『変態』のススメ:常識を疑い、未来を共創するビジネス哲学
はじめに:なぜ今、「変態」であることが最強の武器になるのか
皆さん、こんにちは。変態道場師範・宮木俊明です。さて、いきなりですが、皆さんはご自身を『変態』だと思いますか?
一部、喜んでいる人の顔も浮かびますが(笑)、多くの方は首を横に振るか、苦笑いされているかもしれません。「変態」という言葉は、一般的にはネガティブな響きを持ちますから。しかし、このNoteで私が皆さんと共有したい「変態」は、全く違う意味を持ちます。
私が定義する「変態」とは、こうです。
リターンではなく、自分の興味関心、使命感、大義等を行動原理とする感性と実行力を持ち、できない理由を並べず「どうしたら少しでも前に進むか」という観点で実働しながら、必要なリソースを自ら集めることを厭わず、これらの”プロセスそのものに快感を覚えている人
これは、私がこれまで取り組んできた新規事業開発や、趣味であるウルトラマラソンのような、結果が全く保証されていない不確実な挑戦を、それでも諦めずに変化・成長を続ける人々に共通する資質から導き出した定義です。彼らは、結果が出るかどうか以上に、その挑戦の過程、試行錯誤のプロセス自体を心から楽しんでいるのです。
私の持論はこうです。「世の中には2種類の人間しかいない。自覚的な変態と、それを隠している人だ」。
このnoteを通じて、皆さんの内に眠る「変態性」を解放し、それを仕事や人生を力強く前に進めるための、最強の武器に変えるヒントについて、以下の3つのテーマに沿ってお話しを進めてまいります。
私の原点: なぜ私が「変態」という生き方に至ったのか。
私の哲学: イノベーションを生み出すための核心、「三位一体開発」と「心理的安全性」。
皆さんの未来: 今日からできる、「変態性」を解放するための一歩。
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1. 私の原点:どん底の無職から見つけた光
1.1. 計画性のないキャリアの始まり
私のキャリアは、決して計画的に築き上げられたものではありません。むしろ、その時々の情熱と、偶然の連続でした。しかし、今振り返れば、その一見すると回り道に見える経験のすべてが、変化と成長に繋がっており、現在の私のビジネス哲学の土台となっています。
私は動物系の大学を卒業後、新卒で葬儀会社に就職しました。なぜその選択をしたのか?理由はただ一つ、「平日に休みを取ってロックバンドの活動を続けるため」でした。今思えば、キャリアの初期から複業的な生き方をしていたわけです。
5年間、葬儀ディレクターとしてやりがいのある日々を送りましたが、音楽への情熱を捨てきれず、ついに「音楽一本で生きていく」と決意して退職しました。しかし、現実は甘くありません。全く売れず、気づけば貯金も底を付き、総資産はもちろんマイナスです。車中泊をしながら全国のライブハウスを回る日々は、理想だけでは生きていけないという厳しい現実を私に突きつけました。これが、私の最初の大きな転機でした。
1.2. リーマンショックと人生のどん底
音楽の道を諦め、改めてビジネスの世界で生きていくために、まずは再就職しようと決意した矢先、今度はリーマンショックが世界を襲いました。求人サイトの掲載数が、文字通り1週間でみるみるうちに半減していくのを、ただ眺めることしかできない。あの時の絶望感は、今でも忘れられません。まさに「人生で一番のどん底」でした。
しかし、そのどん底の時期に、私には有り余るほどの時間がありました。その時間を使って、私は運動や瞑想、読書を通じたスキルアップ・自己啓発に勤しみました。そしてそれらのプロセスを「無職の力」と題したブログの執筆により公開しつつ、そこから始まる読者との交流にも没頭していました。特に内省の時間は、自分自身の価値観を深く見つめ直し、社会の物差しではなく、自分自身の物差しで物事を考える訓練となりました。ツラく苦しい状況の中でも、ブログ読者との交流を楽しんでいる自分がいる。そしてそれらのプロセスを通じて自ら変わり続けること。後に私が『プロセスそのものを楽しめる変態性』と呼ぶものの原点となったのです。
1.3. いきあたりばったりの人生から変態性を発見
どん底からなんとか社会復帰した私は、まずは専門商社の営業担当としてスタートし、なんと、4年連続でトップ営業になることができました。その後、スタートアップの創業代表として業界初となるサービスの立ち上げ〜イグジットも経験しつつ、新規事業開発コンサルティングをスタート。それから教育ITベンチャーの事業責任者+研修講師などを経て、自身の会社を創業した後に、現在所属する大企業、コニカミノルタへとたどり着きます。
サラッと書いてしまいましたが、(この後少しだけお話しますが)、これらの間に様々な苦悩や葛藤が合ったことも事実です。沢山の失敗も経験しました。その中で、一見するとバラバラに見えるこのキャリアパスが、私に多種多様な視点と泥臭い経験をもたらしてくれたことも間違いありません。
そして、中学生の頃に生徒会をやっていたことや、バンド活動も含めて、人生を振り返ったときに、ある気付きが私の中に生まれました。それは、私は人生を通じて常に「人前で喋り続けている」ということです。実際に、特にリアルな会場で多くの人の前で話をしている時、私は「帰ってきた」という感覚を覚えます。これが私の一つの変態性であり、「好きなやり方」なのです。
1.4. 異色の経歴と変態性が「ヨソモノ」としての強みになる
生まれて初めて大企業の一員となった時、私は自分自身のことを明確に「ヨソモノ」だと認識しました。しかし、それは決して弱みではありませんでした。私は「ルールは守るが、慣習は疑う」というスタンスを貫きました。なぜなら、多くの人が当たり前だと思っている「慣習」こそが、新しい価値創造を阻む最大の壁であることが多いからです。この「ヨソモノ」としての視点を「人前で喋る」という変態性と組み合わることで、強力なメッセージ力につながります。これが既存の枠組みにとらわれずにイノベーションを推進する上で、大いなる武器となりました。
このように、一見すると回り道や失敗に思える経験こそが、他人にはない独自の視点、すなわち「変態性」を更に育む豊かな土壌となります。そして、この『ヨソモノ』として組織を俯瞰した経験から、イノベーションには優れた事業アイデア(新規事業開発)だけでなく、それを実行する人の成長(人材開発)と、挑戦を許容する文化(組織開発)が不可分であると痛感しました。この気づきが、私の哲学の核心である「三位一体開発」へと繋がっていくのです。
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2. イノベーションを加速させる「三位一体開発」
2.1. なぜ3つの開発が同時に必要なのか
イノベーションは、単発の天才的なアイデアや、一個人の才能だけで生まれるものではありません。むしろ「変態達による饗宴」こそが必要なのです。そのためには、変態性を持続的に発揮するステージと、変態性を育み合う支援の仕組み、そしてそんなステージや仕組みを組み上げることが許容される組織があって初めて可能になります。これらを実現するのが、私が提唱する「三位一体開発」なのです。
「三位一体開発」とは、「新規事業開発」「人材開発」「組織開発」の3つを切り離さず、一体のものとして同時に推進し、変態を増産するアプローチです。
新規事業開発だけを進めても、それを担う変態人材が育たなければ続きません。
人材開発だけを行っても、その変態性を発揮する場がなければもとに戻ってしまったり、転職してしまったりするでしょう。
組織開発だけをしても、その豊かな土壌に人やプロジェクトが芽生え循環しなければ、やがて土壌は枯れていきます。
この3つが三位一体となって初めて、挑戦が生まれ、人が育ち、組織が進化するという、イノベーションの好循環が生まれるのです。
2.2. 「個業化・孤業化」との戦い
効率化のもとに高度に進んだ分業体制とリモートワークが普及した現代、私たちの組織には静かなる病が蔓延しています。それが、仕事が個人で完結し、チームを蝕む「個業化」。そして、人を孤独に追い込み、挑戦の意欲を奪う「孤業化」です。どんな変態でも1人ではイノベーションは起こせません。
私は断言します。「あらゆる目標達成の敵は、孤独である」と。
仕事は一人に押し付けるものではありません。チームで取り組むべきです。例えば、私は「2人前の仕事は、1人前ずつに分けるのではなく、2人前のまま2人をアサインする」というアプローチを推奨しています。一見非効率に見えるかもしれませんが、これによってお互いが学び合い、スキルが向上し、結果として一人が休んでも前に進み続けられるレジリエンスの高いチームが生まれます。これは、人材開発と業務効率化を両立させる鍵なのです。
そしてチームを加速させるためにもう一つ大切なことが、「誰もやったことのない新しいことに協働的に取り組む」ことです。まさに新規事業がこれに該当しますし、必ずしも新規事業でないとしても、ちょっとしたことでも、全員がフラットに挑戦できるなにかに取り組むことがチームを強化することにつながります。
そして、この様な協働を通じてお互いを理解し合い、フィードバックし合うことが、変態性の発見や言語化にもつながるのです。
「三位一体開発」の思想の根底にあるのは、個人を孤独から解放し、チームで挑戦することで変態性を発揮するための土壌を作ることです。そして、その土壌に不可欠な栄養素こそが、次にお話しする「心理的安全性」なのです。
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3. 挑戦の土台としての「心理的安全性」
3.1. 「ぬるま湯」ではない、本当の心理的安全性
「心理的安全性」という言葉を聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。残念ながら、多くの人がこれを「仲良しクラブ」や「ぬるま湯」のような状態と誤解しています。しかし、本当の心理的安全性はその真逆です。この本質を理解することが、挑戦する組織文化を作る第一歩となります。
心理的安全性の正しい定義、それは「業務上、言うべきことを言い合っても、人間関係が毀損される恐れがない状態」です。
むしろ、お互いに厳しいフィードバックを避け、問題を見て見ぬふりをする「ぬるま湯」組織こそ、心理的安全性が極めて低い状態なのです。
私には原体験があります。若い頃、業務効率化のために新しいシステム導入を提案した際、役員からの承認を得ていたにも関わらず、現場から「余計なことをするな!」と信じられないほどの猛反発を受けました。私の進め方が独善的であったことは否めないので、その点は反省するばかりなのでうが、それでも尚、何か新しいことを口にするたびに否定され、心が折れるような経験を何度もしました。正直、「怖い」とまで感じたことは、今も度々思い出すほどです。
この時、組織から「お前は間違っている」というメッセージを受け取ることの恐ろしさを肌で感じました。だからこそ、私が作るチームでは、まず「提案や挑戦をしたこと自体が正しい」というメッセージを伝え続けることが、何よりも重要だと考えているのです。失敗を恐れずに、誰もが安心してアイデアを口にできる。言おうとしたとを引っ込めるのではなく、とりあえず言ってみる、ことができる。そんな土台があって初めて、人の変態性が発露され、イノベーションの芽が育つのです。
3.2. 「信頼関係」か「売上」か
私は経営者やリーダーの方々によくこう問いかけます。「人との信頼関係と売上、どっちが大事ですか?」。この問いに、多くのリーダーが言葉に詰まります。その一瞬の沈黙こそが、組織が抱えるジレンマの象徴です。
しかし、「人的資本経営」だとか「心理的安全性のある組織」を本気で標榜するのであれば、答えは一つしかありません。「人との信頼関係に決まっている」と言い切れる様にしなければならないのです。なぜなら、短期的な売上のためにメンバーとの信頼関係を犠牲にする組織は、中長期的に必ず衰退するからです。
人や関係性への投資は、投資対効果が測れないから決断が難しい、という声もよく聞かれます。しかし、GEのジャック・ウェルチは「効果は分からんが10%は投じる」と言い切り、丸井は人的資本経営をスタートした以降に生まれた新規事業の収益を全てその投資効果と見なす、という独自の物差しを適応し、トップダウンで断行しました。この様に、トップが覚悟を持ち、「リーダーとメンバーの関係性を損なってまで売上を取りにいくな!」という明確なメッセージを発信して初めて、現場は安心して変態性を発揮しあい、挑戦に向き合えるのです。
3.3. 心理的安全性を育む具体的なアクション
では、具体的にどうすれば心理的安全性を高めることができるのか。私が実践しているいくつかのアクションをご紹介します。
社内勉強会 バカデミーと名付けた「バカみたいな質問が賞賛される」をコンセプトにした勉強会を開催しました。どんな初歩的な質問でも歓迎される場を作ることで、誰もが安心して発言できる文化を醸成しています。
双方向のフィードバック 私が部下にフィードバックをするだけでなく、必ず本人や周囲のメンバーに「この前の私からのフィードバック、どうだった?」と、「自分のフィードバックに対するフィードバック」を求めます。これにより、上司と部下という関係を超えた対等な関係性を築き、私自身のマネジメントを改善する機会にもなっています。
失敗の捉え方 私のチームでは、「失敗は挑戦の証であり、失敗させた周りが悪い」という考え方を共有しています。誰かが失敗した時、個人を責めるのではなく、「なぜ周りはサポートできなかったのか」「どうすれば仕組みで防げたのか」を全員で考えます。個人ではなく、仕組みで解決する。この文化が、挑戦への恐れを取り除きます。
心理的安全性が確保された土壌があって初めて、人々は失敗を恐れずに挑戦し、その人本来の「変態性」を存分に発揮できるようになるのです。
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4. 変態性の実践:プロセスを楽しむ力
4.1. 成果主義がイノベーションを殺す
先行きが不透明なVUCAの時代において、従来の成果主義はもはや機能不全に陥っています。なぜなら、新規事業のような不確実性の高い挑戦において、成果は約束されていないからです。こうした挑戦には、これまでとは全く異なるマインドセット、すなわち「変態性」が必要となります。
新規事業の成功確率を上げる唯一の方法は何か。それは、「挑戦の回数、つまり打席に立つ回数を増やすこと」です。
実際に、新規事業において成功を収めやすいのは、「成果目標」を重視する人よりも、「成長目標」を重視する人だという研究もあります。
たとえ結果が出なくても、「このプロセスを通じて何を学んだか」「どんなスキルが身についたか」という成長そのものに価値を見出し、楽しめる力。これこそが、私が定義する「プロセスそのものを楽しめる変態性」です。この力こそが、数えきれない失敗を乗り越え、挑戦を続けるための唯一無二の原動力となるのです。
4.2. 自分の「好き」を突き詰め、仲間を集める
私のライフワークの一つに「親子の休日革命」という活動があります。これは、私自身の子どものスイミングスクールでの原体験から始まりました。観覧席で多くのお父さんお母さんが、ただスマホを眺めて時間を過ごしている姿を見て、「大人と子どもの学びの分断を終わらせたい」という個人的な、しかし強い情熱に火がついたのです。
この個人的な「好き」や「課題意識」から始まった活動は、多くの仲間を巻き込み、ついにはソーシャルビジネスのコンテストで日本一に輝くまでになりました。
この様な社会活動も含め、社内外の仲間たちとの協働の場では、LEGO® SERIOUS PLAY®のようなグローバルで活用されているメソッドも活用し、参加者全員が楽しみながら対話し、想いを形にすることを大切にしています。これは仕事でも全く同じです。小難しい理屈や計画よりも、「面白そうだからやってみよう」という「面白さドリブン」で物事を進めることが、人を巻き込み、創造性を最大限に高める鍵なのです。これは単なる遊びではありません。「面白そう」という感情は、人の最も強い内発的動機です。このエネルギーを事業の推進力に変えることこそ、凡庸な計画書を凌駕する、最も確実なイノベーションの起こし方なのです。
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5. 結論:今日からあなたも「変態」になろう
5.1. 最初の小さな一歩を踏み出す勇気
ここまでお話ししてきたように、「変態性」とは、一部の特別な人だけが持つ才能ではありません。それは、誰もが内に秘めている情熱や好奇心そのものです。
しかしながら、未だその様な変態性に目覚めることができていない方が「変態」に自覚的になるために、皆さんにぜひ実践してほしいことがあります。それは、「今までやったことのないことをやる」ということです。
それは、本当に些細なことで構いません。「頼んだことのないメニューを注文してみる」「いつもと違う道で帰ってみる」。どんなに小さなことでも、未知の体験「自分史上初」はあなたの思考の枠を拡張、あるいは破壊し、新しい可能性に気づかせてくれます。
そしてどんなときにも、以下のDIY、でろ(D)・いけ(I)・やれ(Y)を実践してみてください。
• でろ(D):安全圏から「出ろ」。既成概念やルーティーンから抜け出せ。
• いけ(I):課題の現場へ「行け」。現場を自分の目で見よ。
• やれ(Y):小さくても「やれ」。まず形にして、反応を確かめよ。
社内に仲間がいなければ、社外に一人目を見つけに行きまし
ょう!
5.2. All You Need Is Action!
最後に、私のミッションを改めて宣言させてください。 それは、「社会に新たな価値を創造する挑戦者を増やすために、挑戦者と共に楽しみながら、自らの新たな挑戦を発信し続ける人」ことです。
このNoteを読んでくださった皆さん一人ひとりが、それぞれの持ち場で最高の「変態」として、挑戦者となってくださることを心から願っています。
必要なものはすべて揃っています。あとは行動あるのみ。
All You Need Is Action!
最後までお読みいただきありがとうございました☆
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是非御覧ください!!
