変態はなぜ社会を変え、そして排除されるのか
前回、そんな話を書いた。
個人レベルで見ると、変態は孤独になりやすい。
しかし、つながることで力を持つ。
では、この構造をもう少し引いて見たとき、何が見えてくるだろうか。
■ 変態とは「創造的破壊」の担い手である
変態は、ズレている。
既存のルールや前提に対して、どこか違和感を持っている。
だからこそ、新しいものを生み出す。
しかしそれは裏を返せば、
既存のものを壊す
ということでもある。
ここで思い出したいのが、経済学でいう「創造的破壊」という概念だ。
新しい価値は、古い価値を壊しながらしか生まれない。
つまり、
変態とは、社会における「創造的破壊の装置」である
と言えるのではないか。
■ なぜ、変態は排除されるのか
ここで重要な問いが生まれる。
なぜ、価値を生み出すはずの変態は、しばしば排除されるのか。
それは、社会が同時に
秩序を維持する必要がある
からだ。
社会は、常に二つの力の間で揺れている。
壊す力(変態)
守る力(秩序)
変態が増えすぎれば、社会は不安定になる。
しかし、秩序が強すぎれば、社会は停滞する。
つまり、
変態は必要だが、同時に危険でもある
という、非常に扱いづらい存在なのだ。
だからこそ、組織が変態を排除するのは、
悪意ではなく「正常な免疫反応」とも言える。
■ 免疫反応の中で、変態はどう振る舞うか
この免疫反応は、変態にとって一つの試練になる。
どこまで削ぎ落とすか
どこまで柔軟に振る舞うか
が問われる。
しかし同時に、
絶対に手放してはいけない“核”も存在する
それを失ったとき、変態はもはや変態ではなく、
秩序を強化する側に回ってしまう。
ただし、それもまた一つの選択だ。
人はいつでも、再び逸脱することができるのだから。
■ 変態の評価は「社会側の設計」によって変わる
ここで見えてくるのは、
問題は変態ではなく、社会の設計にある
という視点だ。
同じ変態でも、
変化を前提とした社会では「挑戦者」になる
安定を重視する社会では「逸脱者」になる
つまり、
変態の価値は、環境によって決まる
■ 成熟社会におけるジレンマ
この問題は、成熟した社会ほど深刻になる。
なぜなら、
壊す必要性はあるが、壊すコストも大きい
からだ。
雇用が失われる
産業が衰退する
地域が疲弊する
その結果、
変態は
小さく飼い慣らされるか
外に流出するか
あるいは沈黙する
ことになる。
しかし忘れてはならない。
今の「秩序」もまた、
かつて誰かの変態性から生まれたものだということを。
かつての革新が、
今の制約になっている。
■ それでも、変態は消えない
どれだけ抑え込んでも、変態は消えない。
なぜなら、
違和感は、構造から必ず生まれる
からだ。
むしろ抑圧が強いほど、
変態は地下でつながる。
そしてそこで、
よりしぶとく、より本質的な形で進化する。
■ 「仲間の生態系」という第三の道
ここで一つ、重要な可能性が見えてくる。
それは、
社会全体を壊さずに、変態を機能させる方法
だ。
つまり、
創造的破壊を“局所化する”
という発想である。
組織の中に小さな実験場をつくる
外部に緩やかなネットワークをつくる
安全圏と挑戦圏を分ける
こうした場では、
変態は排除されず、
かつ全体の秩序も壊さない。
私はこれを「秘密基地」と呼んでいる。
半径5メートルだけ、ルールを変えていい場所。
それが、変態が生き延びるための条件になる。
※秘密基地に関してはこちらもご参照ください
■ 変態は「関係性」で機能する
ここで重要なのは、
変態の力は、個人ではなく関係性の中で発揮される
ということだ。
一人の変態は、単なる異物で終わる。
しかし、
複数の変態がつながると、
それは文化になり、構造を持ち始める。
そしてそのとき初めて、
局所的な創造的破壊
が可能になる。
■ 問いは「どう壊すか」に変わる
ここまで来ると、問いは変わる。
「どうやってイノベーションを起こすか」ではない。
どのように壊れることを許容するか
である。
完全に壊すのか
ゆっくり壊すのか
部分的に壊すのか
これは、
社会観であり、組織観であり、
そして個人の生き方でもある。
■ おわりに
変態は、社会を前に進める。
しかし同時に、社会を揺るがす。
だからこそ、
変態を増やすだけでは足りない
必要なのは、
変態が機能できる「関係性」と「場」をつくること
だ。
変態は、感染する。
その感染は、個人を越え、チームを越え、
やがて社会のあり方そのものにまで及ぶ。
もしあなたが変態であるならば——
次に考えるべきは、
どうやって仲間を増やすかではない。
どんな場であれば、変態が壊れずに機能できるのか
そして、
自分はどのような「有益なエラー」として振る舞うのか
そこに、次の進化のヒントがある。
変態が仲間とともに社会を変えていく方法ついては
こちらも参考にしていただきたい。
最後までお読み頂きありがとうございました☆
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