まだ過去を愛せない。
過去のせいで、わたしは今こんなに苦しい。
過去のせいで、わたしは今も傷ついたまま。
過去のせいで、人を信じるのが怖くなって、
未来まで不安になって、
ひとりぼっちな気がしてしまう。
そんなふうに、
気づけば何度も
「過去のせいで」って考えてしまう。
そしてそのたびに、
わたしは過去を憎みそうになる。
「あの出来事がなければ」
「あの人に出会わなければ」
「あの時、違う選択をしていれば」
そんな“もしも”ばかり考えて、
どうしようもない過去を責め続けてしまう。
でもきっと、
過去を愛せない理由って、
ただ過去がつらかったからだけじゃない。
今のわたし自身が、
まだ今の
「わたし」
に満足できていないからなんだと思う。
だから人は、
苦しい理由を探してしまう。
「自分が悪い」と思い続けるのは苦しいから、
無意識に何かのせいにしたくなる。
そして一番責めやすいのが、
もう反論してこない
「過去のわたし」
なんだと思う。
でも、
その「過去のわたし」だって、
あの時はあの時で必死に生きていたはずだった。
上手くできなかったかもしれない。
間違えたこともあったかもしれない。
逃げた日も、
泣いた日も、
どうにもならなかった日もあったと思う。
それでも、
あの頃のわたしは、
あの頃のわたしなりに頑張っていた。
誰にも褒められなくても、
誰にも理解されなくても、
ちゃんと苦しみながら生きていた。
それを全部、
今のわたしが否定してしまうのは、
なんだかすごく悲しいことな気がする。
もし突然、
未来のわたしが現れて、
「今のお前のせいで、わたしは苦しい」
「お前がちゃんとできなかったからだ」
そんなふうに言ってきたら、
きっとわたしは悲しくなる。
「わたしなりに頑張ってるのに」って思う。
完璧じゃなくても、
毎日ちゃんと苦しみながら考えて、
悩みながら生きているのにって。
きっとみんなも同じなんだと思う。
自分では
「わたしなんて全然頑張ってない」
って思ってしまう日もあるかもしれない。
でも、
他人には見えないところで、
ちゃんと耐えてる。
ちゃんと悩んでる。
ちゃんと今日を生きてる。
だからきっと、
「あなた」は「あなた」なりに、
もう十分頑張ってる。
だからわたしは、
せめて自分だけは、
「過去のわたし」を見捨てたくないと思った。
不器用だった「わたし」も、
傷ついていた「わたし」も、
間違えた「わたし」も。
全部まとめて、
“わたし”だったから。
「今のわたし」も、
「過去のわたし」も、
そしてこれから先の
「未来のわたし」も。
誰かに愛されなくても、
せめて自分くらいは、
ちゃんと味方でいてあげたいと思った。
あの日のわたしは、
あの日のわたしなりに、
ちゃんと生きていたから。
でもきっと、
こんな綺麗なことを書いても、
ふとした瞬間にまた思い出す。
「あの時のわたしのせいで」
って。
何年経っても、
許せない過去が急に苦しくなる夜もあると思う。
だから、
現状に満足してないわたしはまだ。
わたしは、「わたし」に満足するまで、
過去を愛しきれない。
いずれは愛せるように。
心の底から。
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