文字を持たなかった昭和 続・帰省余話1~たった半年ちょっとで

 昭和の鹿児島の農村を舞台に、昭和5(1930)年生まれのミヨ子さん(母)の来し方を軸にして庶民の暮らしぶりを綴っている。

 これまでも日頃のミヨ子さんの様子をメモ代わりに書いているが、先だっての帰省の際のもようを本項からしばらく書いてみたい。半年ほど前にも帰省のエピソードを書いたので「続」である。

 今回強く印象に残ったことが三つある。

 まず衝撃だったのは、今冬亡父の年忌で帰省してからまだ半年ちょっとしか経っていないのに〈190〉、ミヨ子さんの様子がずいぶん変っていたことだろう。前回は、ある程度の距離ならまだ杖を頼りに自分の足で歩けたが、今回は「立ち上がれない」「立ち上がっても脚に力が入らない」「歩き始めても途中で膝から崩れる」といった場面がままあった。排泄方面での失敗も増えた。

 二つめは、「ミヨ子さんが動けるうちに」という孝行心(?)から計画した外泊が、結果的に本人に負担をかけたり、混乱させたりしたであろうこと。ミヨ子さんの心身の状態についてはそれなりに情報収集してあったし、もちろんミヨ子さんと同居している兄家族と相談し、最終的に「いいんじゃないの?」というGOサインをもらったうえで、ではあったが、認識が甘かったと言わざるを得ない。

 上の2点を簡単にまとめると、体力も認知機能も思ったより低下していた、ということだ。

 そしてもうひとつは、「ミヨ子さんのため」と思って計画したことだったとしても、つまるところは自分(たち)の自己満足なのではなかったか、という悔悟だ。

 家族の結論としては、日帰りの簡単な外出ならともかく、この先泊りがけの外出は難しいね、ということになった。それらも含め、郷里での出来事や感じたことなどをしばらく綴ってみようと思う。

〈190〉前回の帰省については「帰省余話」127で述べた。


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