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インディフィニト・ノート 31話

<前話までのあらすじ>

鶴居の全体重が乗った技をギリギリ回避した西田と挑発をした鶴居で、我慢比べのタックルが始める。最後は西田の技に軍配が上がり、鶴居を失脚させると黒崎との対戦が始まった。ベタなヘッドロックの攻防から仕掛けられて
いた西田が強烈な技を繰り出して脱出に成功する。その後、西田の額から血が流れて目に入ったことによって雰囲気がガラリと変わっていた。

1話は<1~5P>こちらから
30話は<146~150>こちらから

         31話<151~155P>

 黒崎は頭部と腹部のどちらを守るか迷っていた。距離を詰めてくる西田は右膝曲げた状態で高く上げた。そこから身体を横向きにして顔の前付近に右
腕を構えて左拳は顎辺りにキープしている。真っすぐというよりは、やや後ろに反っているように見える。

 この姿勢を簡単にバランスを取って睨みを利かせている。
(この構えはムエタイか?)
 タイの国技である立ち技最強と呼ばれる事も多い格闘技だ。黒崎が真っ先に浮かんだのが前蹴りだったがネタばらししてる状態で、しかもコーナーに追い詰めての前蹴りは無いと判断して足技のローキックとミドルキックを警戒するガードを選択した。

「良い選択だ」
 西田は膝を降ろしたと同時に左ミドルキックを黒崎の右ガードの上から強めに入れて一瞬動きが止まった。そこを見逃さずに首相撲(両手で相手の首を抱え込む技術)の展開からのボディへの膝蹴りを入れる。

     151

「グフッ」
 黒崎は、ここに来てプロレスしかやってこなかったことに後悔を感じ始めていた。初めて受ける打撃の痛みに耐えられず、くの字に曲がった所を西田は右腕から肘打ちを繰り出した。額をカットする方ではなく側頭部に叩きつける技を放つ。暁

「しばらく、おねんねしてろ」
「……」
 ノーガードの状態の打撃を2連続も貰ったので黒崎は意識が飛んで踏ん張る力が抜け落ちて尻もちを着いた。西田は額の血をハンカチで拭った。

 レフリーが居れば間違いなくダウンカウントが取られていたであろう状況だった。西田は、右腕を高々と上げて勝利ポーズをしたかと思うと背中を向けて対角線のコーナーへ移動する。そこから体の向きを変えてロープにもたれかかってニヤッとした後、中央まで走り込んで来る。

 鶴居は危険を感じて黒崎の背中をタッチしてリングに入り、素早く相棒の前に出ると指一本触れさせないという気迫を前面に漂わせていた。

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 ムエタイの練習中に自分の目に血が入った時に相手をボコボコにした記憶が蘇って一方的に攻撃をしてしまった事に気付く程に冷静を取り戻した西田はプロレス思考に戻ってドロップキックを繰り出した。鶴居はドロップキックの飛んでくる位置を見定めて拳を内側に向けて顔の下で両腕を隙間なく合わせての両手ガードを披露した。

 少年漫画の王道に登場する有名なガードに、改良を重ねた『クレインガード』だ。鶴を英語で発音した時の呼び方に由来している。腕が鬼のように太い鶴居だからこそ、助走を付けたドロップキックを受けきれるだけの自信があるのだ。

「何て頑丈なブロックだ」
 反対に吹き飛んでいる西田は目を丸くしながらも攻撃の手を緩める素振りは見せずにロープワークで、かく乱しようと試みる。

 鶴居は黒崎の肩を2回叩いてから自力で目を覚ます事を願いながら攻撃のチャンスを見極めるべく西田の動きに注目して前に出ていく。
 自分の横を追い越そうとする瞬間を見逃さずに西田に水面蹴りを放った。 

     153 

 動いてる相手に対して決めるには熟練が必要な技ではあったが幼なじみの黒崎に練習に付き合って貰った成果が現れる形となった。西田の足を引っかける事に成功したのだ。
「西田、決まったぞ!」

「……」 
 普通ならダメージが入る程、状態が前のめりになったのだが運動神経抜群の西田は、平然と両手をマットに着いてダメージ逃がした。もちろん勢いを殺すことは出来ないので慣性の法則のまま、足がロープの方向へ放り出された。

 普通はロープの手前で倒れて受け身を取るのだが距離も瞬時に、判断していたのでハンド・スプリングが実現して、そこからロープの反動を利用して後ろ向きに方向変換して相手にエルボーを放った。
「やらせねぇよ」

 鶴居はハンド・スプリング・エルボーを予想して肘が当たっても倒れないように西田の体を側面から両手でしっかりと受け止めた。誰にでも出来る訳ではないだけにドヤ顔は説得力があった。 

     154

「マジかよっ」
 流石に決まると思ってた大技だけに精神的ダメージは計り知れない西田。鶴居は西田を一度、マットに降ろして向かい合わせにした状態で直ぐに喉元に地獄突きを一発放った。

「うっつ」
 西田の頭が下がった所を見逃さずに鶴居が相手の頭部を腋に抱え込んでから相手の左手を自分の頭の後ろへ移動させる。そこから残りの腕で相手の下着を掴んで西田の身体が逆さまになるように真上に持ち上げた。

 かつては四大(パイルドライバー、バックドロップ、ジャーマン・スープレックス、ブレーンバスター)必殺技と形容することもあったブレーンバスターの体勢を維持している。ここから相手を後方へ反り投げる技である。

 派生技に頭から落とす垂直落下式もあるが受け身が取りやすい背中から落とすイメージが一般的だった。西田も、どちらが来ても良いように覚悟を決めていると鶴居は相手を抱えた状態で静止を三秒してから向きを変化させて行く。

     155

         31話<151~155P>  

32話は<156~160P>こちらから
1話は<1~5P>こちらから

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昌人っち(五十嵐 昌人) 父親(ドラクエマニア)から譲り受けた変速自転車(損傷)の部品交換代&おやつ代に当てたいと思います✨ あなたの応援が力になります! 

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