【すごい博物館097】新宿ミニ博物館「内藤新宿太宗寺の文化財」:江戸時代から伝わる新宿の文化を拝観!
新宿ミニ博物館 閻魔大王に会える 無料
■内藤新宿太宗寺の文化財とは

新宿駅東口から東に約700m、新宿御苑にほど近い繁華街に、慶長元年(1596年)に開かれた「太宗庵」を起源に持つ浄土宗の寺「太宗寺」があり、寺が所持している像や絵画などが公開されています。

この地に下屋敷を構えて勢力を持っていた譜代大名「内藤家」の寄進を受け、寛文8年(1668年)に起立した太宗寺は、甲州街道の宿場である「内藤新宿」の中に位置していたことから、江戸時代から多くの参拝者が訪れて周辺も賑わっていたということです。

境内にある像や絵画などは東京都や新宿区の有形文化財に指定されていて、平成7年(1995年)からは5番目の「新宿ミニ博物館」として、広く一般に公開されるようになったそうです。
銅造地蔵菩薩坐像

境内に入り右側にある大きな菩薩地蔵は、六街道の出入口作られた江戸六地蔵の一つで、正徳2年(1712年)に造立された「銅造地蔵菩薩坐像(東京都指定有形文化財・彫刻)」ですが、明治の文豪・夏目漱石さんは幼少期にこの像に登って遊んでいたそうで、「道草」という作品の中にも記されているそうです。
閻魔堂

菩薩地蔵の隣にある「閻魔堂」には、江戸三大閻魔の一つである「閻魔大王像」と、三途の川にいるとされる「脱衣婆像」が祀られていて、普段は格子越しにしか見ることができませんが、1月と7月の15日・16日に開帳され、直接拝見することができます。

文科11年(1814年)に安置された木造の閻魔像は、高さ550cmと迫力満点で(関東大震災で大破した体は昭和8年・1933年に改作)、向かって右側には噓つきの舌を抜く「金ばさみ」も置かれていました。

江戸時代には、泥酔者が閻魔像の水晶の目を盗んでしまうという事件がありましたが、突然体がすくんで転倒するという不思議な出来事が起こり、錦絵にも描かれ評判になったということです(ボストン美術館のHPに公開されている錦絵はこちら)。

閻魔像の左隣にある高さ240cmの「脱衣婆像」は、明治3年(1870年)に制作されたとされていて、三途の川を渡る亡者から衣をはぎ取り、生前の罪の重さをはかっている様子が表現されているのだそうです。
三日月不動堂

こちらのお堂も、普段はガラス越しにしか内部が見られないようですが、訪問時は直接拝観をすることができました。

江戸時代に作られた「三日月不動像」は、額の上に現生の三日月が付けられているのが特徴で、三日月の光が大空を照らせるようにと、像の上に窓が取り付けられているのだそうです。

こちらは、昭和初期に有志によって創設された「新宿山の手七福神」の一つ「布袋尊像」で、豊かな暮らしと円満な家庭の守護像なのだそうです。
塩かけ地蔵尊

造立年代や由来についてははっきりしていないそうですが、いぼ取りにご利益があるといわれていて、患部に塩をかけて治癒を願うという風習が、江戸時代から続けられているということです。
内藤正勝の墓

寺の西側に墓地があり、その突き当りに、江戸時代に譜代大名を務めていてこの寺の起立にも関わった、内藤家の墓所があります。

中央が5代の正勝さんの墓塔(寛永5年・1628年造立、新宿区指定史跡)、右側が13代の頼直さん、左側は内藤家累代の墓塔だということです。
切支丹(キリシタン)灯篭

江戸時代に隠れキリシタンが密かに礼拝していたとされる灯篭で、全体形状は十字架を、脚部の彫刻はマリア像を象徴したものと解釈されているそうです(脚部が内藤家墓所から出土し、上部は復元されたものだそうです)。
曼荼羅図など

毎年7月15日・16日には、本堂内にて、「曼荼羅図」などの絵画が特別に公開されているそうです(拝観料は大人100円子供50円でした)。

本堂の正面には大きな曼荼羅が、左右に中型の曼荼羅や涅槃図、十枚の絵からなる十王図が展示されていました。

縦425cm横308cmの大型の「感無量寿経曼荼羅」は、江戸時代初期のものと推定されていて、奈良県当麻寺の感無量寿経曼荼羅を同じサイズに模写したもので、浄土宗の経典の一つにあたるものだということです。

「阿弥陀経曼荼羅(左)」と「無量寿経曼荼羅(右)」です。

右の「涅槃図」は、お釈迦様の入滅を絹に描いた図像で、明治31年(1898年)に奉納されたものだということです。

冥土で死者の罪状を審判する10人の王を地獄思想の基に描いた「十王図」は、江戸時代末期頃のものだと推測されているそうです。
■まとめ

新宿の大繁華街の中にありながら、江戸時代から甲州街道の起点の要の場所として太宗寺が残し伝えてきた文化・歴史を、「ミニ博物館」として十分に堪能することができました。

毎年7月15日・16日は、閻魔大王像や曼荼羅図を間近に見られるチャンスなので、計画的に訪れることをぜひおすすめしたいと思いました。
なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。
<良かった点・いまひとつだった点>
〇内藤新宿に関する歴史を再確認することができた
〇ミニ博物館として順路や見どころ解説がありポイントがつかめた
〇7月15・16日に閻魔像や曼荼羅を見られ得な気分を味わえた
△外国人旅行者のため英語表記などあるとより親切だと思った
<新宿ミニ博物館の記事>
■インフォメーション
詳細はホームページで確認を
開館日・時間
0800-1700(屋外部分は日中開いているとのことです)
料金
無料
アクセス
東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前 徒歩約3分
住所
160-0022 東京都新宿区新宿2丁目9−2
以上です、ご覧いただきありがとうございました。
