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【傑作編】フランツ・リストのおすすめピアノ曲

この記事ではフランツ・リストの代表的な傑作と目されているピアノ独奏曲を紹介します。ここでは象徴的な作品を取り上げようと思いますが、ここで紹介されていないからと言って、他の曲の重要度が低いということではありません。


ピアノソナタ S.178

フランツ・リストのピアノ作品の最高峰。主題変容の技法を使用し、多重構造の単一楽章であり画期的な作品。ワーグナーはこのソナタについて、リストへ「あらゆる概念を超越してこのソナタは美しく、偉大で、愛らしく、深遠で、気高い - まるであなたのように」という手紙を送った。
演奏はマルタ・アルゲリッチ。


暗い雲 S.199

リストの後期作品の代表作で演奏される機会も多い。リストが近代音楽の領域に踏み込んだ作品。リヒテル、ブレンデル、ポリーニ、ツィメルマン、エマールなど名だたるピアニスト達が取り上げ、リストの再評価を促した。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。


悲しみのゴンドラ I S.200/1

こちらもリスト後期作品の代表作に含まれる傑作エレジー。もともとワーグナーの死を予感した時に着想された。調性感は希薄。
ちなみに「悲しみのゴンドラ II S.200/2」も同等に素晴らしい作品です。
奏者マウリツィオ・ポリーニはリストの後期作品をシェーンベルクやシュトックハウゼンの作品群と共に取り上げることが多かった。


ダンテを読んで - ソナタ風幻想曲 S.161/7

ダンテの「神曲」をテーマにしているが、タイトルはユーゴーの詩からとっている。通称「ダンテソナタ」。三全音のインターバルが地獄を表現している。「巡礼の年 第2年 イタリア」という曲集の中の1曲。
演奏はアルフレート・ブレンデル。


ペトラルカのソネット 第104番 S.161/5

フランチェスコ・ペトラルカの詩による愛の歌。高貴で美しく非常に愛されている作品。こちらも「巡礼の年 第2年 イタリア」という曲集の中の1曲。
演奏はディヌ・リパッティ。


バラード 第2番 S.171

ロ短調ソナタと同じ時期に同じ調性にて作られた大作。ビュルガーのバラード「レノーレ」にインスパイアされて作られたという説あり。
演奏はクラウディオ・アラウ。


"泣き、嘆き、憂い、おののき" バッハの動機による変奏曲 S.180

バッハのカンタータの主題による大規模な変奏曲。
奏者アルフレート・ブレンデルはこの曲を2度録音している。そしてリストの傑作として言及している。


イゾルデの愛の死 - 「トリスタンとイゾルデ」より終幕 (ワーグナー) S.447

リストが生涯最後に鑑賞した楽劇「トリスタンとイゾルデ」より。この編曲は名作として認められ演奏される機会も多い。
ヴラディーミル・ホロヴィッツは死の4日前にこの録音を済ませたばかりだった。


エステ荘の噴水 S.163/4

ドビュッシー、ラヴェルへ与えた影響は大きく、リストはこの曲により「印象主義音楽の父」となった。ブゾーニが伝え聞くところによると、ドビュッシーはリスト本人によるこの作品の演奏を聴き仰天したとのこと。ちなみにラヴェルが弟子に「水の戯れ」をどのように演奏すべきかを問われた際に、「もちろんリスト作品のようにさ (comme du Liszt, bien entendu)」と答えたという。「巡礼の年 第3年」収録。
演奏はクラウディオ・アラウ。


オーベルマンの谷 S.160/6

タイトルはスイスを舞台とするセナンクールの詩「オーベルマン」による。チャイコフスキーが(その発言がお世辞でなければ)敬愛していた作品で、そのオペラ「エフゲニー・オネーギン」の「レンスキーのアリア」で主題を借りている。「巡礼の年 第1年 スイス」収録。
演奏はラザール・ベルマン。


「ドン・ジョヴァンニ」の回想 (モーツァルト) S.418

モーツァルトのオペラ「ドン・ジョヴァンニ」を基にしたリストのオペラファンタジーの代表作のひとつで、演奏される機会も多い。難曲としても知られ、スクリャービンがこの曲(とイスラメイ)の練習中に手を故障したことは有名。
演奏はフランソワ=ルネ・デュシャーブル。


小鳥に説教するアッシジの聖フランチェスコ S.175/1

2つの伝説の第1番。聖人の起こした奇跡を描写した壮大な作品。
演奏はヴィルヘルム・ケンプ。


波を渡るパオラの聖フランチェスコ S.175/2

2つの伝説の第2番。
演奏は同じくヴィルヘルム・ケンプ。


超絶技巧練習曲 第10番 S.139/10

超絶技巧練習曲 S.139」はほとんどがタイトルを付けられているが、こちらはタイトルなし。ソナタ形式。まれにこの曲が「熱情」と呼ばれることがあるが、それはブゾーニが付けたタイトル。
演奏はイーヴォ・ポゴレリチ。


夕べの調べ S.139/11

静かな情景と遠くから聴こえる鐘の音。オーケストラに匹敵する音響効果。雄大な作品。「超絶技巧練習曲 S.139」に収録。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。


孤独の中の神の祝福 S.173/3

単独で取り上げられることも多い傑作。付加6度和音がメシアンの宗教関連曲を予見している。「詩的で宗教的な調べ S.173」収録。
演奏はクラウディオ・アラウ。


死者の追憶 S.173/4

動機の変容により成り立っている巨大で型破りな作品。聖歌「深き淵より」の旋律を引用している作品。
演奏はスヴャトスラフ・リヒテル。


B-A-C-Hの主題による幻想曲とフーガ S.529ii

「B-A-C-Hの主題」というのは大作曲家バッハのスペリングだが、ドイツ音名でシ♭・ラ・ド・シを表す。オルガン曲の「B-A-C-Hの主題による前奏曲とフーガ」をピアノへ編曲したもの。
演奏はアルフレート・ブレンデルで、この録音はご本人もお気に入りの録音とのこと。


「ノルマ」の回想 (ベッリーニ) S.394

ベッリーニのオペラ「ノルマ」に基づく。ドン・ジョヴァンニの回想と並びリストのオペラファンタジーの傑作として見なされている。
演奏はマルク=アンドレ・アムラン。


スペイン狂詩曲 S.254

サブタイトルは「スペインのフォリアとホタ・アラゴネーサ」。「15のハンガリー狂詩曲」と一緒に出版されることが多かった。
演奏はエミール・ギレリス。彼は師であるゲンリヒ・ネイガウスをスペイン狂詩曲の演奏で圧倒したとのこと。



傑作と呼ばれる重要な曲はまだまだありますが、今回は代表的なものを挙げるにとどめておきます。




それではみなさま良い一日を



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