【ルーツ旅🌺寺社と神話を訪ねる⑧】もう1つの三ツ鳥居と卑弥呼の墓
4年前の春。私は、大神神社に参拝したのとは別の道から帰ることにしました。
▼日本で一番古い道「山の辺の道」


標識の右側に続く道は、「山の辺の道」といいます。大神神社から北方向の奈良市へと続く、日本最古の道です。


暖かい日差しの中、幅2mほどの細い道をてくてく歩いて行きます。

道端にはたくさんの歌碑があります。まるで桜を大きな花瓶にいけたみたい😆

のどかな景色が両側に広がっています。

ここは蓮池。きっと水のある季節には、蓮の花がきれいに咲くのでしょう。

日本最古の八大龍王・弁財天の看板がありました。行ってみたい気もしますが、残念ながら時間がないので先へ進みます。
▼玄賓庵の不思議な伝説



ここは玄賓庵という小さなお寺です。平安時代の高僧・玄賓が修行したといわれ、世阿弥作と伝えられる謡曲「三輪」の舞台としても知られています。
あらすじは次のとおり。
さびしいお寺で修行をする玄賓のもとに、毎日、お供えの花と水を持ってくる美しい女性がいました。その女性はある日、「衣を1枚ください」と玄賓にねだり、玄賓は言われるままに貸し与えます。どこに住んでいるのか尋ねたところ、女性は、「我が庵は三輪の山本、恋しくは訪い来ませ杉立る門」と言い残して姿を消しました。
玄賓が後を追って三輪明神(大神神社)の近くまで来ると、2本の杉に、先程女に与えた衣が掛かっており、木陰から女性の姿をした三輪明神が現れました。その女性は、三輪明神の化身だったのです。
謡曲の最後には、この有名なセリフがあります。
おもへば伊勢と三輪の神
一体分神の御事
今さら何といわくらや
つまり、伊勢神宮の神様と大神神社の神様の正体は同じということですね。色々な想像ができて面白いです。
ちなみに、その衣がかかっていた杉の木は、衣掛杉として大神神社の中にあります。
▼もう1つの三ツ鳥居
玄賓庵を出たら、しばらく山の中を歩きます。

10分もたたずに、開けた場所に出ました。桧原神社です。

ここは昔、宮中に祀られていた天照大御神を別の場所で祀るためにあちこち移動させた最初の場所らしく、「元伊勢」と呼ばれています。


桧原神社には大神神社と同じく、珍しい三ツ鳥居がありますが、見たところ、真ん中の扉が開くタイプではなさそうです。

▼お茶屋さんで一休み
桧原神社に参拝したあとは、この道をまっすぐに降りて行きますが、その前にお茶屋さんで一休み。




わらび餅と、冷たい甘酒でほっと一息つきます。

そのあとは、この道をずっと下まで歩いて行きます。両側には満開の桜。とても気持ちのいい道です。ぜひ大神神社に参拝したあとは、ここまで足を延ばしてみてください。



桜が満開なのに、ほとんど歩いている人はいません。お花見の穴場ですね。


▼卑弥呼の墓といわれる箸墓古墳

なだらかな坂を下り切ったところで、ご神体の三輪山を眺めます。いい景色だなあ。もう東京に帰らないで、ずっとここにいたい気分です😆

さらに数分歩くと、こんもりした小山が見えてきました。


池に浮かぶのは、箸墓古墳。最も古いタイプの前方後円墳です。地元の人に聞いたところでは、全国にある古墳の大半は、この箸墓古墳の縮尺で作られているそう。

宮内庁によると、被葬者は、第 7 代孝霊天皇の皇女・ 倭迹迹日百襲姫命だそうです(ややこしい読み方…💦)
箸墓古墳の名前で気付いた人もいるかもしれませんが、ここは私が前に書いた、大物主神の正体が蛇だと知って驚き、箸で女陰を突いて亡くなったお姫様のお墓だといわれています。
お姫様の死後、この古墳は「昼は人が造り夜は神が造った」と『日本書紀』に書かれているとか。
箸墓古墳は、一説には卑弥呼の墓とも言われており、古代ロマンが好きな人にはたまりません😆
▼駅のホームからは纏向遺跡が見える
山の辺の道はまだまだ続きますが、時間の関係で、私はこの近くの巻向駅から奈良駅に戻ることにしました。
駅のホームから、纏向遺跡が見えます。

巻向遺跡からは、西暦135~230年の桃の種が約2800個見つかっています。祭祀のあとで捨てられた可能性が高いということで、ここに卑弥呼がいたという根拠の1つになっています。

駅のそばには、柿本人麻呂の屋敷跡もありました。1300年も前の家の跡って、さすが奈良……😅
▼おまけ:美しい湖の中の神社へ
この旅の1年後、同じルートを娘と歩きましたが、さらに先日(2022年3月下旬)、夫もまじえて3人で山の辺の道を歩きました。
今回は時間があったので、気になっていた日本最古の八大龍王・弁財天を参拝しました。予想以上に素晴らしい場所だったので、最後に写真をあげておきますね。

八大龍王の看板が出ていた、右側の土手を上ります。ちなみに、正式名称は「龗神神社」。諸説ありますが、龗神は「おかみのかみ」と読むようです。

湖の向こうに社殿が見えます。

社殿の左側をぐるりとまわって進んでいくと、鳥居の裏側に出ます。

鳥居は湖の中に立っています。

参拝するためには、この小さなほこらの前にまわりこんで立たないといけません。足元のスペースは30センチもなく、きっとこれまでに何人も湖に落ちた人がいるはず……💦
私はなんとかお賽銭箱にお賽銭を入れて、手を合わせました。

社殿につながる橋から、鳥居の写真を撮りました。

満開の桜の下に立つ鳥居が、とてもきれいです。皆さんも、機会があればぜひ訪ねてみてください。
寺社と神話を訪ねる旅は、まだ始まったばかりです。
ぜひまたそのうちに✨
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