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世界各地の動きが示す不安定な国際情勢


 今週はいくつもの大きな出来事が相次ぎました。2025年9月7日には石破首相が辞任発表し、フランスではバイル首相が不信任となり、ルコルニュ氏が新たに首相に就任しました。9月10日にはフランスで予定通り大規模なデモが実施され、500人以上が逮捕される事態にもなりました。

 さらに、イスラエルがカタールに滞在していたハマスの幹部を殺害する攻撃を行ったというニュースもありました。また、ポーランドではロシアのドローンが領空を侵犯し、緊張が高まる場面もありました。アメリカではチャーリー・カーク氏が殺害されるという衝撃的な事件が発生しました。ネパールでは大規模な暴動が起こり、20人以上が亡くなり、首相が辞任する事態にもなっています。

 このほかにも多くの衝撃的なニュースが重なり、本当に一週間で起こったことなのかと思うほどでした。あまり軽々しく話すことができないような深刻な内容も多く、今週の出来事を振り返りながら私自身が感じたことや、これまで触れられなかったことをまとめて説明したいと思います。

ネパールの暴動とその背景

 まず取り上げたいのはネパールでの大規模な暴動です。今回の暴動は首相辞任や政権崩壊にまで発展しています。
 
メディアではZ世代の若者が暴動を引き起こした、格差拡大や政治家の汚職への不満が爆発した、という説明がなされています。これほど多くの人々が集まり、破壊的な行動を一斉に起こすのに、まったく政治的な主張がないというのは極めて稀なことです。政治的思想を持った集団が無党派層や若者たちを巻き込んで動かすのか、あるいは既存の政治的勢力が便乗していくのか、その時々の状況で違ってきますが、全く政治性を帯びない大規模暴動というのは普通では考えにくいのです。

 今後様々な情報が出てくると思いますが、今回のケースでは中国寄りの政権が暴動によって倒れているため、それと敵対する勢力が関わっていた可能性もいずれ浮上するかもしれません。

上海協力機構の首脳会議と国際情勢の変化

 ネパールの暴動とは直接関係がないかもしれませんが、9月前半に開催された上海協力機構の首脳会議も非常に注目すべき動きだったと考えています。日本のメディアでは北朝鮮の金正恩氏の立ち位置が大きく取り上げられていましたが、今回の会議には前回以上に多くの国が参加し、2024年から2025年にかけて国際情勢が大きく動いていることを示す場になったと思います。

 上海協力機構(SCO)の第25回首脳会議が8月31日~9月1日、中国天津市で開催され、多国間貿易体制を支持するとした「天津宣言」を発表した。首脳会議には、今回の会議を主宰した中国の習近平国家主席のほか、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領、インドのナレンドラ・モディ首相らが参加した。

ジェトロ【2025/9/3】

 例えば、加盟国ではないインドネシアがゲストとして招かれ、国内で暴動が発生したため大統領は訪中を取りやめましたが、結局その後プラボウォ大統領は訪中し、軍事パレードに参加するとともに習近平氏との会談も行いました。ネパールも加盟国ではありませんが、対話パートナーとしてオリ首相が出席しました。オリ首相は中国寄りの政策を進めてきた人物であり、インドのモディ首相とも会談を行っています。

この混乱を受けて、2025年9月3日の上海協力機構の首脳会議に、インドネシアのプラボウォ大統領は欠席することを発表しました。

インドネシアでの暴動とその経済的背景

 2024年はアメリカ大統領選前で誰が勝つか分からない状況にあり、上海協力機構も大きな動きを取りにくかったのですが、2025年に入りトランプ政権となり、中国やインドへの締め付けが強まる中で、グローバルサウス諸国が連携を強める動きが目立つようになっています。ネパールのように経済規模は小さくても、インドと中国の狭間に位置する地政学的重要性を持つ国は、国際政治の流れに大きく関わる存在となります。今回の暴動もそうした背景の中で捉える必要があるでしょう。

イギリス副首相の辞任と国内経済への影響

 一方、先週から今週にかけて起きた出来事の中で、あまり大きく報じられていないのがイギリスでの副首相アンジェラ・レイナー氏の辞任です。
 発端は些細な問題でした。彼女は労働党の政治家で、貧しい人々に寄り添う姿勢を掲げてきましたが、今年イングランド南部のブライトンに約1億6,000万円の住宅を購入しました。ブライトンは日本でいう湘南のような場所で、夏には海水浴を楽しむ人も多い地域です。

ブライトンはロンドンから車で約2時間南に行った海沿いの町で、サッカー日本代表の三笘薫選手が所属するクラブがあることでも知られています。ロンドン在住の日本人にも馴染み深い場所で、夏にはビーチで遊ぶ人が集まり、日本で言う「湘南」のような雰囲気のエリアです。

イギリスの財政難と「ピア」入場料導入の話

 ところが、副首相を務める立場でブライトンに居住することは実質的に不可能であるにもかかわらず、彼女はその住宅を主な居住用として申告し、税負担を軽減していたことが発覚しました。実際には別荘としての購入であるにもかかわらず、住んでいるように見せかけて税金を逃れていたのです。住宅不足が深刻で公共住宅の建設を担当していた人物がこうした行為をしていたことは国民の反感を買い、辞任に追い込まれました。この件は以前から繰り返し疑惑として取り沙汰されてきたもので、彼女は常に批判を受けやすい立場にありました。

 副首相辞任後、次の後任人事が注目されています。労働党政権は11月26日に来年度の予算計画を発表予定ですが、昨年の秋には増税を示唆し、それ以降イギリス経済の成長率は大きく落ち込みました。今年も財政的に厳しい状況は変わらず、再び増税が実施されるのではないかという不安が広がっています。

イギリスの失業率

 実際、イギリスの失業率は4.7%に達し、コロナ禍以来の水準となっています。特に失業者の53%が飲食業などのホスピタリティ業界に集中しており、今年春の増税で企業負担が増加したことが店舗閉鎖やリストラを加速させました。こうした状況を受け、イギリス経済は不安を抱えながら11月の予算計画を迎えることになります。

不安定な国際情勢

 世界各地で同時多発的に政変や混乱が起きており、それぞれの地域で異なる背景を持ちながらも、国際社会全体が不安定化していることを示しています。今後の国際情勢はさらに緊張をはらむ展開が続くと考えられます。


ご参考

私の考え
 現在、世界経済は低迷が続き、どの国も苦しい状況です。その中で、比較的マシなのがアメリカ経済ですが、それも実際にはテック業界に依存している状態です。

世界経済の見通しとアメリカのテック業界の影響

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