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Esther Phillips – Burnin' (Live At Freddie Jett's Pied Piper, L.A.) (1970)

アトランティック時代最後の作品です。この後KUDUに移籍してスターとなる彼女ですがここではすでにそれと共通する音楽性を見せています。そしてメンバーが豪華です。キーボードが3人、ベースはアコースティックとフェンダーが一人ずつ。さらにオーバーダブではありますがホーンセクションが3人、ライナーノーツはカーメンマクレーとなっています。演奏もボーカルもアップではノリよくスローではディープなブルースに染まっています。

メンバー
エスターフィリップス:ボーカル
リチャードティー、ポールグリフィン:オルガン
ジャックウィルソン:アコースティックピアノ、エレピ
コーネルデュプリー:ギター
チャックレイニー:エレクトリックベース
アイクアイザックス:ウッドベース
ドナルドベイリー:ドラム
ジョージェントル:フルート
キングカーティス:テナーサックス
ジョーニューマン:トランペット

キングピンズ人脈が参加していますがドラムがジミースミスの右腕のドナルドベイリーなのが面白いです。そんなわけでよく見かける名前が多いですが数人なじみのない人物もいます。ジャックウィルソンはピアニストでブルーノートやパシフィックなどで作品を残しています。モダンジャズがメインの人なのでこういった作品での参加は珍しいです。録音地がLAなので現地で合流したのかもしれません。アイクアイザックスもモダンジャズ系のベテランベーシスト。前年にウィルソンの作品に参加しているためその縁かもしれません。

Don't Let Me Lose This Dream
軽快にスウィングしながらも粘りのある演奏がソウルフルです。ホールアレンジははベニーゴルソンKilor Joe っぽくしてあります。

And I Love Him
ビートルズのカバーで彼女の代表曲の一つです。ソフトなのにディープなソウルで後半はドアーズのLight My Fireになります。コーネルデュプリーのギターとそこに絡むユセフラティーフのフルートがエモーショナルで最高です

Cry Me River
 In The EveningやGoin' To Chicago、Stormy Mondayなどとメドレー形式。シャッフルビートの軽快なブルース。キングカーティスのソロもオーバーダブとは思えないほどハマっています。

I'm Gettin' 'long Aliright
スローテンポのソウルジャズでコーネルデュプリーのブルージーなソロが最高です。ソロ以外も弾きまくるわけではないですがボーカルや他の楽器の合間に隙間を埋めたりレスポンスするように短いフレーズを入れてくるのもスルメ的な良さがあります。エスターの歌い方は伝統的なブルーススタイルで最高にコッテコテです

Release Me
エスター初のヒット曲です。元はカントリーのようですがここではジャズボーカルにアレンジされています

Makin' Whoopee
軽快にスウィングするバラード。ダイナワシントンのバージョンに似ていて聴き比べると楽しいです。

IF It's The Last Things I Do
スローテンポのジャズバラード。ピアノトリオを核にオルガンやギター、フルートがアクセントを付けますがフルートが最高です。

Shangri-La
これも前の曲と似たようなスタイルのバラード。

Please Send me Someone To Love
ブルースのスタンダードのカバー。温もりのあるオルガンが印象的です。こオルガンとアコピの組み合わせのジャズっぽいソウルやブルースにハズレはないように思います

コネクション:ジョージェントル
ジョージェントルというのは1970年から72年にアトランティックのわずかな作品に参加したセッションミュージシャン。と思いきや実はユセフラティーフの別名義!本作のほかにはクラレンスウィーラー、レイブライアント、ロバータフラック(ダニーハサウェイとの共演含む)、ジミースコットの作品にこの名前で参加しています。独自の美学に基づいた音楽をやっていた彼がこうしたセッションミュージシャンをしているのは意外です。