見出し画像

チェンソーマン最終回に怒った。夢オチってサイテー。それでも、俺はこの漫画が大好きだ。

チェンソーマン最終回を読んだ。泣いた。
3秒後に『ん?』ってなった。

⚠️チェンソーマン第2部ネタバレ感想です。


最終巻


━━━━━━━━━━━━━━
㊗️400スキ達成❗️
━━━━━━━━━━━━━━
ありがとうございます‼️


90スキ達成❗️レゼ編感想はこちら💣


深夜0時。
いつもと同じ夜だ。

違うのは、チェンソーマンが終わることだけ。
この日だけは、誰の感想も見たくない。

暗がりのなか、ひとりスマホを開いた。


ページをめくる。ボロ小屋で目を覚ますデンジ。
右目がない。犬も飼いてえな、とつぶやく。
ポチタはいない。

…ああ、本当に全部消えたんだ。

悪魔に襲われるデンジ。1話をなぞるような展開。胸を貫かれ倒れる。そして、パワーが現れた。

全裸で暴れて、悪魔をぶっ飛ばして、デンジに契約を迫る。変わってなさすぎて、泣きそうになった。

第1部の終わりで交わした「約束」の形はめちゃくちゃだけど、パワーはパワーのままだった。

ナユタもいた。アサもいた。
みんな、生きてた。

…よかった。

そう思った、3秒くらい。


そのあとに「アレ」とハテナが浮かぶ。
んー?なんかあれ??


なんだなんだ、これ。
なんだ、この感覚は…!

「…で、それでいいんだっけ?」


自分の中から、声がする。

…いや。


よく、ないんじゃない?!



【第1幕】怒りたくなる理由は、全部正しい


最終回の翌日SNSを見たが、案の定、荒れていた。
いやまあそうだよな、そりゃあな…。

「夢オチじゃん」「ぶん投げ」「打ち切りみたい」
「今まで読んできた時間を返せ」

わかる。全部わかるぞ。
だって、未回収の伏線を数えたら、指が足りない。

ちょっとまず、一緒に考えてみないか?
落ち着いてな、整理してみよう。

とりあえず、未回収を5個くらいあげてみる。
他にもたくさんあるけど、とりあえずな。

①パワーとの契約はどうなった?

第1部の終わり、デンジはパワーと契約した。
内容はこうだ。「地獄で血の悪魔を見つけて、またバディに戻してくれ」
第2部でもデンジ自身がこれに触れていた。

だが、デンジが地獄に行くことも、血の悪魔を探すことも、何もないまま世界がリセットされた。約束は果たされたのか? パワーは目の前にいる。でも、あの約束をした世界線じゃない。

そうそう、さすがにパワーいきなりすぎないか?
カタルシスもクソもないね??

②偽チェンソーマン誰だった?

誰だったのか。何がしたかったのか。
シルエット毎回違うよね?

亜国セイギ説が有力だったけど、答えが出ないまま物語が終わった。複数いた?

ユウコが悪魔化したあと、シルエットだけ出たチェンソーマンって誰?俺の理解不足か?

③吉田ヒロフミって何者だった?

デンジを追い詰めるための「スイッチ」として自爆し、そのまま退場。一人称が「俺」と「僕」でブレていた理由も、彼が本当に何を守ろうとしていたのかも、闇の中だ。

多重人格説とかさ!ほら!
悪魔が身体にいるからアサとヨルの関係…、
みたいな…さ!ないか!!

④ナユタって雑に殺されたまま?

第2部終盤でバルエムにより生首にされる。
本誌でのホクロの誤植とか、憶測しかなかった。
結局あっけなく殺されていたのか。

実は生きてるよーん!✌️
とかないよね、そりゃないか…。あれよ!

⑤コベニの契約悪魔ってなんだったの?

最後まで「秘密」のまま。
第2部には登場すらしなかった。あの異常な能力の理由を、永遠に知ることができない。

コベニ弟とかもなんだったんだ。
猿の悪魔だか、運の悪魔とか、さあ!
盛り上がってたじゃん?! いや、そうでもないか…。

あー…、なるほどね、理解した。
怒るって、そりゃそうだわ。

怒りたくなる理由は、全部正しいんだ。
だってこれマジで投げっぱなしだ、全部。

第2部に4年間付き合ってきた読者が「今までの時間はなんだったんだ」と感じるのは、それだけ本気で読んでいた証拠だ。

伏線を追い、考察を重ね、毎週水曜日を楽しみにしていた。あーでもないこーでもない。

その時間が「無かったこと」にされた。
気持ちは、俺にもわかった。

えーっとさ、、

なんで、こうなっちまったんだ?


【第2幕】なぜ「夢オチ」にキレるのか

そもそも、なんでこんなに荒れてるのか?

チェンソーマンに限った話じゃない。
「夢オチ」という言葉が出た瞬間、読者はキレる。

古今東西、物語の歴史の中で「夢オチ」は最悪の終わり方として嫌われてきた。

シンプルに言うと「お前に使った時間を返せ」だ。

俺たちは漫画を読むとき、キャラクターに感情を預けている。デンジが泣けば胸が痛いし、パワーが暴れれば笑うし、アキが死ねば悔しい。

その「感情の貸し借り」が、物語と読者の契約だ。
夢オチは、その契約を一方的に破棄する。

「全部夢でした」は「お前が泣いたあの場面、意味なかったよ」と言われるのと同じだ。

ゲームに例えると分かりやすい。

夢オチは、100時間かけたセーブデータの全消去だ。レベルも装備もストーリーの進行も、全部消える。そりゃコントローラー投げるだろ。

一方で、夢オチでも許される、というか名作として残ってるやつもある。オズの魔法使い、インセプション。

ああいうのは「強くてニューゲーム」なんだ。世界はリセットされても、主人公の中に経験値が残ってる。夢の中で得たものが、目覚めた後の現実を変える。だから納得できる。

じゃあ、チェンソーマンはどっちだ?
全消去か。強くてニューゲームか。


…正直、分からない。

デンジは記憶を失ってる。1部も2部も覚えていない。経験値は、少なくとも表面上はゼロに戻ってる。

でも、ポチタの心臓はまだ胸の中にある。
これが「全消去」なのか「引き継ぎ」なのか。

そこもまた、曖昧であやふやなのが、最終回への評価を分ける境界線だ。

もはや正解はない、が正解かもしれない。


【第3幕】俺が見たかった最終回


第1部が終わって、俺はこう終わると思っていた。

デンジがパワーとの約束を果たす旅に出る。
地獄で血の悪魔を見つけて、もう一度パワーに戻す。その過程で、ポチタの正体や、チェンソーマンが食べてきた概念の意味が明かされる。生き残りのコベニやウェポンズであるレゼとの再会とか、そういうのだ。

そういう「冒険の続き」を期待していた。

第2部が始まってからは、パワーの生まれ変わりと出会うエンドかな。とか考えた。

記憶はないけど、何か通じ合う。

1部のラストでナユタと出会ったように、デンジが新しいパワーと出会って、「また一からやり直すか」といって新たな家族を作る。みたいな、


そういう「再会」を期待していた。

どちらも来なかった。

藤本タツキは、俺たちの「こうなってほしい」を全部飛び越えて、もっと手前に着地した。

手前というのは、文字通りの意味だ。
物語が1話まで巻き戻った。

デンジは1話のボロ小屋にいて、右目がなくて、悪魔に襲われて死にかけている。

ただし、チェンソーマンはいない。
パワーが来た。

これが、俺の中でずっと引っかかっている。

このパワーって、別世界線のパワーってだけで。
契約したパワーとは違うんじゃないか?

最初からやり直した世界でたまたま出会っただけじゃないか?

なんか、モヤモヤする。
君はどうだ? どうなるって思ってた?


【第4幕】藤本タツキは何を描いた

一旦、自分の中で整理したい。

「伏線回収」「物語の整合性」
「伏線の美しい着地」

これは、俺たちが漫画に求めるものだ。

それ自体は間違っていない。

じゃあ読者の気持ちじゃなくて、漫画家「藤本タツキ」は何を考えてたのか?

藤本タツキが描き続けてきたものは、たぶん、そこじゃなかった。

思い出してほしい。
デンジの夢は、最初から最後まで「普通」だった。

ジャムを塗った食パン。家族、友達。恋人。
第1部で手に入れかけて、全てなくした。

2部でまた手に入れようとして、今度は全てもろともぶっ壊された。

そんなデンジにポチタは言った。
「デンジは地獄の中じゃなきゃ、天国を見つけられない」


この言葉を額面通りに受け取ると、デンジは、
ずっと不幸でいないと、幸せを感じられない主人公
ということになる。

…ぇええ〜!!?
タツキ先生怖すぎるって!!!



【第5幕】混乱と空想のあいだで

デンジがチェンソーマンを望むかぎり、永遠に幸せになれない。なんでやねん。可哀想すぎる。

しかも、その幸せは底辺ギリギリの生活にあったってこと??

じゃあなにかい、今までデンジの本当の幸せはなかったっていうのか?

早川家での団らんも、アキに涙を流したこともさ、マジすか。そりゃないぜ先生。

落ち着こう。
藤本タツキを、理解しようとすること自体が難しすぎた。言語化の壁のむこうにいるお方だ。

まとめると、みんなが怒っている理由はこれだ。

今までのデンジが感じた喜びとか繋がりとか、そういう色んなものは本当の幸せじゃなかったよ。

↑んなわけねーだろ!!(怒

ふー、理解できた。



でもさ。これさ、もしかして…。
藤本先生って、デンジか?

…いや、違う。そんなはずはない。

藤本タツキ先生は「僕はMで、高圧的で理不尽な女性が好き」とか「大学卒業までにデビューしなかったら死ぬ」とか「長門は俺」って名前のアカウントで「浮遊する俺」というジャンプするだけの動画をニコ動にアップしたり。そんなやつだ。

今からぁ…浮きましゅ…。

やっぱりおまえデンジか?!

混乱してきた。
デンジがタツキ。

ポチタは夢を叶えてくれる存在。
タツキの夢は漫画家、漫画家の夢を叶えるのは…。

…ん?

なんか引っかかるぞ。
頭おかしくなってきた。

ポチタって林さん…?マテマテマテ!

林士平りんしへい…藤本先生と15年くらい一緒の元集英社の編集マン

林)人気がなくて、打ち切られる前に、急に意外な方向に舵を切るっていうギャンブルみたいなことも減っている。どうせ終わるんだったら、なんでもやってみればいいとぼくは思いますが。

→昔はそういうことが平気でできていたと。

林)生き残るためには、考えたでしょうね。
もう連載が終わってしまうっていうときに、物語をきれいに閉じるか、物語が壊れてでもギャンブルするかっていう二択があったと思うんです。

遮二無二生き残りをかけてギャンブルするかどうか、そこは、作家さんの美学の問題になってくる。いまだと、そういう状況で、ギャンブルを打ちましょうって編集側が提案できるかどうかは怪しいですね。

ほぼ日の学校よりインタビュー抜粋

藤本タツキにとっての「ギャンブル」がこの最終回だったのかもしれない。

チェンソーマン(大ヒット漫画)を生み出したが、そこはデンジ(藤本タツキ)の幸せではなかった。

だからポチタから抜け出して、1人で新たな夢を叶えてくれ。って言ったのか?

考えてみれば、ポチタとデンジの契約は最初からこうだった。

「心臓をデンジにあげる代わりに、デンジの夢を自分に見せてくれ」


…考えすぎだ。


こういう謎メタ考察みたいな駄文が、作品に水を差すのだ。気をつけなければならない。

じゃあどういうことだよぉ〜〜!!


(最終回レビューなのにエモくならない)

ちょっと視点を変えて。
最終話のタイトルは「ありがとうチェンソーマン」
これは誰の言葉だろう。

デンジの言葉?
デンジはチェンソーマンを覚えていない。

読者の言葉? いや、
ありがとうと素直には言えない。

たぶんポチタの言葉だ。
ポチタはずっと、デンジの夢を見ていた。

夢を見せてくれて、ありがとう。
抱きしめてくれて、ありがとう。

あの心臓が最終話でスヤァと眠っている描写がある。スターターのリコイル(紐)も消えている。

もう誰にも引っ張られない。
ポチタは、眠ることを選んだんだ。

エモい


【第6幕】理屈じゃない話をする

…ここまで書いてきて、自分でもわかっている。

まずこの記事は「チェンソーマン擁護」じゃない。

正直な話。
伏線は未回収だし、第2部の後半(特に落下の悪魔以降)が駆け足(分かりにくい)だったのは事実だし、吉田も偽チェンソーもへったくれもない。

ここから話すことは、否定意見に対して「いや、実は良い最終回だったんだよ!」と言いたいわけじゃない。

でも、一つだけ確かなことがある。
俺はこの漫画と7年間を過ごした。

毎週水曜日の朝、通勤前の25分間で、ワクワクしながらチェンソーマンを見ていた。それは本当。

アサの過去ってなんだ?水族館のデンジ大人になったな!チェンソーマン協会ってなんだろう?

ワクワクした思い出、それは消えない。

リセットされた世界で、デンジの記憶は消えた。
パワーもアサもナユタも、みんな以前の記憶を持っていない。

でも、俺は覚えている。読者も覚えている。

俺は、最終回の前にnoteで「デンジへ」という手紙を書いた。

「幸せは、甘くて美味しいものを毎日食べるんじゃないんだ。苦くて、辛くてさ。たまに食べるから美味いんだよ。それは、お前が教えてくれたことだ。」

デンジへ

最終回をむかえた今、この言葉をもう一度噛みしめている。

リセットされた世界のデンジは「ほどほどに幸せ」そうだ。地獄じゃない。天国でもない。
でも隣にパワー(バディ)がいる。

俺は、デンジが幸せそうなら、それでいい。
なんか、そんな簡単な結論に至った。


物語としての美しさとか、伏線の回収率とか。
少年漫画のセオリーとか、そういう物差しで測れない場所に、この最終回はあるんだろう。

測れないから、怒る人がいる。それは正しい。

測れないけど、ここにいるデンジとパワーを見て、「よかったな」と思う俺もいる。それも正しい。

デンジはずっと、そういう主人公だった。

理屈じゃなくて「うまい飯」「えっちしたい」「犬と暮らす」それだけで前に進める男。

そんなデンジの最終回。
理屈で採点するのは、なんか違う気がするんだ。


【最終幕】終わりよければ全てよくない


最終回の感想をまとめろと言われたら、こうなる。

物語としては、未完成だ。
投げっぱなしだ。
第2部のことを「名作」とは呼べない。

でも、チェンソーマンという漫画が俺の人生に残したものは、伏線の回収なんかじゃなかった。

普通の毎日が、どれだけ尊いか。
友達がそばにいることが、どれだけ贅沢か。
飯を食えることが、どれだけ幸せか。


それを教えてくれたのは、借金まみれでゴミの中でポチタと寝ていた少年だった。

…キレイにまとめようとするなって?

もうキレイになんねーよ、エモくならん。

文章がとっ散らかってるし、まとまりも主張もどっちつかず。俺の文章のなかに、校正者はいない。

チェンソーマンもそんな感じだったしな。
こういう散らかってるのも、許してほしい。

でもまあ、らしい感じで終わったと思う。

飯を奢ってくれそうな先輩たちもいるようだし。
アサにだって会った。

デンジも、うまくいきそうじゃん?

だったら、それでいい。
いいんだ。

ありがとう、チェンソーマン。


素直に言えなかった。


それでも、俺はこの漫画が大好きだ。


(了)


「❤️」は、誰でも(noteにアカウントを作っていない方でも)押すことができます。この投稿を「いいな」と思った方は、気軽に押してもらえると嬉しいです。もちろんフォローも嬉しいです!


チェンソーマン 最終巻


チェンソーマン 小説版

いいなと思ったら応援しよう!

もっぐ@カクヒト スキボタンクリック👆❤️ 頂くと、励みになります!

この記事が参加している募集