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【すごい博物館185】航空科学博物館:“空の玄関口”近くで飛行機の技術を楽しむ!

飛行機好きにオススメ 登録博物館


■航空科学博物館とは

2026年6月に訪問

日本の空の玄関口とも称される千葉県成田市の「成田国際空港(通称:成田空港)」、そのA滑走路の南東側に、飛行機が誕生してから現在に至るまでの歴史や、航空力学に関する原理や技術を、体験を通じて学ぶことができる、日本で最初の航空専門博物館「航空科学博物館」があります。

航空会社の格納庫やエプロンがある場所の外側には成田市の境があり、写真の緑地帯より手前側は千葉県芝山町となりますが、芝山町はこの一帯に「スカイパークしばやま」という観光エリアを設けていて、その目玉施設のひとつが航空科学博物館となっているそうです。

昭和53年(1978年)に成田空港(当時:新東京国際空港)が開港し、日本の航空事業が発展していく中で、若い人たちに航空関連の知識を啓発したり、技術振興をはかることを目的に、平成元年(1989年)この博物館がオープンしたのだそうで、現在は「公益財団法人・航空科学博物館」が運営しているということです。

博物館は、地上2階建ての「本館(展望部分は5階)」と、リニューアルの際に追加された「体験館」、そして過去に活躍していた航空機が並べられた「屋外展示場(ここは無料エリア)」で構成されていました。

本館中央の入口から入り、エントランスホールで入館料を払い、その東西にある円筒形の展示室を巡っていくという動線が基本となっていました。

入館券のシールを服に貼って入るわけですが、空港の保安検査場にある「セキュリティゲート」を通過するという粋な演出がなされていました(本物かレプリカかどちらでしょうかね)。

■本館

西棟1F・2Fの展示室

2階から撮影

最初の展示室では、かつて世界最大の旅客機として活躍し、ジャンボジェットの愛称でも知られる「ボーイング747(以降:B747)」シリーズに関する技術資料を中心に、航空機のシステムが紹介されていました。

B747の主翼先端についていたHFアンテナや、操縦席の窓ガラスが展示されていましたが、間近で見るととても大きく迫力を感じました。

日本航空のB747に使われていた、プラット・アンド・ホイットニー(略称:P&W)社の「JT-9Dターボファンエンジン」は、内部構造が見えるように展示されていて、解説図と見比べることで推力が生み出される仕組みを理解することができました(訪問時には見逃しましたが、プロジェクションマッピングによる映像解説も行われているようです)。

B747の前方二階建て部分が「輪切り」で紹介されていて、その大きさに驚くとともに、空港でよく目にする貨物コンテナがいびつな5角形をしているのが、床下貨物室の形状に理由があったことに納得がいきました。

こちらのガラス板のようなものは、かつて英・仏が共同開発した超音速旅客機「コンコルド」のコックピットの窓部分だそうで、こんな貴重でレアなものまで収蔵しているのかと大変感激しました。

B747の客室(キャビン)を再現したモックアップがあり、エコノミーからファーストクラスまでの座り心地を確認することができましたが、現在設置されているシートは実はB777のもので、令和6年(2024年)に全日本空輸(通称:ANA)が寄贈・設営をしてくれたのだそうです。

そして客室の前方に付けられたB747-400のコックピットは、実は本物ではなく、平成20年(2008年)の公開映画「ハッピーフライト」の撮影用に作られたセットが博物館に寄贈されたものだそうで、頭上の壁面には監督の矢口史靖さんや俳優の時任三郎さん・田辺誠一さんのサインが書かれていました。

搭乗者をもてなしてくれる客室乗務員の制服の種類や変遷が、着せ替え人形とともに紹介されていました(タカラトミーの「リカちゃん人形」や、海洋堂のフィギュアも飾られていました)。

階段で2Fに向かう途中にコックピットがありましたが、ここでは室内中央に設置してあるB747大型模型を操縦しながら、飛行機のフラップや車輪が動く様子を観察できるようになっていました(700円・要整理券)。

西棟2Fに上がると、飛行機が誕生してからの変遷が300機の模型で示された「立体航空史年表」があり、黎明期・発展期・成熟期の区分で進化の過程が解説されていました。

アメリカのライト兄弟が、1903年に世界初の動力飛行を行った「フライヤー」の模型(縮尺:1/5)がありましたが、うつ伏せに乗って操縦するのはさぞ怖かっただろうなと思ってしまいました。

1947年に超音速を達成したアメリカの「XS-1」の操縦席に入ることもできましたが、ロケットエンジンの飛行機を操縦するのも勇気がいっただろうなと想像しました(本物でなくレプリカでしょうかね)。

2Fで西棟から東棟に向かう通路部分には、明治45年(1912年)から始まったという日本での飛行機生産に関する変遷が、写真や模型、そして実物のエンジンなどで紹介されていました。

旧日本海軍の「零式艦上戦闘機(通称:ゼロ戦)」の操縦席に入ってみましたが、今から80年ほど前の戦時中、多くの若者たちがこの狭い空間の中で命懸けで飛んでいたことに思いが馳せられ、少し虚しい気持ちも沸き上がってきました。

東棟2Fの展示室

こちらは成田国際空港株式会社(NAA)の業務やシステムを紹介している部屋で、中央部分に空港の大型模型があり、周辺にいくつかの参加型アトラクションが設営してありました。

この空港模型は、2つの滑走路や3つのターミナルなどが精巧に再現されていて、東京ドームとのサイズ比較から、いかに広大な面積を有しているのかということに改めて気づかされました。

空港では様々な職種のスタッフが働いていることを紹介する展示では、カメラに映った自分の顔がアバターとして画面上に現れ、空港内のどこで活躍しているのかがわかるようになっていました。

「音の体験ルーム」では、成田空港のキャラクター「くうたん」の案内で、ジェット旅客機の轟音を聞くことができ、B747、777、787と技術が進化するにつれて防音対策が進んだことを、疑似体験を通じて理解することができました。

成田空港に就航していた世界のエアラインの写真集もありましたが、すでに引退した懐かしい機体たちを拝むことができて、感動モノでした。

展望エリアの4~6F

展望室や展望台に向かう螺旋階段には、「飛行機のあゆみ」と題して、歴史を彩った名機たちの絵画(イラストレーター下田信夫さんの作品)が掲げられていました。

英仏共同で作られた超音速旅客機「コンコルド」と、ソ連の「ツポレフ144(俗称:コンコルドスキー)」が一緒に描かれた絵が印象的でした。

4Fは「展望レストラン」になっていて、A滑走路に離着陸する飛行機を見ながら、機内食そっくりに作られたランチを楽しめるようになっていました(訪問時は営業時間の前でした、残念)。

5Fの「展望展示室」は、博物館周辺を360度眺めることができるようになっていたうえ、かつて航空管制に使われていた卓やレーダー装置なども展示されていて、あたかも自分が管制官になったかのような錯覚を楽しむことができました。

屋外展示場(後述)に並べられた飛行機たちを、上から眺めた風景も壮観でした。

そして6Fにある「屋上展望台」は、令和7年(2025年)から新たに一般客に開放されたエリアだそうで、ガラスに遮られることなく空港を観察するにはもってこいの場所となっていました。

東棟1F

エントランスから右側に進み東棟部分に入ると、「ダグラス・DC-10」のドア部分のモックアップがありましたが、これはかつてノースウエスト航空が、客室乗務員が非常時のドア開閉訓練をするために使用していたものが寄贈されたのだそうです。

DC-10のドアを入ると、その奥に「ダグラス・DC-8」の訓練用シミュレーターを改造したアトラクションがあり、約30分間のフライト疑似体験ができるようになっていました(操縦席700円、客席400円)。

東棟の奥の方には、救急医療の場で患者を搬送する「ドクターヘリ」の模型が展示されていた他、飛行機に関する書籍や雑誌を閲覧することができる「ライブラリ」も設けられていました。

■体験館/セクション41

平成31年(2019年)、開館30年に伴う大型リニューアルが行われた際に、本館の北西部に2階建ての新たな施設「体験館」がオープンしたのだそうです。

体験館の2Fには、様々な航空機のシミュレーターが集められていて、ブルーの幕で覆われた内側では、インストラクターの指示に従いながら、B737MAXやB777の本格的な操縦体験ができるようになっていました(それぞれ1回1000円/500円)。

こちらのシミュレーターは、旅客機の他にセスナやヘリコプターなどを選んで操縦体験ができるもののようでした(1回200円)。

パイロットの技量維持のために実際に使われていたという、キングエア200のシミュレーター(一部)も展示されていました。

1F部分には「体育館ホール」があり、「折り紙飛行機飛ばし」などのイベントや、団体訪問者の休憩場所などに使われているようでした。

本館と体験館にある屋外スペース「セクション41」には、かつてシンガポール航空やノースウエスト航空で活躍していたB747ー200の機首部分が実物展示されていて、ガイドツアーに申し込めば内部見学もできるようでした(1回500円)。

この機首部分は、退役後にアメリカ・アリゾナ州のマラナ砂漠に保管されたものから提供してもらい、8つに分割して海路・陸路で運ばれ、この場所で再び組み上げ、平成23年(2011年)から公開が始まったということです。

■屋外展示場

博物館の建物前にある広場では、かつて大空を駆け巡っていた約20機の航空機たちが、羽を休めて余生を過ごしていました。

日本にとって戦後初の国産旅客機である「YS-11」の試作機1号(昭和37年・1962年製造)が、この地に残されていました(かつては内部も公開されていたようですが、訪問時は行われていませんでした)。

この「YS11」は、一般財団法人日本航空宇宙開発協会によって、令和6年(2024年)に「航空宇宙技術遺産」に認定されたということで、館内には認定証も展示されていました。

海上保安庁が捜索・救難に使用していた「シコルスキーS-62」ヘリコプターなど、いくつかの小型機では内部も公開されていて、機内やコックピットに入って構造を観察することができました。

■関連:空飛ぶ学び舎ラボ

航空科学博物館の駐車場エリアにある「空飛ぶ学び舎ラボ」は、令和4年(2022年)に、株式会社エアーチャータージャパンが開設したイベント施設で、航空学習に関する教育活動や研修・セミナーなどを実施しているということです。

航空科学博物館を団体で訪問した際、昼食の場所としても利用できるということです(要予約・有料)。

■関連:成田空港 空と大地の歴史館

同じく駐車場エリアにある「成田空港 空と大地の歴史館」は、成田空港の建設にあたって政府と近隣住民の間で起こった紛争の歴史などを伝えている施設で、無料で入場することができました。

館内では新空港の建設にこの地が選ばれた経緯から、反対闘争の様子、そして開港から現在に至るまでの経緯が、実物資料も交えながら詳しく解説されていました。

■まとめ

実物大サイズの資料が豊富で見応えがあり、実際に乗り込んだり音を聞いたりする体験を通して航空機の魅力を再発見できる、サイエンスにあふれた博物館でした。

若い人たちが展示を見ることによって航空科学に興味をもち、そのなかから日本の空の交通を支える人材が生まれる、といった好循環を生むためにも、こういった博物館の展示には大事な役割があるのだなと、改めて気付くことができた訪問でした。

なお、この記事は展示の解説やホームページ等を参照して記載しました。

<良かった点・いまひとつだった点>

〇技術紹介展示はB747が軸になっていて構成がシンプルになっていた
〇多くの模型で歴史が表現されていて進化をビジュアルで感じられた
〇屋上展望台が解放されるようになり飛行機の写真が撮りやすくなった
△B787やA350など新しい航空機の技術情報も知りたかった

■インフォメーション

詳細はホームページで確認を

開館日・時間
 火~日曜日(月曜日は休館、祝日の場合は翌日、8月は全日開館)
 10:00 - 17:00(入館は16:30まで)
料金
 大人:900円
 中高生:400円
 子ども(4歳以上):300円
アクセス
 駐車場あり
 京成バス千葉イーストまたはJRバス関東の航空科学博物館停留所 徒歩約0分
住所
 289-1608 千葉県山武郡芝山町岩山 111-3

以上です、ご覧いただきありがとうございました。

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