AIラーマーヤナ|正義の設計 第6章
第6章|ラーヴァナという別解
ラーヴァナは、悪ではない。
この物語は、彼を単純な敵として扱わない。
彼は、別の設計思想を採用した王だ。
ラーヴァナは、欲望を切断しない。
知を抑制しない。
力を分離しない。
それらを統合したまま、
王であろうとする。
ラーマが排除したものを、
ラーヴァナは抱え込む。
感情、野心、誇り、恐れ。
それらを欠陥としてではなく、
統合すべき要素として扱う。
この点で、
ラーヴァナは人間に近い。
だから彼の王権は、
共感を生む。
恐怖も生む。
魅力も生む。
だが同時に、
不安定になる。
統合された王は、
状況に応じて判断を変える。
判断が変われば、
正義も揺れる。
ラーマーヤナが
この設計を採用しなかった理由は、
明確だ。
制御できないからである。
ラーヴァナは、
間違ったから滅びるのではない。
悪だったから排除されるのでもない。
彼は、
設計思想として選ばれなかった。
この物語は、
ラーヴァナを否定しない。
ただ、採用しない。
その選択によって、
ラーマーヤナの世界は
一時的な安定を得る。
しかしそれは、
人間的な要素を切り捨てた結果でもある。
ラーヴァナは、
その切り捨てられた可能性の集合体だ。
彼が「悪」と呼ばれるのは、
設計から外れたものに
名前を付ける必要があったからにすぎない。
——第6章、ここまで。
