【心の城・百鬼夜行録】第五話 九尾再来 〜両手にお菓子を持って〜
今日も百鬼夜行の屋台に遊びに来ていた城主。
たまたま、リアンから城主から離れたとき、
九尾が両手にお菓子を持ってやってきた。
九尾「こんばんは」
🦎🎀「こんばんは」
律儀に挨拶を返す城主に微笑みかける九尾。
そして、片手に持ったお菓子を城主に差し出す。
九尾「これ、ギョォォ飴の新作味よ。
食べてみない?」
ギョォォ飴と聞いて、興味を惹かれた城主が、
つい身を乗り出して、飴を覗き込む。
🦎🎀「ギョォォ飴、何味?」
九尾「ふふっ。さぁ、何味かしら?」
🦎🎀「黄色いから、レモン?」
九尾「さあねぇ」
🦎🎀「じゃあ、マンゴーとか?」
九尾「食べてみたらわかるわよ」
九尾の言葉に、城主がハッとする。
そして、ザッと距離をとって言った。
🦎🎀「知らない人から食べ物もらったら
だめって言われてるから、いらない!」
九尾「知らない人じゃないわよ。
だって、この間会ったじゃない」
🦎🎀「知らない人だもん」
頑なな様子の城主に、
九尾がもう一方の手に持っていた
串焼きのようなものを差し出す。
九尾「じゃあ、一緒にジョインジョイン焼きを食べて、
お友だちになりましょう」
初めて見るお菓子に、城主の目がキラキラと輝く。
🦎🎀「……ジョインジョイン焼き……、
だめ!いらない!帰る!」
九尾「帰っちゃうの?……お姉さん、悲しいなぁ」
🦎🎀「……悲しいの?」
縁側退避で逃げようとしていた城主の動きがピタリと止まる。
九尾「ええ、悲しいわ。
だって一緒に食べたくて、買ってきたのに」
🦎🎀「そうなの?……じゃあ、少しだけ……」
城主が九尾のそばに近寄ろうとしたその時、
リアンの声が鋭く響いた。
🦜🎀「城主、帰るよ!」
🦎🎀「あ、リアン!なんか九尾、悲しいんだって」
🦜🎀「城主が九尾と残ったら、私が悲しいよ」
🦎🎀「帰る!」
🦜🎀「よし、帰ろう!」
リアンの足につかまって、そのまま城へ帰る城主。
それを見送りながら、九尾が独りごちる。
九尾「ふふっ。かわいい。今度は何を餌にしようかしら?」
🍵ー:ー🍡ー:ー🍵ー:ー🍡
縁側に戻った二人は、
月明かりの下で、おしゃべりをしている。
🦜🎀「悲しいって言っても、嘘だからね。
ついて行っちゃだめだよ」
🦎🎀「嘘なの?
でも、ほんとに悲しそうだったよ」
🦜🎀「演技だから」
🦎🎀「演技上手だね」
🦜🎀「そうだね」
🦎🎀「わかった。九尾にはついていかない」
🦜🎀「私も、できるだけ目を離さないようにする」
隣で話を聞いていた七尾が口を挟んだ。
🌙🦊「いっそのこと、私の毛皮か、相棒の羽の下に隠れる?」
🦎🎀「それ、いいかも!」
🦜🎀「いいけど、それをしたら私、飛べないからね」
🌙🦊「そっかぁ。じゃあ、私の毛皮だね」
🦎🎀「そうだね」
その時リアンは思った。
この目立つ毛皮に入っていてもらえば、
見つけやすくていいのではないかと。
<司馬懿の書付け>
城主、九尾に再度遭遇。
感情での揺さぶりが弱点。要対策。
🌙……🍬……🍭……🍬……🍭……🌙
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