「水曜日のダウンタウン」に学ぶ【03】 「その子の良さを引き出す」最適な居場所
僕はテレビ番組の中で『水曜日のダウンタウン』が大好きだ。
僕にとっては、木曜日の朝にTVerで家事や身支度をしながら見るのが習慣なので、実質「木曜日のダウンタウン」ではあるのだが。
先日は放送がお休みだったこともあり、少し過去の放送を振り返ってみたい。
衝撃の「あのちゃん」大喜利遠隔操作
何度見ても笑える、僕が衝撃を受けた説がある。
今や独自のポジションを築いている「あのちゃん」が世に放たれた瞬間とも言える、「ラヴィット!の女性ゲストを大喜利芸人軍団が遠隔操作すれば、レギュラーメンバーより笑い取れる説」だ。
朝の生放送『ラヴィット!』そのクリーンな空気の中で、可憐なあのちゃんが、裏で操る千原ジュニアさんや笑い飯・西田さんたちの「毒」を含んだ回答を次々と繰り出していく。
「ほぐした赤LARK」「矢田さんの削り歯茎」……そのギャップと、MCの川島さんが「何言うてんの!?」と本気で困惑し、生放送の現場がパニックになっていく様子は最高に面白かった。
彼女の浮世離れしたキャラクターと、鋭すぎる大喜利回答が「化学反応」を起こした、まさに伝説的な回だ。
「ひょうろく」という唯一無二のキャラクター
もう一つは、今やバラエティにとどまらず、唯一無二の存在感を放っているひょうろくさんの出演5回目となった、「怪しい高額報酬バイト、引き受けたが最後どんな怪しい匂いがするバイトだったとしてももう引き返せない説」だ。
水に浸かった臓器(実際は豚のハツ)を運ぶという、臓器売買を彷彿とさせる闇バイト風のドッキリ。
おどおどした仕草、消え入りそうな声、それでいて極限状態でもどこかズレた言動を放つひょうろくさん。
この回で改めて、その得体の知れない面白さに腹を抱えて笑った。
恐怖と戸惑いの中に、本人の隠しようのない個性が剥き出しになっていた。
バラエティの枠を超える「表現者」としての顔
驚くべきは、彼らが単なる「おもしろい人」に留まらないことだ。
あのちゃんはアーティストとしてだけでなく、俳優としても独特の空気感を纏い、作品に深みを与えている。
そしてひょうろくさんもまた、その特異なキャラクターを活かして俳優の顔も見せ始めている。
この2つの説からの大きな学びは、本人すら気づいていない隠れた個性や才能を見つけ出し、世に解き放つ「プロデュース力」の凄さだ。
お笑いに限らず、音楽やスポーツ、仕事でも、スカウトする人々の眼力は本当に凄まじいと思う。
バラエティという入り口でその個性を「正しく面白がられる」ことで、彼らの持つ表現者としてのポテンシャルまでが引き出されたのだ。
人は、置かれるポジションを間違えれば決して輝くことはできず、時には腐ってしまうことさえある。
逆に言えば、その人が最も力を発揮できる「正しい居場所」さえ見つかれば、一気に才能は開花する。
過去の笑いが、今の学びに変わる
数年前にこれらの放送を観た時は、ただ純粋に「面白すぎる」と笑い転げていただけだった。
しかし、不登校の息子と向き合っている今、改めて思い出すと、当時とは全く違う目線で多くのことを学んでいる自分に気づく。
今回の『水曜日のダウンタウン』から得た学びは、「どんな個性も、置く場所ひとつで唯一無二の光になる」ということだ。
僕にそんな人を見る目もなく、「その子の良さを引き出す力」もないけれど。
それでも、一番身近な息子だけは、彼が輝けるポジションをいつか一緒に見つけてあげたい。
無理やり何かを強いるのではなく、本人の個性を信じ、そっと寄り添い続けること。
息子がいつか自分らしく笑える居場所に辿り着けるよう、僕なりのやり方で支えていきたい。
笑いの影に、そんな大切な気づきをくれるこの番組と、素晴らしい企画に感謝したい。
