらに拡大すると街区になる。

道路。
広場。
川。


そして、さらに拡大すると

まだ続く。


都市。


1926年の紙の中には都市の設計図が折りたたまれていた。


もちろん未来を予言していたわけではない。
ただ、人が空間をどう使うかを丁寧に描いていただけだった。


舞台。
建物。
街。

どれも同じ線からできている。


紙の中の線は世界の縮図なのかもしれない。


だから、どこまでも拡大できる。


いつか都市を越えて、まだ見たことのない設計図に
たどり着く、かもしれない。


第4話『閉じなかった劇場』

100年後の脚注 もくじ


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